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●オスプレイ事故調査証言
■オスプレイの日本配備について自治体などから反対の声が上がっている
オスプレイの存在を知ったのは、2年ほど前にテレビ朝日の朝生に出演し、一緒に出ていた今の森本敏防衛相(当時は拓殖大教授)から、普天間に配備されるのは、普通のヘリコプターではなく、オスプレイという新機種であるとの説明を聞いた時だ。
その時、オスプレイは「未亡人製造器」といわれるほど危険性が高いということを森本氏は説明した。今や、その日本配備に関する責任者になって、国民に安全だと説明しなければいけないのだから大変だろう。
先日、2年半前とどのように変わったのかと問われて、安全性が向上したと答えていた。ただ、当時から既に実戦配備されており、今のほうが安全性が向上しているとは言い難い。その後、2010年4月、12年4月、6月と3回も事故を起こしている。はたしてこれで国民を説得できるだろうか。
オスプレイの日本配備に対する反対意見は安全性に問題がある、操作が難しいなどが根拠となっている。一方、肯定論は、速度と航続距離である。現役のCH46ヘリと比べて、最高時速2倍、航続距離5倍。また、固定翼機のように滑走路が必要ないので、米海兵隊の機動力が大きく増し、ひいては抑止力アップというのがメリットだ。
現在、尖閣諸島の領有問題で明らかなように、米軍の抑止力は日本に必要である。あまり知られていないが尖閣諸島には米軍の射爆撃場がある。沖縄本島から400kmの距離で米海兵隊のCH46では難しいがオスプレイでは行動範囲内だ。
一方、安全性ではあくまで老朽化したCH46との相対的な問題である。CH46の事故率(10万飛行時間当たり。以下同じ)は1・11と国会で明らかにされている。一方、海兵隊が今回使うオスプレイの事故率は1・93である。
これは海兵隊平均の2・45を下回るが、CH46ヘリより高いことをどのように評価するのか。
また、今回日本配備される海兵隊と同型機である空軍の特別仕様機の事故率は13・47となっている。1・93ではこれを除いているとの批判もある。
いずれにしても、今回配備されるのは海兵隊のものである。これにはイラクを電撃訪問したオバマ大統領も乗っている。事故率1・93というのは、普天間に24機配備され年間250時間稼働とすれば8・6年で1件事故がありうる(国民被害とは限らない)。
CH46の15年より増え、その分のリスク増が尖閣諸島も含めた抑止力アップと見合うかどうか。しかも、運用によって仮に事故が起きても一般市民を巻き込まないような工夫もできる。
この意味で、普天間を一刻も早く辺野古に移し、安全の向上を図らなければいけない。辺野古移転をぶち壊したのは民主党政権であり、そのツケが今になって回ってきているといえよう。
2012.07.27 (高橋洋一)
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20120727/plt1207270710001-n1.htm
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