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こんな下卑た男のどこがいいのか 本物の危機が到来しているこの国 (日刊ゲンダイ2012/8/22)
もはや恥も外聞も関係ないということか。「解散は近い」と危機感を持った現職の国会議員が、我も我もと大阪市長の橋下徹(43)に露骨にスリ寄り始めている。なんと、50人以上の現職議員が「橋下新党」への入党を希望しているという。
お盆休みだった8月11日には、民主党の松野頼久と石関貴史、自民党の松浪健太、みんなの党の小熊慎司と上野宏史の5人が、わざわざ大阪まで足を運んで橋下に会いに行っている。いずれ5人は、まとまって「橋下新党」に合流するともみられている。
衆院会派「改革無所属の会」に所属している4人の現職議員も、「橋下新党」への合流を検討しているという。
自民党の安倍晋三まで、「大阪維新の会の力を生かしていく道を考えたい」と、ヨイショする始末だ。
これだけ多くの国会議員が、たかが一市長にスリ寄るなんて聞いたことがない。
「国会議員が『大阪維新の会』に群がっているのは、次の選挙で生き残るためです。どの世論調査を見ても、対立候補が『橋下新党』から出馬したら、民主、自民の候補は選挙が厳しい。とくに民主党議員は落選必至です。逆に、橋下新党から出馬できれば有利になる。そこで我先にと橋下市長にスリ寄っている。驚くのは、橋下市長から『我々と考え方が一緒か、公開の場で明らかにしてもらう』と上から目線で迫られても、文句ひとつ言わず従っていることです。橋下市長はまだ43歳、維新の結成から2年しか経っていないのに、多くの国会議員がヒレ伏すなんて異常です」(政治評論家・山口朝雄氏)
◆大阪府知事、市長として実績は見当たらない
橋下徹が立派な政治家なら、国会議員が群がるのも分かる。しかし、中身は何もない男だ。
たしかに、国民の人気は高いかもしれない。大新聞テレビも「改革者」のようにもてはやしている。しかし、大阪府知事、大阪市長としての実績はほとんどない。府庁と市役所の職員を叩いて喝采されているだけのことだ。まして、国政の経験はゼロである。
大手メディアは、小沢一郎と比較して「手腕」を論じているが、30年間、国政の中枢で実績を重ねてきた小沢とは比較にならない。
「テレビタレント出身だけあって橋下市長の強みは、どんな発言をすれば有権者が喜ぶか、瞬時に判断する能力が高いことです。反射神経がいい。大津市でイジメが起きた時、すぐに教育委員会を批判したのが典型です。しかし、彼からは問題解決の“処方箋”がほとんど出てこない。政策も“地域主権”など10年前、20年前から指摘されている言い古されたものばかりです。おやっ、と思わせた『脱原発』は、あっさり撤回してしまった。情報の発信がうまいから『何かやってくれそうだ』と期待させるが、本当に政治家として能力があるのかは疑問です。虚像が独り歩きしているのではないのか」(法大教授・五十嵐仁氏=政治学)
実際、大阪府知事を3年半やったが、大阪府民の暮らしは良くなっていない。なのに、国民の期待を集め、その人気を当てにして国会議員が殺到しているのだから、どう考えても、この国はおかしい。なぜ、あんな男に期待が集まるのか。
◆日本を「衆愚政治」にした小泉元首相の重罪
「橋下新党」は、次の総選挙で大勝するとみられている。「橋下総理」の誕生を予測するメディアまであるほどだ。
しかし、なんの実績もなく、ただ公務員を叩いているだけの男が国民の支持を集めるなんて、欧米先進国では考えられないことだ。
なぜ、日本はこんな異常な事態になってしまったのか。すべての発端は、小泉純一郎にある。小泉首相が日本の“民主政治”をぶっ壊したのが、最大の原因である。
本来、政治というものは、利害や価値観の衝突を調整しながら、辛抱強く実現可能な道を探していくもの。ところが、小泉首相は面倒なことには見向きもせず、「抵抗勢力をぶっ潰す」などと“国民受け”を狙ったポピュリズムを日本に持ち込んだ。ポピュリズム政治を蔓延させたことで、日本は“衆愚政治”に陥ってしまった。
橋下徹のようなチンピラ市長が国民の人気を得ているのも、衆愚政治の結果だ。
「小泉首相と橋下市長の共通点は『あいつがいるから我々の暮らしが苦しい』と仮想敵をつくり、徹底的に叩くことです。日本のように社会が閉塞し、国民の鬱憤がたまっている場合、政治家が人気を得るには、国民と共通の敵をつくって叩くのが手っ取り早い。日本のように格差が拡大し、中間層が没落すると、安定した職業の公務員への怨嗟が強まるから、公務員バッシングは特に効果的。橋下市長は、国民の不満、鬱憤を巧みに利用しています」(五十嵐仁氏=前出)
ヒトラーは、ユダヤ人を排斥することで、不平不満が鬱積していたドイツ人の圧倒的な支持を得るのに成功している。橋下の手法は、ヒトラーとよく似ている。
◆民主党政権の頓挫が「橋下待望論」を生んだ
もともと古代ギリシャの時代から、民主主義は放っておけば衆愚政治に行き着くと懸念されていたものだ。
しかし、もし、09年に政権交代した民主党が、マニフェストに掲げた「国民の生活が第一」という理念を実現させていれば、ポピュリズム政治も、ここまでヒドクはならなかったはずだ。
「橋下市長への期待が急速に強まっているのは、民主党への期待が裏切られた裏返しです。国民は、民主党なら自民党とは違う政治をしてくれると期待した。ところが、野田内閣のやっていることは、自民党とまったく同じです。消費税増税、原発再稼働、オスプレイ強行配備……。景気もいっこうに回復しない。もはや国民は、既成政党にはなにも期待していない。民主党政権の頓挫が“橋下待望論”を生み出したといっていい。野田内閣の責任は大きいですよ」(山口朝雄氏=前出)
現職の国会議員が、我も我もと「橋下新党」に押しかける光景は、やはり、どう考えても異常だ。その姿を国民が異常と思っていないのだから、なおさら異常というしかない。
このままでは、デマゴーグの「橋下総理」が本当に誕生してしまう。
かつて評論家の大宅壮一は「一億総白痴化」論を提起したが、もはや「これが大衆社会さ」と笑ってはいられない。いま、この国はホンモノの危機に見舞われている。
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