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http://ameblo.jp/shimarny/entry-11304928101.html
2012年07月17日(火) 17時33分34秒
7月16日に脱原発を訴える市民集会「さようなら原発10万人集会」が東京の代々木公園で開催された。強い日差しの中で、多数が参加した。
参加者人数は、主催者発表で約17万人、警視庁調べで約7万5000人とともにこれまでを大幅に上回り、過去最大規模の脱原発集会となった。
過去の3月11日、5月5日とは比較にならない規模である。
参考記事: 日本や世界で「脱原発」を訴えるデモや集会が歴史的な動員数に、なぜ既存メディアは大きく報じないのか
http://ameblo.jp/shimarny/entry-11190862335.html
参考記事: 5月5日は原発ゼロの日、42年ぶり国内原発の全50基が稼動ゼロ、脱原発の署名が660万人分以上に
http://ameblo.jp/shimarny/entry-11243401042.html
これも毎週金曜日18時から東京の首相官邸前で継続的に行われている政府に対する原発の抗議活動が一般市民に浸透している証拠であろう。
先日、野田総理が「大きな音だね」と騒音扱いした国民の声である。
参考記事: 革命前夜!官邸前の車道を人の波でほぼ埋め尽くす、大飯原発再稼動の反対運動は史上空前の大規模デモに
http://ameblo.jp/shimarny/entry-11290731857.html
【野田総理の約750万人の署名を無視した事実】
脱原発集会には多くの著名人が参加して下記の発言をしている。
●ノーベル賞作家の大江健三郎さん
「多くの反対の声をよそに政府が原発の再稼働を推し進めるのは国民に対する侮辱されていると感じる。政府のもくろみを打ち倒さなくてはならない。それは確実に打ち倒しうる。原発の恐怖と侮辱の外に出て自由に生きることを皆さんを前にして心から信じる。しっかりやり続けましょう」
●音楽家の坂本龍一さん
「政府の原発政策への怒りが充満している。たかが電気。たかが電気のためになんで命の危険をさらさなくてはいけないんでしょうか。子供を守りましょう。日本の国土を守りましょう」
●作家の瀬戸内寂聴さん
「冥土のみやげに皆さんの集まった姿を見たかった。政府への言い分があれば、口に出していいし、体に表していい。たとえ空しいと思う時があっても、それにめげないで頑張っていきましょう」
ここで一番重要なのは、大江さんが発言した「侮辱」という言葉だろう。
なぜ、侮辱という言葉を発したのかといえば、去る6月15日に大江さんら呼びかけ人が首相官邸で藤村官房長官に下記の脱原発を求める約750万人分の署名を野田佳彦首相宛てに提出したのである。
参考資料: 「脱原発を実現し、自然エネルギー中心の社会を求める全国署名」(さようなら原発1000万人署名)現在780万人超 http://sayonara-nukes.org/
しかし、この国民の声を踏みにじるように、翌日6月16日に野田総理が4大臣会合を開いて、大飯原発の再稼動を正式に決めたのである。
つまり、約750万人もの署名した国民に対して日を改めるという配慮も見せず、また会見でも一言もこの多くの国民の声に対する言葉も無かったのだ。
これでは、大江さんが「侮辱されている」と感じるのも当然である。
そして、いよいよ持って原発の抗議行動から野田政権の倒閣運動へと発展していくのである。上記以外の著名人からも原発反対というより政府批判を前面に押し出していた発言が目立った。
つまり、野田総理が約750万人の署名を無視して再稼動した判断と、既存メディアが約750万人もの署名を政府に提出したことをほとんど無視した姿勢が、多くの抗議参加者の反感を買ったのである。
【既存メディアと海外主要メディアの反応】
念のため、今回の主要メディアの見出しを下記にまとめる。
●既存メディアの報道の一覧
読売新聞:坂本龍一・大江健三郎さんも…脱原発集会で訴え
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20120716-OYT1T00828.htm
朝日新聞:坂本龍一さん「電気のため、なぜ命を」都心で脱原発デモ
http://www.asahi.com/national/update/0716/TKY201207160202.html
毎日新聞:脱原発集会:「子供、未来のため」 目立つ家族連れ、若者
http://mainichi.jp/select/news/20120717k0000m040056000c.html
