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週刊朝日 2012年8月10日号（書き起こし、一部略）
毎週金曜日、永田町の首相官邸前で行われている原発再稼働に反対する抗議デモに、７月20日、民主党で、元総理の鳩山由紀夫さんが参加した。
鳩山さんはマイクを握ると、
「皆さん、の新しい民主主義の流れを大事にしなければならない。思いは同じです。流れを変える役割を果たしたい」
といった。そして、
「今から官邸に思いを伝えてきます」
参加者から拍手で見送られ、官邸の門をくぐっていった。
野田さんは九州視察のため生憎不在だったが、藤村修官房長官に、
「再稼働への反対意見を首相に聞いてもらいたい」
と訴えたみたいだ。
この件に関して、世間の声は冷たい。
Ｓ新聞には、
「政権与党の首相経験者が官邸前でデモに参加する異例の事態に、党内の多くはあぜんとするぱかり。鳩山氏に近い議員も『鳩山氏の目立ちたがり屋ぶりは止められない』と嘆いた」
と書かれていた。
そうなの？ あたしは鳩山さんの態度は立派だと思ったけどね。
官邸前といったら、自分らが働いている国会のすぐ側じゃん。
そんな目の前で、７月20日、数万人もの人々が、今の政府のやり方が気に入らないと訴えていた。折しもその日は雨だった。みんな雨に濡れながら、どうか聞いてくれと、声を上げていた。
外に出ていった鳩山さんは心のある議員だと、 あたしは思う。
鳩山さんは民主党にいながら消費税増税も反対だった。その時、彼は、
「党に残っててできることもある」
といっていた。こういうことだったのか、とあたしは思ったね。
鳩山さんは首相だった頃、沖縄の米軍基地の移転を、
「最低でも県外」といった。
結局、そうはできなかったわけで、世間は彼を叩きまくった。
しかし、首相という立場で、沖縄の米軍基地問題に対し、ここまで踏み込んで口にした彼を、あたしは偉いと思う。
沖縄だけに負担を強いるのは、良くないことだ。そう思っている人は多いはずなのに、大手メディアはこぞって彼を悪者にし、それに引きずられるようにして彼の支持率は下がっていった。悲しいことだ。
みんなで彼を応援していたら、沖縄の米軍基地問題は、新たな展開を見せていたかもしれない。
あたしはもう、大手メディアの情報を鵜呑みにするのはやめることにした。
新聞で情報を仕入れるのは、そういう出来事かあったということだけ。そこから先は自分で考えよう。
鳩山さんがデモにいく４日前、７月16日、あたしは代々木公園で行われた「さようなら原発10万人集会」に参加した。
Ｓ新聞に書かれてあった、 「警察が危惧するような過激派」なんていなかった。
※コメント 週刊朝日の室井佑月さんのコラムは毎号良い内容です・・・良き人間性が伝わってきます。
私見では、発売部数,東スポ以下のS新聞は大手メディアとは思っていなかった。
財界・官僚の会報誌だと思っている。だが・・・いまや大手メディア紙Y・N・M・Aも揃って似たようなものになってきている。
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