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かつては銀座に辻立ちして、「ゼイタクは敵だ」と説法した挙句が、軍人と公家関係者を注意深く除いた金持ちの家に、嬉々と押し入って破壊のやりたい放題。そんな優秀で誇り高く、独立自尊、清廉潔白な大日本帝国のわが旧国民たちだったが。この時期の消費増税法案が、二度とリングに立てない日本沈没をもたらす、と、一回くらいは耳にしたはずの賢い新国民だ。いつだって増税の自・公とIMF大好き民主が野合し、増税法案が可決されても、タッチの差で目の前を過ぎた流しソーメンなど、鼻にもかけない極楽浄土の温厚紳士を、まさか気取らないよな、やらないよなと予想したって、やりそうなんだな、これが。
そこで今回は、米大統領のメッセージだ。
[ワシントン 3日 ロイター] オバマ米大統領は3日、7月の米雇用統計を受け、失業している国民は依然非常に多いと述べ、共和党の税制案では微妙な時期に中間層の負担が増すことになるとの考えを示した。
大統領は、ホワイトハウスで開催されたイベントで「求職中の国民は依然非常に多い。こういった人々のために、まだやるべきことがある」と言明。
「リセッション(景気後退)からの脱却にあえぐ中間層に増税を課すことは最も避けるべきだ。力強い経済の再建は、中間層が立ち直ることから始まる」と述べた。
(引用ここまで)
政権交代で、バッチリ知恵つけた日本の新国民だ。「大統領選の嘘クサイおしゃべりじゃねーか。ケッ!」、と、ヤサグレた一言も投げつけたくなるだろう。しかし、昔の自民党にも官僚にも、エライ人はいたらしい。
その話をちょっとだけ。「所得倍増」を閣議決定('60年)した池田内閣は、出発点のGNP13兆円を10年で2倍の26兆円にするって、それこそ妄想っぽい膨大な計画を打ち出した。が、なんと、その後の経済成長率は平均11%、倍増計画は7年で達成の暴挙、いや快挙だった(Wiki)。
その「所得倍増」計画の裏に、大蔵省のイジメられ官僚、下村治氏(しもむらおさむ。明治43年、1910年生まれ。東京帝大経済学部卒)がいたのは、いまじゃ有名な話らしい。このあたりの事情は、中野剛志氏× 柴山桂太氏の『グローバル恐慌の真相』(集英社新書、¥777)にも詳しいが、「所得倍増」計画の根幹は、健全な大多数の中間層を育て根付かせることにあったのだ。
これが、大企業と金持ちの優遇税制とか、グローバリズムを理由にしたリストラと安価な契約社員への切り替え、デフレ圧力を拡大・深化させるTPPなどと、国内の格差拡大を推し進める野田・民主政権にたいして、真逆に作用する経済政策、政治だったことは、ナデシコ・ジャパンの激戦を見るより明らかだろう。
金を貸してやるかわり世界経済を誘導する、というIMF、および世界銀行の経済指導は昔から間違っていた。間違っていることすら、政治的に意図的に行われてきた。定年を間近にした官僚に莫大な持参金を持たせ、そこに喜んで天下りさせる財務省と政権は、カエルとウサイン・ボルトを競争させるくらい間違っている。ということが、引用したオバマ氏のメッセージからも、じゅうぶん理解できるのであった。
※参考1:嫌われ経済学者スティグリッツ(Newsweek)
※参考2:「所得格差が成長阻害」(産経)
※参考3:スティグリッツ氏「野田政権の増税は間違っている」(日刊現代)
※参考4:スティグリッツによる日本経済再生の処方箋(黒木玄)
いまの政権やマスコミのメッセージとか、余録や天声人語などを、いい加減に聞いたり読んだりしてるだけじゃ、大日本帝国人民の「ぜいたくは敵だ」が武蔵・大和を轟沈させたどころか、この日本は、ほんとうに小松左京氏が描く、『日本沈没』の世界に引きづり込まれる、って話でもある。あとは、筆者をふくめた賢い新国民(笑)の全員が考えること。100%確かな未来への処方箋は、誰にもないんだから。
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