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2012年7月29日 (日)
なぜ増税が必要であるのかを答えられない財務相
7月27日の参議院社会保障・税一体改革特別委員会質疑。
「国民の生活が第一」の中村哲治議員が質問に立った。
7月19日の同委員会での質疑に続く質問が提示された。
安住淳財務相は自分が答弁している言葉の内容も把握せずに答弁と行っていることが明らかになった。
財務省は2002年に格付会社に意見書を提出している。
日本国債の格付引下げの動きに対して、日本政府の財政リスクは低いとの政府見解を提示したものだ。
財務省ホームページに掲載されている財務省が対外公表した見解を改めて提示する。
1.貴社による日本国債の格付けについては、当方としては日本経済の強固なファンダメンタルズを考えると既に低過ぎ、更なる格下げは根拠を欠くと考えている。貴社の格付け判定は、従来より定性的な説明が大宗である一方、客観的な基準を欠き、これは、格付けの信頼性にも関わる大きな問題と考えている。
従って、以下の諸点に関し、貴社の考え方を具体的・定量的に明らかにされたい。
(1)日・米など先進国の自国通貨建て国債のデフォルトは考えられない。デフォルトとして如何なる事態を想定しているのか。
(2)格付けは財政状態のみならず、広い経済全体の文脈、特に経済のファンダメンタルズを考慮し、総合的に判断されるべきである。
例えば、以下の要素をどのように評価しているのか。
・マクロ的に見れば、日本は世界最大の貯蓄超過国
・その結果、国債はほとんど国内で極めて低金利で安定的に消化されている
・日本は世界最大の経常黒字国、債権国であり、外貨準備も世界最高
(3)各国間の格付けの整合性に疑問。次のような例はどのように説明されるのか。
・一人当たりのGDPが日本の1/3でかつ大きな経常赤字国でも、日本より格付けが高い国がある。
・1976年のポンド危機とIMF借入れの僅か2年後(1978年)に発行された英国の外債や双子の赤字の持続性が疑問視された1980年代半ばの米国債はAAA格を維持した。
・日本国債がシングルAに格下げされれば、日本より経済のファンダメンタルズではるかに格差のある新興市場国と同格付けとなる。
財務省は
「マクロ的に見れば、日本は世界最大の貯蓄超過国」
「その結果、国債はほとんど国内で極めて低金利で安定的に消化されている」
「日本は世界最大の経常黒字国、債権国であり、外貨準備も世界最高」
だと主張し、したがって、政府債務危機が発生する恐れはないのだと主張したのである。
7月19日の質疑で、安住財務相が「世界最大の貯蓄超過国」について説明を求められた。
この答弁で、安住財務相の無知ぶりが如何なく発揮された。
日本の個人は金融資産をたくさん保有しており、借金、すなわち債務よりも資産が多い、資産超過であることを「貯蓄超過」だと説明したのである。
「貯蓄超過」は安住財務相の説明とは似ても似つかないものである。
「貯蓄超過」とは、一定期間内の一国全体の「貯蓄」が一国全体の「投資」を上回っている状態を指す。
安住氏が提示した金融資産は一定期間のフローではなく、蓄積された残高=ストックであるが、貯蓄や投資は、一定期間内のフローの数値である。
また、安住氏は個人部門の金融資産が個人部門の金融負債を上回っている状態を「貯蓄超過」だと説明したが、「貯蓄超過」は個人部門についてのものではなく、一国全体の状態についてのものである。
安住氏が経済学の概要を正確に把握している必要はない。もちろん、それは望ましいことだが、政治家に専門的な知識、素養を求めてもないものねだりになる。
しかし、日本財政の健全性を考えるうえでの、もっとも基礎的な事項については、最低限、基礎的な知識を把握することは必要不可欠である。
何も理解しない、何も知らないで答弁するのは、単に官僚が用意した答弁原稿を読むだけのことになるからだ。
安住氏の場合、答弁原稿を読まずに、自分の言葉で話そうとしたために、このような恥ずかしい事態が表面化したが、自分の言葉で話そうとするなら、せめて、話している内容を正しく把握してからにしてもらいたい。
国会での財政論議の裏側が透けて見える。
それは、政治家が、自ら問題を十分に理解して、その上で政策を立案し、推進しているのではないということが、誰の目にも明らかである。
背景については何も理解しないし、学識もゼロだが、財務省から「このように主張してください」と言われ、白か黒かもわからぬまま、財務省の指示通りに発言して、いま、巨大増税を推進していることがよく分かった。
このようなことでは、国民のための政治など実現するはずがない。
巨大増税が本当に必要不可欠なら推進すればよい。
しかし、その根拠があまりにも希薄、不明確なのだ。
・・・・・
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