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異常に過ぎる この国の政情 翼賛政治と日中戦争の道再び
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2012/7/26 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
今、野田政権はあの亡国の政権と酷似している
沖縄・普天間基地へのオスプレイ配備をめぐって、24日の中国共産党機関紙がこう報じた。
「米軍のオスプレイ配備の目的は、日本の尖閣防衛に協力することだ」
中国は、アメリカと日本がケンカを売ってきたとみているのだ。それだけに、外交をつかさどる日本の外務大臣は「いやいや、そんな大それた意図はありません」と言うのかと思ったら、玄葉外相はきのう(25日)の会見で、オスプレイは中国海軍の海洋進出への抑止力として期待できるなんて、さらに中国を刺激することを簡単に口にしていた。本当にアホだ。首相が大バカだから、大臣もロクでもないのばかりである。
いま日本は、そんなことをやっている場合か。超円高が進み、輸出業界は悲鳴を上げ、株安が止まらなくなっている。デフレ不況の日本経済は一段と衰弱の危機だ。オスプレイにかまけるヒマなどないのである。それは被災地の復旧にしても同じだ。ほったらかしのままだが、野田内閣はまじめに東北を復興する気があるのか。
やるべきことを放置し、増税だ尖閣国有化だオスプレイだと余計なことばかりに入れ込む野田政権を見ていると、こっちの頭がおかしくなってくる。日本を潰すために送り込まれた「スパイ内閣」じゃないかと思えてくるくらいだ。
◆対中危機を政府が煽る異常
そもそもオスプレイについても、大マスコミ報道だけだと真相が見えない。軍事問題評論家の前田哲男氏はこう言った。
「オスプレイは、沖縄の海兵隊が欲しがっているから配備されるにすぎず、これがないとアジアの防衛戦略が狂うとか、沖縄の海兵隊が立ちゆかなくなるとか、そんな必要不可欠な兵器ではありません。まして中国への抑止力になる、ならないのレベルの兵器でもない。だから、野田政権は、日本国内で反対が多いので見合わせてくれないかとアメリカを説得すれば、引っ込めることも可能だったのです」
もちろん、米国の言いなり野田下僕首相には、最初から「米軍を説得」なんて選択肢はない。その弱みを隠し、国内世論を抑え込むために、「中国の脅威が増しているから、オスプレイ配備が必要なんだ」とウソ八百の詭(き)弁(べん)を弄し、その揚げ句、中国を刺激して緊張を高めているのだから、どうしようもない。
不況の日本にとって、中国は最大の貿易国と市場であり、切っても切れない関係なのに、政府が自ら危機を煽り、対立をつくり出す。狂っているとしか言いようがないのだ。
作家の半藤一利氏が週刊朝日でこう語っている。
「原発問題といい、がれきの問題といい、あらゆる問題は何も終わってないんですよね。僕は、福島の原発事故は、まだ“戦争している状態”だと思っています」
そういうことだ。だが、野田政権は国内の“戦争”を収めることもせず、尖閣やらオスプレイで騒いで、外にイザコザの火種をこしらえ、それに時間を費やし、入れ込んでいる。とんでもない政権を持ってしまったものだ。
◆米国に食い物にされても言いなりの下僕首相
歴史を振り返っても、こういう状況が一番ヤバイ。戦前も同じだった。貧困と行き詰まりと国民の不満。そういう中で軍部が中国で戦争を仕掛けると、不満のはけ口はそっちへそらされ、「やっちまえ」となっていく。盧溝橋事件で始まった日中戦争がドロ沼となり、東条英機内閣で破滅の太平洋戦争に突き進んだのだが、不況と行き詰まりと不満が渦巻く野田政権は、あの亡国の政権とやっていることが変わらない。そこが恐ろしいのだ。
こんな日中戦争の二の舞いのようなことをして誰が喜ぶのかというと、それはアメリカだけだ。経済危機の金融資本主義は完全に行き詰まった。そこで、世界中で危機と紛争をつくりだし、依存度を高めさせ、商売にしようという魂胆がミエミエなのである。
「消費増税にしても、背後にいるのは財政危機のアメリカです。日本政府に余計に米国債を買わせるために、財務省の尻をたたいて増税をやらせている。増税で集まる日本国民の金を召し上げる。その召し使いになっているのが野田政権なのです」(経済アナリスト・菊池英博氏)
増税とドル安政策で痛めつけられる日本は、オスプレイまで押し付けられ、アメリカの利権と食い物にされているのだ。
◆もう政治には何も頼れない状況
普通だったら野党は、これだけ国民生活の危機が迫っているのだから、デタラメ野田政治に怒って当然だ。ここで立ち上がらなくて、何のための政治家なのかと言いたいが、国会内で倒閣運動は兆しも見えない。予算委員会でチョコチョコッと批判はするが、アメリカと財務省のやることには逆らえないと、無力無気力をさらけ出している。それで、3党合意とかいって、翼賛政治がどんどんまかり通っている。ひどいものだ。自民、公明はもちろん、共産党からみんなの党まで全国会議員は税金ドロボーのペテン師なのか。
「松下政経塾の野田とか玄葉とか前原は、ディベートの勝ち負けを鍛えただけで、頭はカラッポ。何の国家観もない。だから何でも受け入れてしまう。自分たちが、自民党以上の自民党になっても、おかしいと思わない。それをやっつける政治集団もない。ないない尽くしです。何十年ぶりに大規模デモが起きるのも当然です」(評論家・川崎泰資氏)
前出の前田哲男氏もこう言った。
「せっかく政権交代したのだから、日米の従属関係も少しは変化が出ると、期待していました。民主党内には、変えようという志を持った人もいると信じていましたが、自民党時代以上に言いなりになっている。本当にガッカリです」
やっぱり、国民が立ち上がるしかない。翼賛政治が定着し、増税と不況と紛争でムチャクチャにされるのは庶民の生活なのである。破滅への道を食い止めるのは、一人一人の怒りと直接行動しかない状況なのだ。
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