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米国共和党の戦争屋に繋がるであろう人々の証言 下院外交委員会の一幕を読む
2012年08月27日 :(世相を斬る あいば達也)
今夜は、興味のある人しか読みそうもないニッチな資料(2011.05.24資料だが米国戦争屋の対日戦略を読むには有効)を添付するだけとする。軍産複合に寄与する人々の、それなりの思いと云うか戦略がこういうプロセスで進行していくのだなと、筆者などは感心しながら読んだ。民主党オバマ政権であるにも関わらず、おそらく日米同盟関係は共和党戦争屋のテリトリーと云う不文律の存在を臭わすような一幕を覗いた気がする。筆者は≪ランドール・シュライヴァー・アーミテージ・インターナショナル 創設パートナー兼プロジェクト2049研究所理事長≫の証言に強く興味を持った。マイケル・グリーンも一応眼を通した方が良いかもしれない。まぁ、このひと幕をどのように読み解くか、皆さまにお任せする事にしよう。それでは、足早に失礼します。
≪ 【アメリカ】 「日本の将来」に関する下院公聴会 海外立法情報課 新田紀子
2011年5月24日、下院外交委員会のアジア太平洋小委員会(ドナルド・マンズーロ(Donald A. Manzullo)小委員長(イリノイ州、共和党))において、「日本の将来(The Future of Japan)」と題した公聴会が開催された。冒頭の藤崎一郎駐米大使による非公式のブリーフィング、また、米側関係者・有識者による証言の概要を、証言については事前提出の書面証言を中心に、紹介する。
*藤崎一郎駐米大使(非公式のブリーフィング)
米国南部で発生した竜巻と洪水の被害者へお見舞いを申し上げ、東日本大震災に際し世界中、特に米国官民から受けた多大な支援に謝意を表明したい。原発事故については、原子炉の冷却に努力しており、東電の報告書によれば、6〜9か月内でこれを制御しようとしている。日本の将来について、民主主義、人権、言論の自由、開かれた経済と世界の平和と安定の追求といった基本的な価値や考え方は変わらない。また、日米同盟は世界の平和と安定の礎石であり、菅総理大臣は、日米関係を安全保障、経済、文化交流の3つの柱において強化することでオバマ大統領と意見が一致したと述べている。米国は東アジアのコミュニティや国際機関にとり必要な参加国であり、米国の東アジアサミットへの参加を歓迎する。日本は東アジアだけでなく、グローバルなプレイヤーであるべきである。
日本経済は急速に復興しつつあり、国会は復興基本法を議論している。エネルギー戦略計画の見直しが行われ、環太平洋パートナーシップ(TPP)協定交渉参加の決定問題はこの事態により更なる考慮が必要である。政府開発援助(ODA)の7%削減は、復興に必要なためであり、本年のみと考えている。文化・人的交流について、日本人英語教師の米国派遣計画、米国人教師や高校生の交流計画を開始する。大震災に関し、国際機関は日本との通商について規制を不要としている。余震は減りつつあり、放射能のレベルは通常の水準に戻っている。また日本は高い透明性を重視している。クリントン国務長官や全米商工会議所会頭の訪日を歓迎する。議会の交流も増やしてほしい。
*証言1:ロバート・ゾルドス(Robert J. Zoldos II)バージニア州フェアファックス郡捜索救助隊隊長
被災者への深甚なる哀悼の意を表したい。地震発生後3時間以内に、米国国際開発庁が協定を結んでいる、カリフォルニア州ロサンゼルス郡及びバージニア州フェアファックス郡消防局からの都市捜索救助国内チームに対し、日本派遣の準備の指示が出された。同チームは148名の人員と12匹の捜索犬から構成され、装備60トンを準備した。3月13日に三沢基地に到着し、米軍や防衛省の協力を得て現地入りし、地元自治体職員からの説明後、直ちに大船渡市に派遣され、地元関係者との準備会合を行い、15日夜明けとともに捜索・救助を開始した。
英国や中国のチーム、大阪と大船渡の消防団員仲間とともに捜索した。次に釜石市に派遣された。日本側から割当てがあったすべての場所で救助活動を行った後、20日に帰国し、動員が解除された。生存者を発見できなかったことは非常に残念であったが、このような事態の支援のために日本へ展開されたことは名誉と思っている。我々が赴いたどこでも、このような悲劇に直面しながらも、日本人から温かく迎えられた。
*証言2:ランドール・シュライヴァー(Randall G. Schriver)アーミテージ・インターナショナル 創設パートナー兼プロジェクト2049研究所理事長
