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3党合意政治の危険な正体 次の選挙 民自公には投票するな
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2012/7/28 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
首相をやらせたらバカ丸出しでクビになった森元首相がまだ偉そうに「民自公の3党党首会談で衆院解散時期を決めて、選挙結果で自民が第1党なら谷垣首相、民主が第1党なら野田首相」などと世迷い言をいっているが、一体民主主義政治を翼賛化するつもりなのか
政界引退を表明した森元首相が、新聞でこんなことを言っていた。
「民主、自民、公明の3党が会談して衆院の解散時期を決めればいい。選挙結果で自民党が第1党なら谷垣さんが、民主党が第1党なら野田さんが首相になり、3党で協力する」
インタビューには「今解散しても建設的じゃないでしょ」とも書いてあった。解散しても勝てないから、というのだ。こんな暴言を批判もせず垂れ流すメディアもどうかしている。
森といえば、「サメの脳みそ」と国民からバカにされた男だ。密室談合で首相になった、無能の象徴みたいな存在だった。「神の国」や、「有権者は寝ててくれれば」などの失言を連発。えひめ丸が沈没した時にゴルフクラブを振っていたことにも、国民は呆れ果てた。結局、支持率9%と消費税並みに数字が落ち込み、退陣を余儀なくされた。史上最低の首相と呼ばれてきた人物である。
その森も75歳になって、ようやく引退を明言したのだが、この新聞インタビューの発言は「モーロクした」とか「バカがまた世迷い言を……」で片付けるワケにはいかない。なぜなら、民自公の“3党合意”の危険性を端的に表しているからだ。「民主党と自民党の2大政党が手を組む翼賛政治が現実となれば、日本の議会政治は本当に死んでしまう。ちょっと考えれば、絶対に許してはいけないことは、誰にだって分かることです。しかも森元首相は、選挙をやっても、勝った党も、負けた党も、政権与党になればいいと主張しているのだからムチャクチャです。これでは2大政党の永久政権になってしまう。
恐ろしいのは、参院がねじれている以上、大連立しかないという森元首相のような屁理屈がまかり通っていることです。大マスコミも批判しない。大連立で『決める政治』ができればいいじゃないかという論調が幅を利かせている。ジャーナリズムが翼賛政治の手先になったらオシマイですよ」(政治評論家・本澤二郎氏)
◆老兵はおとなしく消え去れ!
そもそも、あんな常識がない森元首相の“ご託宣”をありがたがって報じてどうするのか。森を古くから知る政界関係者はこう言う。
「森元首相が、引退後も政界に影響力を残したいだけなのはミエミエです。谷垣さんと野田さんなら、自在に操れると考えているのでしょう。森元首相くらいのレベルになると、『立つ鳥跡を濁さず』という言葉も知らないのかもしれませんね。国民感情から言えば、『老兵は消え去るのみ』ですよ」
野合の大連立を画策しているのが、自民党の森や、伊吹、青木らロートルであり、民主党では野田や藤井、岡田、仙谷といったメンメン。これ以上ないほど醜悪な顔ぶれである。「サメの脳みそ」のクセに思い上がりもいいところなのだが、森は中曽根大勲位の後釜を狙っているというから、笑っちゃう話だ。
連中が考えているのは自分たちの保身だけ。財界や霞が関の既得権益と結び、巨大連立与党の“永久独裁”で富と利権を分け合おうという私利私欲しかない。国民の生活なんて、二の次三の次だ。
森は「勝った方が首相」と言うが、選挙をやれば、まだいい方かもしれない。森が進言する通り、国民の信も問わずに、3党で「財源や配分をどうするか」という談合だけで政治が動いていく可能性もある。
こういう連中のよこしまな悪巧みを許したら、民主主義は終わりだ。無能な野田民主党の単独政権より、さらにひどい政治になるのは確実だ。
◆「イデオロギーの対立がない」だと?冗談言うな
森はインタビューで「もうイデオロギー対立はない」などとエラソーにホザいていたが、冗談じゃない。対立がないどころか、いま日本は国論を二分する問題があふれている。消費税、原発、景気対策、福祉、年金、医療……。数え上げればキリがない。そもそも、国民の生活が優先なのか、財政規律至上主義なのか。米国追従か日米対等か。政治主導なのか官僚主導なのか。対立軸は、それこそ無限にある。
なのに、民自公の大連立を許した途端、すべての政策が差異を失って同じ方向に動き出す。どんなに国民が「こちらをやってくれ」と望んでも、翼賛体制では受け皿もない。すべて一色になってしまう。そこが、大連立の恐ろしいところだ。
権力亡者の森や仙谷が主導する連立政権では、庶民は切り捨てられるのは明らかだ。
元外交官で評論家の天木直人氏が言う。
「消費税に命をかけると言ってきた野田首相は、増税の次は外交・安保に力を入れると言い出しています。もともと超タカ派の野田首相が、野合の3党大連立で圧倒的な数の力を手に入れればどうなるか。殺人ヘリのオスプレイが日本中を飛び回り、沖縄の基地問題は固定化され、尖閣諸島の国有化でアジアの緊張が高まるのは目に見えています。集団的自衛権の見直しを足がかりに、憲法も改正されていくでしょう。言論の自由だって、ないも同然になる。それは、大連立に賛成し、後押しする今のメディアを見ればよく分かります。大政翼賛政治では、少数政党や弱い立場の庶民の声はかき消されてしまうのです」
そんな国で本当にいいのか。日本の民主主義は完全に死んでしまう。
◆民主主義を守りたければ有権者は行動すべきだ
もっとも、野合3党が解散・総選挙から逃げ回って大連立を果たしたところで、任期満了の来年秋までには必ず選挙がある。その時は、何としてでも民自公の野合政党を叩き潰さなければならない。
おそらく、次の選挙は小政党が乱立するはずだ。野合の民自公と、小政党による第三極との戦いになるに違いない。この国の民主主義のためには、有権者は少数政党の候補者をひとりでも多く当選させるしかない。
「国民主権を取り戻すには、既成政党を丸ごとブッ壊す必要があります。米国の召し使いのごとき政権に任せていたら、政治改革も、国民生活の向上も望めません。3党連立政権なんて、絶対に許してはいけない。
次の選挙では、3党合意の独裁体制で民意無視の政治を推し進めようとする民自公の候補者に一票たりとも入れるべきではないのです」(本澤二郎氏=前出)
民自公の議員は選挙で落とすしかない。彼らに過半数を与えたら終わりだ。
既成政党を総退場させないと、この国の政治は何も変わらない。引退すべきは、森元首相ひとりではないのだ。
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