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内閣不信任をめぐる動き
2012年08月05日 :(在野のアナリスト)
8月政局が混沌としてきました。生活が主導し、7日にも提出とされた内閣不信任、それを受けて野田氏が、消費増税法案の10日採決を指示したものの、自公は8日採決を求めました。しかし今日になり、自民が内閣不信任提出に言及、他の野党も同調する流れになっています。それでも民主が否決すれば、不信任は成立しませんが、2つの意味で民主に踏み絵を迫るものとなります。
1つは、民主が野田政権を信認すれば、どの道民主は野田氏で選挙をしなければならなくなります。もう1つは、不信任に賛成して党を飛び出すか。これは民主党議員への最後通牒です。党を割るなら今しかない。仮に不信任を否決しても、消費税増税法案が宙に浮くので、野田政権はレイムダック化するのが必定ですから、政治生命をかけると云った法案が成立できないことになります。
野田氏がこの動きを制するなら、自公に解散の日程を確約し、消費税増税法案だけは通してもらうしかない。しかもそれは、夏解散に近い形になるはずです。残り2日で、民主は通常国会中に通したい法案を示し、そのスケジュールを自公と取り決め、7日の内閣不信任を回避するしかない。
恐らく、通したい法案にしても民主の意見が通るわけではなく、自公は財務省と諮って決めることになります。特例公債法案と、共通番号制度法案、後いくつかといったところでしょう。そうなると、野田氏に国会をコントロールする力がない、と国民からも見透かされる。つまりリーダーシップの欠如です。民主に政権担当能力がない、と改めて示すので、民主党に流れる浮動票はゼロです。野田氏がとってきた戦略により、民主はそこまで追い込まれることになるのです。
そして民主が自公と諮って解散スケジュールを調整する、そこが民主党を飛び出す最後のタイミングとなります。そしてそのとき、民主の遠心力は最大化するのでしょう。党に残っても重力で『落ちる』だけですから、それならこの重力圏から離脱しよう、と考える議員が増えます。
まさに生活の小沢代表の仕掛けが決まった形です。1日に党本部を立ち上げ、基本方針も示したことで、選挙にむけて準備を整えた。五輪期間中は、記事になることが少ないので、大きな動きを避ける方針が多い中、あえて発表したのも、この一連の流れの中で、選挙が早まるとの目算もあったのでしょう。
その基本方針
1.いのちを守る「原発ゼロ」へ!
2.生活を直撃する消費税増税は廃止!
3.地域のことは地域で決める 地域が主役の社会を!
です。
ワンフレーズにしなかったのは、むしろ新聞などでは短く表現されることを考慮し、有権者に訴えるときはツーフレーズで、意味を浸透させる気なのかもしれません。これもメディアとの距離感を小沢氏なりに図った上なのでしょう。
自民も、小泉議員が3党合意は破綻、早期解散を訴え、のらりくらりで議員生活を謳歌したい重鎮連中が泡を食った、という話があります。それも、落選議員が求める早期解散を、重鎮が邪魔をしてきたことで起きてきた反発です。永田町は、明らかに新しい動きの胎動が始まっており、それに抗うのが既成政党、といった見方をされています。野田民主の稚拙すぎる対応に、小沢氏の仕掛けが決まったことで、格の違いを見せつけられた形になった。政治家としての手腕、それはメディアの報道以上に、現実の動きとしてみれば民主と小沢氏との間には大きな開きがある、ということなのでしょうね。
元記事リンク:http://blog.livedoor.jp/analyst_zaiya777/archives/52296975.html
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