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本日は終戦の日である。我々は戦争に負けたことにより、多くの問題を抱えることになった。その一つが北方領土問題である。
かつて日本がソ連と二島返還で手を打とうとしたとき、アメリカが圧力をかけてきた。「もし二島返還で手を打つなら沖縄は永久に返さない」。いわゆる「ダレスの恫喝」である。それから後、日本は四島一括返還を唱えるようになった。すなわち、多くの人が当り前のように考えている四島一括返還は、アメリカによって敷かれたレールなのである。
この北方領土問題であるが、ロシアでプーチン大統領が再び誕生すれば一気に動くと言われ続けてきた。しかし、現状はどうか。領土問題は進展するどころか、泥沼にはまっているように見える。
7月3日にはメドベージェフ首相が国後島を訪れ、「島々はサハリン州の重要な一部であり、ロシアの領土の重要な一部だ」と強調した。名目としては、クリル諸島開発計画の成果を見に来たということなのだろうが、これで日ロ関係にひびが入ったのは間違いない。
日本では韓国大統領の竹島訪問を問題視する声が大きいが、メドベージェフのやっていることは李明博と何ら変わらない。我々は韓国と同じくらいロシアも批判しなければならない。
さて、それより4ヵ月ほど遡る3月1日、モスクワではプーチンと西側記者との会見が行われた。日本からは朝日新聞主筆の若宮啓文氏が参加した。
その席で、若宮氏が投げかけた質問に対して、プーチンはかなり踏み込んだ返答を行った。イルクーツク声明に立ち戻ることを示唆したのだ。イルクーツク声明とは、平和条約締結後に歯舞・色丹の二島を日本に返還し、さらに残りの二島についても交渉を続けていくことを約束したものである。これにより、もはや日本とは交渉しないというほどに強硬な姿勢を見せていたメドベージェフ大統領時代からの転換がなされる可能性が出てきた。
このように大統領がこれから領土交渉をしましょうと言っている一方で、首相が国後島を訪れる。一体ロシアは何をしたいのか。そんなことを許せば領土交渉が停滞することはプーチンにもわかっていたはずだ。
ロシアでは、外交は大統領、内政は首相という棲み分けがあるという。それゆえ、ロシアの一部であると彼らが考えている国後島に訪れるのは内政問題であり、それに大統領であるプーチンが口を出すわけにはいかなかった、という論理も考えられる。
しかし、メドベージェフは大統領時代にも国後島を訪れている。この棲み分けが常に適用されているとは言い難い。
考えられる可能性は二つある。
@もはやプーチンは日本と領土交渉をする気がなくなった
Aもはやプーチンにメドベージェフを押えこむ力がなくなった
かねてより、プーチンが大統領に返り咲けば絶対的な権力を握ると言われてきた。しかし、それは本当だろうか。もしプーチンに絶対的な権力があるならば、メドベージェフの国後島訪問も有無を言わせず抑えこむことができたはずだ。
プーチンが絶大な力を持つという情報は、プーチンサイドから流されたものである。つまり、極めて一面的な情報である。これを鵜呑みにするのは危険だ。
ロシア側は国後島を訪れておきながら、「議論は落ち着いた雰囲気で、感情的にならずに、一方的な歴史に結びつけることなく続けるべきだ」と主張する。はっきり言って支離滅裂である。これだけ発言と行動が異なるというのは、権力が分裂していると考えなければ筋が通らない。恐らく、プーチンとメドベージェフの綱引きが行われているのだ。
民主党政権はイルクーツク声明を結んだ森元総理をロシアに送ろうと考えているようだが、いい加減、プーチンに期待するのも、イルクーツクの思い出にすがるのもやめた方がいい。
そもそも、森や前原、またその周りに群がり民主党政権を維持したがっているような連中が、本当に北方領土問題を解決しようと考えているとは思えない。原発を再稼働し、消費増税を強行し、さらにはTPP参加を目論むような売国奴に、領土交渉は任せるべきではない。
森や前原が主導するイルクーツク声明に代わる新たなアプローチを模索し、ロシアと手を打つべきだろう。
*本稿は、雑誌『月刊日本』の読者投稿係に送ったものを改編したものです。掲載してもらえるかどうかは不明ですが。
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