日本の友人に対し、弔意と支援の気持ちを伝えたい。世界は、日本人の辛抱強い対応を大いなる称賛を持ってみている。災害の影響を過小評価すべきではないが、日本が復興し、復帰するという一点については、我々は確信すべきだ。我々は震災後に示された日本人の品位と忍耐、博愛の証人であり、日本人の対応は、復興に向けた日本人の辛抱強さと展望について我々に自信を与えるものである。
日本の政治家による今日の決断が、日本が、限定的な範囲・影響力を持つミドル・パワー(middling power)に陥るのかどうか、あるいは、地域や世界におけるリーダーシップを持つ地位に再び上るのかどうかを決定しうるというのは誇張ではない。大震災前も、日本の指導者は困難な選択に直面していたが、大震災後、日本、そして我々の同盟は転換点を迎えている。日本の急速な復興と、この危機から日本がより強く、より自信に満ちた同盟のパートナーになることは米国の利益であるということを明確にすべきである。米国は、日本のリーダーシップや大国の地位への復帰を推進するために可能なすべてのことを行うべきである。
短期的には、日本政府は、被災者の再定住、インフラの再建などに焦点を当てている。今後、国内エネルギーの将来についても真剣に議論する必要がある。新規原発の建設計画は保留されているが、近い将来に再生可能エネルギーへの完全な移行はなく、LNGと石炭の輸入に戻ることになろう。これは最近の両者への大きな価格上昇圧力をさらに強め、エネルギー費用の上昇は復興の障害ともなろう。民間企業への直接の復興支援に優先順位をつけるべきである。物理的なインフラの損傷、離職者、エネルギー供給の不安、流通ネットワークの損傷は、日本の将来をめぐる不確実性となる。
米国は、同盟国の支援体制をとり、友人が必要としている時に見捨てることはないと保証すべきである。オバマ政権が直ちに危機に対応し、議会もそれを可能にさせたことを評価する。人道的・財政的支援、捜索・救助チームの展開、海兵隊の派遣が行われ、原発危機では在日米国大使館はそのプレゼンスを増大させた。これらは見過ごされることはなく、トモダチ作戦の名称に合っていた。 これらの最近の出来事は、日本のみならず米国にとっても重要な政策決定を示していることは明確である。大震災前でさえ、一部の評論家は、日本のミドル・パワーへの衰退を予測する一方、台頭する中国が日本を経済的に上回り、地域の主要な政治勢力となる中で、日米の戦略的パートナーシップの価値に疑問を投げかけ始めていた。日本の急速かつ完全な復興への我々の強い願望は揺らぐことはない。私の見解では、日本は米国の地域戦略の中心にあり続けるべきである。我々の利益を明確かつ力強く訴えることが最重要である時に、日本の衰退は、米国のこの地域における影響の弱体化を不可避にする。
両国は、共通の価値と経済・安全保障の利益を共有する自然な同盟国(natural allies)である。強力な日本は、この地域の蓋然性のあるあらゆる安全保障上の脅威に対する防止(hedge)としての役割を果たす。日本は朝鮮半島の非核化を強く主張し、日米は台湾海峡の平和と安定に利益を共有し、日本における米国のプレゼンスは、米国が台湾関係法の義務の履行を確保するための鍵である。日米両国は、南シナ海のような係争地域を含む国際海域・空域における航行の自由の価値を理解している。
日米同盟は、地域に利益を与えてきただけではない。日本は、イラクにおける米国の解放・再建活動を支援し、アフガニスタンの平和の推進に積極的に貢献し、国連、世銀、IMFに対する世界第2位の出資国である。日米同盟は、米国の海外における安全保障の利益と国内の経済的繁栄に有益以外の何物でもないことを証明してきた。日本を素通りし、代替の地域戦略を追求するという、ワシントンでの新しい政策への要請は、一部の人々を惹き付けるかもしれない。日本は復興に向けて重大な障壁を有している。こうした既存の問題と大震災は日本を内向きにし、地域及びグローバルな大国の役割からの後退を強いるであろうというのは、正しい懸念である。
しかし、不確実性は日本の状況によってのみ生じているわけではない。すなわち、日本は米国の地域へのコミットメントについて懸念がないわけではない。米軍が中東に関与し、アジアから再び関心が削がれていることを承知している。また米国の対中関与は、地域やグローバルな問題の解決のために中国とパートナーを組むことの優先順位の高まりや関心の増大を反映しているとみている。アジア太平洋地域で貿易自由化に向けた努力が加速化している時に、米国政府が関心を失っていることもみている。国防予算の将来の削減がアジアにおける米軍のプレゼンスにどのような意味を持つだろうかと疑問に思っている。
