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◆野田佳彦首相は8月22日、反原発市民団体『首都圏反原発連合』の代表者11人と首相官邸で面会して、意見を聞いた。だが、原発再稼動決定を覆す考えがないことを力説しただけで、双方噛み合わず、平行線に終わった。
野田佳彦首相は、反原発市民団体や一般市民が3月から毎週金曜日に首相官邸周辺に集まり、行ってきたデモのなかから湧き上がる「再稼動反対」の声を単なる騒がしい「音」としか受け止めていなかったことが批判されてきた。
ところが、この動きが全国規模に拡大してきていることから次期総選挙と参院議員選挙選挙で民社党に大打撃を与えかねないと憂慮する意見を側近からも示されて、遅まきながら面会に応じることにした。つまり、国政選挙への結果を配慮しての「打算」であった。
毎日新聞毎日jpが8月22日午後5時17分、「野田首相:反原発の市民団体代表と面会 議論は平行線」という見出しをつけて、以下のように報じた。
「野田佳彦首相は22日、反原発市民団体『首都圏反原発連合』の代表者11人と首相官邸で面会し、政府の原子力政策について『基本的な方針は脱原発依存だ。中長期的に原子力に依存する態勢を変えていくことを目標にしている』と述べた。首相は関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働への理解も求めたが、市民団体側は運転再開の中止を訴えるなど、議論は平行線に終わった。市民団体側は、(1)大飯原発の運転再開中止(2)現在検査のため停止している全原発を再稼働させない(3)国の原子力政策を全原発廃炉へ転換−−を求める要求書を提出。今後のエネルギー政策について『当面は火力発電などで補い、長期的には自然エネルギーで十分可能だと考えている。可及的速やかな原発の廃止を強く要求する』などと求めた。また、政府が国会に提示した原子力規制委員会の人事案の撤回も求めた。首相はエネルギー政策に関し『丁寧に国民のさまざまな声を受け止めながら、国民が安心できるエネルギー構成のあり方を、政府として責任を持って方向性を定めたい』と語った」
だから、この日の面会時間も、実質わずか20分そこそこという短時間だった。しかも相手の声に対して「真摯に耳を傾ける」という態度ではなく、「聞き置く」という程度で、原発政策推進のPRに終始し、「会った」というアリバイのみを記録に止めるにすぎなかった。市民の一人は、「首相がネバー、ネバー、ネバーと原発推進を諦めないと言うように、私たちは、決して、決して、決して原発廃止するまであきらめない」と言っていた。
会談後、藤村修官房長官は、定例記者会見で記者団から「今後また面会する考えはあるか」と聞かれて、「会見することはない」と明快に否定していた。
この結果、市民団体と野田佳彦首相との対決は、次期総選挙と参院議員選挙という戦いの場で決せられることになり、野田佳彦首相は、いかに原発推進を訴えても、国民有権者に聞き入れられない、言い換えれば、国民有権者の方が「聞く耳を持たない」という極めて困難な事態に直面することになる。
従って、今回の野田佳彦首相の「選挙目当ての小ざかしい企て」は、完全に失敗した。それどころか、一般市民との対立構図を鮮明にしてしまい、マイナスのみが残り、民主党政権の終焉を強烈に印象づけた。
◆それにしても、野田佳彦首相は、第2のプロメティウス(不死の神)と言われる「原子力」の危険性を認識して、「原発ゼロ」を実現して「文明史を塗り変える」という挑戦に極めて消極的である。これに対して、小沢一郎代表は、基本政策の1つに「今後10年をメドに原発ゼロ」を掲げている。福島第一原発大事故により未曾有の被害を発生させた惨状を目の前にして、「文明史を塗り変えよう」と決意しなければ、本物の政治家とは言えない。
ここで、私が今年3月31日付けのこのブログで紹介した「小川泰・元衆院議員が考案した『次世代水力発電システム』が、原子力発電に代わり、人類の危機を救う」と題する記事を採録しておこう。これからの日本の電力政策のあり方を展望するのに、極めて有意義な提言が示されている。以下の通りである。
