http://www.asyura2.com/12/senkyo133/msg/320.html
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コラム子の結論に同意するわけではないが、そのような結論を主張する人でも、消費税増税関連法案(「社会保障と税の一体改革」なるもの)がデタラメなものと考えている実例として転載させていただいた。
※ 参照投稿
「アエラの記事を素材に消費税を考える(3):消費税が派遣労働者を増加させる論理:消費税=“隠れた給与所得税”という怖い話」
http://www.asyura2.com/12/senkyo133/msg/279.html
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[大機小機]一体改革の3つの矛盾
政府が作成した「社会保障と税の一体改革を考える」というパンフレットがある。これには国民の疑問に対する回答が整理されているが、読めば読むほど「一体改革」の矛盾点が明らかになる。
第1に、なぜ消費税かという疑問に対して、若者や高齢者まで幅広く負担する税だからという説明がある。他方で、増税に伴う物価上昇への対応として、増税で得られる財源のうち0.8兆円を充て、それには年金も含めるとしている。物価上昇で勤労者の賃金が目減りする一方、高齢者の年金給付は物価スライドで増えるなら、国民全体で平等な負担とはいえないのではないか。
第2に、懸念される増税のデフレ効果については、国民の安心感の高まりによる消費などの増加で相殺されるという。その一方で、今回の増税は財政再建への第一歩と明言しており、今後も増税を繰り返すことが示唆されている。そうなれば家計は、増税に備えて貯蓄をするのが当然で、消費を増やす余裕はない。
第3に、高齢化で社会保障費用は、経済成長を大きく上回るペースで増加するため、経済成長率が高まっても増税は不可避という。仮にそうであれば、やはり際限なき増税が必要となる。これは将来とも、国民の所得増加の範囲内で負担できる、持続性ある社会保障制度への改革に失敗したことにほかならない。
こうした矛盾だらけの政府原案が、野党との3党合意で、改善されるどころか、さらなる年金加算など年金財政の安定性を損なう結果となった。どの国でも、社会保障の改革は、年金の抑制や医療費の合理化など国民に厳しい内容となる。このため、政争の道具としないよう、与野党の合意が欠かせない。しかし、与野党がともに目先の選挙しか頭になく、国の財政安定よりも、増税で増える税収の分捕り合戦に終始する政治家ばかりの国では、逆効果である。
日本と同様に巨額債務を抱えるイタリアでは、モンティ首相の専門家内閣が、当初から再選を目指さず、限られた任期中に年金支給開始年齢の67歳への引き上げや解雇規制の緩和といった大胆な改革を実現した。日本でも再選を目的としない総理が、専門家を集め、将来世代のために不可欠な構造改革と財政に依存しない真の成長戦略を実現できる日は、いつ来るのだろうか。
(吾妻橋)
[日経新聞7月19日朝刊P.]
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