日本にとって強力なパートナーとして米国以外の現実的な選択肢はないかもしれず、その結果は内向きになるという選択になるかもしれない。しかし、この転換点は、日本の地域的・国際的な姿勢の方向性を再設定する機会であるとの考えが出始めている。中国が日本の復興に果たす役割に疑いはないが、米国から中国に軸足を移そうとの日本におけるいかなる考えにも強く警告する。中国は最もましな場合でも、信頼できないこと、最悪の場合には日本の衰退を積極的に求めているかもしれないことが明らかである。昨年には、レアアースの供給停止、北朝鮮の挑発的な軍事行動後の同国に対するあからさまな支持、さらに日米関係に亀裂が生じていると考えての主権の積極的な主張がなされた。中国は、日本にとり良き友人でもパートナーでもないであろう。
米国の他の課題が、東アジアにおける米国の注意をそらせ、米国の活動にとってマイナスにならないようにすることが重要である。大震災は日本が主に対処するが、米国は日本のための強力な代弁者の役割を演じ、アジアにおける我々の将来にとり、日本が中心であり続ける旨の必要な再保証を提供することができる。まず、ワシントンでもっとも貴重な資源である政府高官の時間と注意を投資することである。米中戦略対話のほとんど成果もない行事に大統領と多数の閣僚が相当の時間とエネルギーを費やしたが、同盟国日本に少なくとも同じだけの注意を向けるべきではないか。
米国も、アジアにおけるリーダーシップの地位を長期的に維持する能力に必要とされる困難な決断をすべきである。依然としてハード・パワーが重要な地域において支配的な勢力であるために、米国は必要な国防資源を約束するべきである。貿易の自由化には不承不承の参加者ではなく、リーダーであるべきである。日本との軍事同盟に関し、しっかりとした二国間の課題を押し進めるべきである。
*証言3:マイケル・グリーン(Michael J. Green)戦略国際問題研究所(CSIS)上級顧問兼日本部長
地震・津波・原発の部分的メルトダウンという三重の災害は、日本にとり第二次大戦以来の最大の危機となった。この悲劇の一撃は、日本人が、政治のリーダーシップへの不満を募らせ、債務残高の影響や人口動態のトレンドが低迷する経済に及ぼす影響に意気消沈し、中国、ロシア、そして北朝鮮による裏庭での積極的な動きを警戒している時に起きた。しかし、同時に、日本社会の隠された強さと新しい決意を明らかにした。
米国は、日本の復興に大いなる利害関係を有する。国家安全保障・経済戦略上の問題としては、米国は、アジアにおける米国の軍事外交上の前方のプレゼンスの不可欠な基軸として、また、中国の台頭につれ、地域の安定した戦略的均衡の基盤として、日本を強く頼りにしている。先進経済・民主主義国としての日本は、アジアの国々が、専制的な開発モデルではなく日本と同じ道に続くよう奨励するために重要である。韓国、豪州、インドなどが米国の対外政策に重要性を増しているが、米国への支持と影響力の観点で、日本にかわりうる同盟国もパートナーもない。
米国民は、日本の復興に個人的な関心を示した。世論調査では、日本に対する好意や信頼がこれまでになく高く、JETプログラムの関係者、滞日経験のある米軍人、在米日系企業で働く米国人などが震災後の支援のために草の根で活動し、2億5千万ドルを集めた。各種NGOは専門家を派遣した。CSISは、復興のためのパートナーシップを立ち上げ、経団連と協力して復興努力を支援することになった。
以下、日本の強さ3点、日本が直面する課題3件について述べる。第一の強さは、BBCの世論調査に見られるとおり、世界の日本への大いなる敬意の念である。今回は多くの国から支援がもたらされた。第二の強さは、自衛隊のプロフェッショナリズムと有効性である。日本の防衛費は今後何年も圧力を受けるであろうが、今回、相互運用性と統合は、抑止、諌止(dissuasion)、再保証(reassurance)、と同様に重要であることを示した。第三の強さは、日本の若者のエネルギーと一致した目的を持っている ことである。ほぼ30万人の日本人がボランティアとして東北に入った。
第一の課題は、経済である。再建に必要な約6千億ドル以上の費用については、日本は必要な貯蓄を有し、また特別税・債権で支払う用意があるとみられているが、最大のリスクは経済構造のさらなる空洞化であろう。グローバルな供給網における日本の重要な役割が明らかにされたが、少なくとも部分的に生産を本州からシフトする動きがある。菅総理が提案した、TPP参加についての議論が強まるであろう。第二の課題は、エネルギー源に関する日本の戦略的アプローチの前提がストレスにさらされるかもしれないことである。短期的・長期的にエネルギー不足に直面するであろう。日本政府が、福島第1原発で起きたことについて綿密かつ独立したレビューを許可すれば、安全性向上や説明責任の基準に関する国際的な議論を導く良い立場に立てるであろう。第三は、復興と再建のための政治的なコンセンサスやリーダーシップの構築という近々の課題である。今後数か月の間に、政治再編のプロセスが加速し、断固たるリーダーシップを生み出すであろう。
