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既成政党をブッ潰せ!「ロスジェネの逆襲」が小沢新党の神風となる
http://gendai.net/articles/view/syakai/138412
2012年8月28日 日刊ゲンダイ
安倍・橋下の連携は失望を招くだけ
直木賞作家、池井戸潤氏の最新作「ロスジェネの逆襲」がベストセラーとなっているが、政界にも「失われた世代=20代、30代の逆襲」の嵐が吹き荒れそうだ。次の総選挙は若年層の投票率が上昇。民主、自民の2大政党に鉄槌を下すというのが、選挙のプロの見立てだ。解散から逃げ惑う野田政権を尻目に、小沢新党が若者対策を急げば、勝利は確実だ。
「次の選挙で勝負のカギを握るのは若年層です。『失われた世代』の多くは過去十数年の政治停滞のツケが、すべて自分たちに回っていると感じています。まるで前進しない子育て支援、将来の受給のアテもなく、負担を強いられる年金制度の不公平、不安定な雇用形態に就職難など、政治への鬱憤はピークに達しています。失われた世代の怒りを取り込んだ政党が、大躍進するのは間違いありません」
選挙予測に定評のある政治評論家の野上忠興氏はこう言うが、事実、総選挙のたびに若者の投票意欲は高まっている。投票率の低迷は03年の総選挙(20代=35.62%、30代=50.72%)で底を打ち、05年の郵政選挙は20代=46.20%、30代=59.79%。09年の政権交代選挙は20代が49.45%、30代は63.87%で16年ぶりに6割台を回復と、噴火直前のマグマの上昇のようにジワジワと投票率は伸びているのだ。
「失われた世代の投票率上昇が猛威を振るったのが、昨年11月の大阪ダブル選挙でした。特に市長選は平松前市長と橋下市長の直接対決が注目され、前回選挙の投票率を20代で16ポイント、30代で20ポイントも上回った。若年層の票の上乗せが、既成政党の惨敗を招いたのです。失われた世代の既成政党への怒りは凄まじく、民主、自民に加え社民、共産と束になって平松前市長を支援しても敗北を喫したのです」(野上忠興氏=前出)
手ぐすね引いて待ち構える若者たちに恐れをなし、ビビる野田は解散から逃げているのだろう。一方、失われた世代が既成政党をブッ潰す潮流は、小沢一郎率いる「国民の生活が第一」にとっては大チャンスだ。
大マスコミの世論調査と違って、20代、30代が中心のネット支持率だと、「生活」は常にトップ級。ヤフーの政治投票サイト「みんなの政治」では、政党支持率が一時40%を超えた。小沢がこだわる「09年の民主党マニフェスト」も、子ども手当や新年金制度の創設など、子育て・若者世代の支援策が目白押しだ。
前出の野上忠興氏は「自民党の安倍元首相が維新の会との連携を模索していますが、橋下市長が既成政党と手を結べば、確実に失われた世代の失望を招く」と分析する。維新の会が現職議員を取り込もうとするほど、小沢新党が輝きを増す展開である。
はたして、小沢は「怒れるロスジェネ」を味方につけられるのか。来る総選挙の行方は、この一点にかかっている。
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