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野田政権が「尖閣列島国有化」を打ち出したとき、なかなかいい落としどころを見つけたものだと受け止めた。
中国政府も、野田政権の思いに乗っかって、イヤミを言ってはいるが、心のなかは穏やかなものであろう。
日中両国政府、とりわけ日本政府にとって面倒なのは、尖閣列島の土地が民間人の所有のまま、様々なかたちで所有権の行使を強く迫られたときである。
東京都という日本国とは違う主体が所有権を持つことも、誰が知事であるかによって、厄介な問題につながりかねない。
日本国の領土にある私有地(公有地)に、所有権者や所有権者の許可を得た人たちが自由に出入りできないとか、土地の利用に一般の制限を超えた制限を課すということは、権力の濫用であり、憲法違反の疑いが濃厚でもある。
軍事的要塞化は法的規制で潰すことはできても、日本国の領土であり所有権の登記を行っている限り、私有地(公有地)に様々なデモンストレーション的構築物はつくることは本来排除できないはずだ。
さらに、尖閣列島が自国領とする主張のもと、台湾、香港、中国などから勝手に島に上陸する人が出てくると、不法入国という問題だけではなく、所有権を犯す不法侵入の問題も発生する。
所有権者が、居座る不法侵入者の排除や不法侵入者への民事的請求権を行使するための措置を求めた場合、日本政府は当然のようにしかるべき対応をしなければならないはずである。
尖閣列島が国有地であれば、領土である主張と保全をしっかり行うだけで、時として生ずるかもしれない“不祥事”は、その時々の政治的判断で対応の仕方を選択することができる。
国有化という一見もっとも強硬と思える政策は、実のところ、政治的に柔軟な対応できる重宝な政策なのである。
ということで、米国政府も、尖閣列島国有化に反対する理由はない。
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尖閣国有化、日本を支持?
米、領土問題で深入り嫌う 原則は「同盟国でも中立」 [日経新聞]
8日に東京で開いたアフガニスタン支援の国際会議に出席したクリントン米国務長官は野田佳彦首相らと会談後、足早に日本を去った。玄葉光一郎外相との会談では普天間基地の移設など多くの懸案を協議したが、あえて公には取り上げなかった案件もあった。日本による尖閣諸島の国有化問題である。
苦肉の公式見解
クリントン氏は2010年秋に前原誠司民主党政調会長(当時外相)と会談した際、「(尖閣諸島には)明らかに日米安保条約が適用される」と述べている。それだけを見れば、尖閣の領有権を巡って日中間で紛争が発生した場合、米国は日米安保条約第5条(日本防衛)に基づき日本側に加担する、と解釈できる。
しかし「原則として、同盟国間であっても領土紛争には不介入・中立の立場を取る」(グリーン元米大統領補佐官)としている米国の心の奥底はもう少し複雑だ。
そもそも「尖閣は5条の対象」という米国の政策は、1996年に対日政策を切り盛りしていたキャンベル国務次官補(当時国防副次官補)が編み出した苦肉の策だ。
伏線は当時のモンデール駐日米大使が米メディアとの会見で、領土紛争不介入の原則を強調するあまり、尖閣有事の際の米側の対応について不透明な発言をしたことだ。この時、「不用意な発言」と反発したのが石原慎太郎氏だった。
キャンベル氏は尖閣を巡って日中間で紛争が起きた場合、安保条約第5条に基づき「日本の施政下にある領域(尖閣諸島)」で「いずれか一方に対する武力攻撃」があった際は「共通の危険に対処するように行動することを宣言する」と説明。これがオバマ政権による「公式見解」ともなった。
とはいえ、これをもって米国が全面的に尖閣の国有化問題で日本を支持する、と解釈するのは早計だ。実際、10年9月に中国漁船が尖閣諸島周辺の日本領海内に侵入し、海上保安庁の艦船に体当たりを敢行した事件後、キャンベル氏は米知日派の大御所、アーミテージ元国務副長官から日本による尖閣の実効支配を堅持するため、日米合同での軍事演習実施などを進言されたが、却下した。
グリーン氏は、尖閣問題を巡って日中間で話がこじれた場合、状況やきっかけがポイントになる、と解説する。尖閣問題をいたずらに刺激するような「引き金」に日本が先に指をかけた場合、必ずしも米国は日本に全面的に賛同し、支援するわけではないのである。
大統領選にらむ
オバマ大統領の側近として最近までホワイトハウスで対中、対日政策を指揮したベーダー前大統領補佐官は、都の尖閣購入による外交的な「混乱」を回避したいという日本政府の意図を「中国側も理解するだろう」と指摘する。その上で、今回の日本政府の国有化方針には「米側から特に反応はしない」と述べ、オバマ政権は事態を静観するとの見方を示す。
メア前米国務省日本部長も、米国は新たな外交問題につながる解釈を意図的に避け、「日本国内での単なる所有権の移転問題」と位置付ける、と解説する。
米国には外交案件が山積している。そこに尖閣問題を巡る日中間の“紛争”が加わることは歓迎できない。大統領選の本番を迎える米国にとって、尖閣問題は「寝た子」のままにしておいてほしいというのが本音だ。
ベーダー氏は中国が南沙諸島を巡るベトナム、フィリピンなどとの対立と尖閣問題を一体化し、先鋭的になるおそれも否定できないと警告する。すでに中国側は監視船を日本領海内に侵入させるなど不穏な動きを見せる。尖閣国有化は一歩間違えば日中間の紛争に発展しかねない。日本にとって、この問題で一切の「想定外」は許されない。
(編集委員 春原剛)
[日経新聞7月18日朝刊P.2]
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