この危機は、日米同盟のユニークな深みと両国民の絆を明らかにした。我々が日本ときちんと向かい合うならば、日本、米国、そして世界に影響を与えるであろう。
*証言4:ゴードン・フレイク(L. Gordon Flake)モーリーン・マイク・マンスフィールド財団事務局長
救助・復旧から復興に関心が移り、緊急の課題は、原発問題、多くの破壊されたコミュニティの再建である。大震災前、日本は、財政的制約の下、希少な資源を国内問題に向けざるを得ず、地域で活発な役割を演じることができないというのが共通の観測であった。また、日本がますます内向きになっていることを示すトレンドの重大な証拠もあった。大震災がこれらを加速化するかどうかが、日本の方向性、今後の地域における役割の重要なサインである。
しかし、積極的なトレンドの可能性もみられる。日本は、国際的な支援を受け入れ、日本のメディアも国民も支援に感銘を受けている。米国の世論調査でも、日本は、中国や韓国のような歴史問題が残っている国を除けば、世界で最も尊敬され、好意的にみられている国のひとつである。また、こうした国際的な対応が、日本の若い世代に国際問題への関心を再生させるかである。
5月初め、補正予算の審議中に、松本外相が謝意表明のために米国、欧州、アフリカを訪問したことは、潜在的に意味のあることである。同月20日、枝野官房長官はハーグ条約(国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約)締結に向けた準備の開始の決定を発表した。同月1日付のインターナショナル・ヘラルド・トリビューン紙への松本外相の投稿記事は、日本がビジネスに開かれており、世界からの支援と連帯を生かしつつ、よりダイナミックな国に生まれ変わるという内容であった。こうした思いは、日中韓首脳会談、G8サミットでも菅総理から表明された。
大震災の出来事は日米同盟に新しい光を当てることにも役立った。イシューに基づく有志連合を選好する一部の声にもかかわらず、日本の緊急事態への米国の具体的な対応は、「同盟が重要である」ことを示した。何十年もの緊密な調整と協力が、軍の近接性、前例のない方法で、救助・救援・復興支援を行うことを可能にした。朝日新聞の社説もその点を評価している。在韓米軍の場合と異なり、これまで米軍のプレゼンスの核心的な理由を日本国民に説明する努力が非常に少なかったので、これは特に意味がある。中国の地域における役割に対する日本の懸念の増大と、昨年の尖閣諸島をめぐる対立の中で、米国が災害で果たした積極的な役割は、日米同盟への高い支持を深化させた。日米両国の財政的課題がなくなった訳ではないが、協力の拡大と合同での活動の分野を探る機会を提供している。
ここで、日韓関係について述べたい。日本の韓国との関係は、日本の将来の方向性の重要なサインになるであろう。過去数年の日韓関係の改善、日韓それぞれの政府の交代、韓国哨戒艇沈没事件や延坪島砲撃事件での、日本の当初からのそして声高い支持、中国の尖閣諸島や南シナ海での激しい反応は、両国の共通の感覚を強めた。一部にはこうした事態の対応として、昨年、自衛隊の将校が米韓軍事演習を参観し、韓国軍将校が日米の演習を参観した。また6年ぶりに北澤防衛相が訪韓し、物品役務相互提供協定等の議論の開始に合意した。ハイチ地震でも自衛隊と韓国軍の間で相当の協力が行われた。これらは小さなステップであるが、韓国が大震災への対応を準備するために役立った。救助チームの派遣は、韓国の近接性があるにせよ、もっとも早いものであり、原発にはホウ酸を送った。もちろん日韓関係に緊張はある。韓国市民や有名人の多くが支援のための資金集めを行う中で、独島/竹島に関する日本の主張を繰り返す教科書が公表され、日韓の領土問題が韓国の善意を脅かした。
しかしながら、北朝鮮について共通の立場を調整することについて、日本の米韓両国との協力に変化の兆しはなく、日韓安全保障協力の見通しはよく、先週末の日韓首脳会談のアジェンダからみると、情報共有や原子力安全・開発、復興などに関しさらに明るい見通しがある。いずれも、米国にとり歓迎すべき展開である。
≫(国立国会図書館HP:海外立法情報課 新田紀子 のレポートより抜粋)
元記事リンク:http://blog.goo.ne.jp/aibatatuya/e/8eda39e70cda31fe0d30d7e58fdd0f07
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