財界天皇と呼ばれた「メザシの土光さん」こと土光敏夫元経団連会長が創立した「竹の会」(大野正会長)の月例勉強会が3月30日、東京・上野の東京文化会館で開かれ、電力業界の長老・小川泰・元衆院議員(東京電力出身、元衆議院議員の会〔超党派〕常任理事)が、「地球生態系創造プロジェクト」(@ヒマラヤ山脈と中近東の乾燥地帯A中国南部の山岳地帯と中国北部の砂漠化地帯Bカナダの水と北米の乾燥地帯C大規模灌漑と地球上の他の乾燥地帯)と題する演題で、約1時間半、講演した。
このなかで、小川泰・元衆院議員は、「人類の危機」について、以下のように訴えた。
「@エネルギー資源の高騰と枯渇である。石油は40年で、天然ガスは65年で、ウランは85年で、石炭は155年で枯渇する。石油は既に高騰が始まり、他の資源も争奪戦が始まり高騰し始めており、世界経済の発展に大きな障害を与えている。
A地球温暖化により沿海部の超大型暴風雨と大陸内陸部の旱魃、地球温暖化で 赤道付近の海面温度が上昇し、超大型暴風雨が頻発し、大洪水で甚大な被害をもたらしている。一方、大陸内陸部は乾燥化が進み、世界中で23億人が水不足で悩み、人口が80億人に達する2025年には世界人口の2/3が水不足に晒され食糧危機が予測されている。
B漁業資源の枯渇、ダム湖や湖沼や東京湾のような閉鎖水域に魚介類の栄養源である有機物が堆積し、漁業水域への栄養供給が絶たれ、それ以上に漁獲するので漁業資源が枯渇している。
C熱帯雨林の減少と木材資源の枯渇、熱帯雨林は生物種の多くの医薬品の原料を得ている。ところが近年の農業開発で熱帯雨林の大幅減少で生物種が絶滅し、医薬品業界の強い要請で熱帯雨林の伐採が禁止された。また、世界的な紙需要の増大で紙原料のチップが枯渇し始めている。これまでのチップの大供給地・北米とロシアは環境保護意識の高まりから新たな伐採が難しくなっている。紙需要は中国を中心に世界需要は伸び、原料チップ価格は、2000年トン当たり1万5千円が07年には1万8千円に上昇している。国内の大口顧客の富士ゼロックスとリコーなどの大手事務機器メーカーは環境保護のため『天然林を伐採して作った紙は使わない』と宣言している。各商社は世界各地の多雨地帯に植林・生産事業に投資している。丸紅はブラジルとインドネシアに、伊藤忠商事はブラジルに、双日はベトナムと豪州に、成長の早いユーカリやアカシアの植樹計画を進めている。しかし、この計画には重大な問題点がある。それは、植林適地は温暖で降雨があり、平坦か緩やかな起伏のある丘陵地帯で、既設の林道が地域である。これは農業適地と重なる。食糧価格は上昇しており、土地を森林として使うより農地として使う方が収益は高く、植林適地の大規模確保は簡単ではなく、農地買収に巨額の投資を要することである。
D中国や北米などの産炭国の石炭の大量消費は亜硫酸ガスによる酸性雨で森林や生物に被害を与えている。石炭を大量消費する石炭火力発電は排煙脱硫装置で亜硫酸ガスの殆どを除去しているが、排煙脱硫装置は300億円の設備投資と発電量の2%を排煙脱硫装置の運転に使われ、この装置を設定できるのは大規模工場に限られている。従って中小規模の工場や家庭で使われる石炭は無脱硫石炭が使われている。これが亜硫酸ガスの大気汚染と酸性雨の原因である。
小川泰・元衆院議員は、「ウランは85年で枯渇する有限資源」であることと、「原子力発電所から出てくる放射線や放射能、放射性物質」の危険性、そして日本国内では、現在以上に原発を設置する場所がなくなっていることを踏まえて、永続的かつ安全に電力を供給できる資源は、「水」しかないという原点回帰の姿勢を示している。そのうえで、自ら考案した「新水力発電、新鋼管継手、新ランニングの3つの技術」を紹介し、「この次世代水力発電システムで人類の危機を救える」と力説している。
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