日本経済新聞:脱原発「10万人集会」、坂本龍一さんら参加
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG16009_W2A710C1CC1000/
産経:脱原発集会に17万人 「命危険にさらすな」
http://photo.sankei.jp.msn.com/highlight/data/2012/07/16/14nuclear/
時事:「同じ思いの人がこんなに」=脱原発集会に「17万人」−酷暑の中、最大規模・東京 http://www.jiji.com/jc/zc?key=%b8%b6%c8%af&k=201207/2012071600240
NHK:東京で過去最大の反原発集会
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120716/k10013623521000.html
●海外主要メディアの報道の一覧
ロイター通信:More than 100,000 protest nuclear power in Tokyo
ニューヨークタイムズ:Tokyo Rally Is Biggest Yet to Oppose Nuclear Plan
ワシントン・ポスト:Japanese anti-nuclear demonstrations grow
ウォールストリート・ジャーナル:Fukushima Watch: Tokyo Protesters Stage Largest Anti-Nuclear Rally So Far
非常に残念なのは、読売新聞、朝日新聞、毎日新聞の見出しだろう。
少なくとも今回の集会を正確に伝えるのであれば、最低でも「過去最大」もしくは「10万人」「17万人」という具体的に表記すべきである。
【野田政権の原発推進と倒閣運動の始まり】
また、最も残念なのは、野田総理の国民の脱原発の声への反応である。
●6月29日の官邸前の抗議活動
「(傍らの警護官に)大きな音だね」
●7月6日の官邸前の抗議活動
「多くの声、様々な声が届いております」
●7月13日の官邸前の抗議活動
「多くの声をしっかりと受け止めていきます」
●7月16日のテレビ出演
「事故からまだ1年4カ月。国民の中には複雑な思いを持っている方がたくさんいる。さまざまな声にしっかりと耳を傾けていきたい」
これは、結局は聞くだけ聞くけど方針は変わらないということだ。
つまり、野田政権での原子力政策は自民党政権とほとんど同じであり、単に原子力規制庁というお役所が一つできるに過ぎないのである。
その理由は、現在全国で開かれている政府のエネルギー・環境会議が「2030年の原発比率」を決めるための意見聴取会の内容である。
そもそも原子力政策の当事者である電力会社の関係者を選んだ時点で、一般市民から意見を聞くという趣旨から反れておりやり直すべきだろう。
それ以上に、この3つのシナリオが大問題なのである。
2030年の原発比率を「ゼロシナリオ」「15シナリオ」「20〜25シナリオ」から選択するのだが、ゼロ以外は原発を建設するのである。
「20〜25シナリオ」の場合は、原発建設を行うが、「15シナリオ」でも原発の稼働率が70%を下回れば2基新設するのである。
そして、原発の稼働率70%とは定期検査などから現実的にかなり困難であり、実質的に原発を新設することを容認するシナリオなのである。
つまり、将来の3つのシナリオでは、原発を新設しないのは1つだけであり、残りの選択肢は原発新設ありという不公平な選択肢なのである。
そして、野田政権が「15シナリオ」を選択するのは、5月に細野原発担当大臣が「15%がベース」と発言したことからも明らかである。
この結果、野田政権は脱原発依存ではなく原発推進であるのだ。
しかも、計画は着々と進行しており、意見聴取会を全国8会場で開催した後、8月中にも2030年の原発比率の結論を出すことにしているのだ。
目下、将来的に新しく原発を建設するために邁進しているところなのだ。
つまり、野田政権では、絶対に原発を止めることはできないのである。
そして、原発を止めるためには野田政権を倒すしか手段がないのである。
政治に国民の多くの声を反映させるためには、現在の脱原発の抗議運動を野田政権の倒閣運動へシフトさせて初めて第一歩となるのである。
早期に野田総理を解散・総選挙に追い込むしか脱原発には進まない。
現在の原発の抗議行動から野田政権の倒閣運動への発展を切に願う。
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