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さよなら原発集会 17万人!
ほんとに日本も変わってきたと実感する。
何があろうと、あの震災があっても、じっともの言わぬ民であった日本が、ここまで変わってきたことの「震源地」はやはり福島なのだろう。
1年以上も生き地獄をほったらかしにして、あろうことか何の反省もなく再稼働させたということへの、怒りとか屈辱感が、全国へ伝搬しているのだと思う。危ないとか怖いだけだったら、3.11直後のほうがずっとショックは大きかったのだから、1年以上たってこのように大きく盛り上がってきたというのは、そういうことなのだろう。
その意味でも、この運動は力強いものであり、簡単にひくことのできないものだと言える。
ただ、ひねくれ者にはひねくれ者の役割がある。
大きく盛り上がった運動にエールを送り、自分もまたその一人としてどこかに参加することはもちろん続けていきたいが、そこだけを見ていていいのか、とも考えてしまうのだ。
思い起こすべきは、戦後日本の原子力開発は、皮肉な言い方をすれば、反核運動が生み出したということだ。
広島・長崎に原爆を爆発させられても「悲劇は繰り返しません」と言い、一億総懺悔などとじっと我慢していた日本人が、第五福竜丸の被曝という事態をきっかけに堰を切ったように怒りが爆発した。
原水協ができたのも、終戦の直後ではなく、この第五福竜丸の被曝事件があった翌年である。
もちろん、このタイムラグには、占領軍による広島長崎に関する情報隠蔽のせいもあった。
この点でも、今の状況と似ている。(ノダ民主党政権は占領軍並みということ)
知られているように杉並の主婦がはじめた反核署名は、54年の1年間で3000万筆にたっし、全世界で6億になったという。
直接の因果関係はともかく、この運動が部分的とは言え核実験の禁止の流れになっていたことはたしかだ。そのくらいの、国民的な盛り上がりになっていった。
杉並から全国へ―「原水爆禁止署名運動全国協議会」(杉並区のサイト)
しかし、残念ながらその運動が、原子力の平和利用という正力松太郎らのキャンペーンにまんまと利用されてしまった。少なくとも、なんら抵抗できなかったということは、歴史のこちら側にいるものとしてはちゃんと見ておかなくてはならない。
これは、当時の反核運動を担った人々をけなしたり、その功績を貶めたりすることではない。
画期的な運動であったからこそ、焦ったアメリカや日本政府は、起死回生の「平和利用」キャンペーンにかけてきたのである。
このあたりの詳細は、『原発、正力、CIA』新潮新書 有馬哲夫著 に詳しい
「いかなる立場または党派にも偏しない、原水爆の脅威から生命と幸福を守ろうとする全国民運動」が、あの福島の惨劇を起こす原発を生み出してしまったという歴史のアイロニー。
ひねくれすぎた言い方であろうか。
いや、「原子力の平和利用」という幻想は、小出裕章先生のような人ですらその研究を志したのだから、いかに日本人に染み通っていたかが分かろうというものだ。
■■
昨日の17万人集会を見て、こんなことを想起するとは、我ながらたいがい性格が悪いとは思う。
しかし、それには訳がある。
野田首相の、あまりに極端な、過激派と言ってあげたくなるほどの政権運営。
なかでも、安全保障=軍事を巡る動きが、とんでもないことになっているからだ。
4月末の2+2と、5月当初の日米首脳会談。
ここを転換点として、日本は実際に戦火を開く戦争に向かって急速に準備を進めている。
この会談で、動的防衛力という防衛大綱にあるキーワードをまったく違う意味に解釈し直し、自衛隊がアジア太平洋に展開する米軍の肩代わりをすることを、ノダはオバマに約束した。
言わば、手弁当でアメリカの傭兵部隊になるということだ。
そして、これまではギリギリでブレーキをかけてきた集団的自衛権について、憲法改正せずに、国会決議もせずに、政府でゴニョゴニョと検討しただけで行使できるようにする、と動き始めた。
今の政府の独裁と秘密会議ぶりをみれば、もうすでに集団的自衛権は行使されはじめたと見てもいいくらいだ。
それに歩調を合わせたように、石原慎太郎の尖閣買取宣言。そして、掛け合い漫才のように進む国有化宣言、丹羽大使の召還、クリントン会談・・・
とくに、クリントン国務長官の言動は注目しなくてはならない。
日本に対しては、オフレコで尖閣のことを話しておいて、すぐにリーク。日本を引くに引けないところへ追い込んだ。同時に、尖閣は(日本が実効支配している限り)日米安保の適応範囲と言いつつ、資源の日中共同利用を提案したりする。つまり、中国に暗に「OKサイン」を出しているのだ。
これはまさに、1990年にイラクのフセインがクエートへ侵攻しようとしたときを彷彿とさせる。やるぞやるぞ、とファイティングポーズをとったフセインに、駐イラク特命全権大使は不介入を宣言して、いわば「OKサイン」を出した。
先に手を出させておいて、後からぶっ叩くというのは、アメリカの常套手段である。いま、尖閣を巡ってはまさにこのギリギリの状況のまっただなかにある。
そして、ぶっ叩くのは、今度は米軍ではなく自衛隊だ。
もちろん、司令部は米軍にあるけれども。
オスプレイの配備を、何が何でも拙速に進めているのも、この準備であろう。
現在、自衛隊がもっている輸送ヘリでは、沖縄から尖閣まで往復できない。しかし、航続2000キロのオスプレイならば、兵員であろうと物資であろうと、どんどん運ぶことができる。
中国にしてみれば、わざわざ戦火を開くことは避けたいはずだ。経済的にも軍事的にも、すでに日本を凌駕しているのだから、実利のないところで、ドンパチやる意味がない。しかし、日本側がどんどん挑発し、アメリカが「OKサイン」を出し続ければ、どこかの時点で軍を出してこないとも限らない。
今は、漁船監視船だから日本側も海上保安庁が出て行くわけだ。これが、中国側から軍に位置づけられるものが出て行けば、それ来たとばかりに自衛隊が飛び出していく。
そのくらいの緊張状態に、いま、日本はある。
湾岸戦争ほどの大戦争にはならないかもしれない。あくまで、局地的、部分的な戦闘に終わるかもしれない。しかし、戦後の日本において、自衛隊が交戦するという事態が起きるかもしれない、という瀬戸際に、いま私たちは立っている。
■■
日本に何のメリットがあるかというと、何もない。経済的にも、仮に国粋的な思想に立っても、何もない。あるのは、米軍の肩代わりを望んでいるアメリカの意向と、それに付き従う野田政権の過激な政策だけだ。
オバマは大統領選での苦戦が予想されている。
軍縮と国内政策の充実のためにも、アジア太平洋は自衛隊に肩代わりさせたい。中国とは、大きな意味では手を握り、日本にちょっかいを出させて、ある程度優位をたもっておきたいのだ。
野田は、このオバマの意向に全面的に従うことを宣誓し、権力の継続を約束してもらった。もし、5月に宣誓していなければ、おそらくは橋下徹にすげ替えられていただろう。しかし、あの日米会談のおかげで、野田はゾンビのように生きながらえることを約束され、橋下はしばらく出番を失った。
橋下の「野田首相はすばらしい」という転向も、その流れを敏感に察知した結果だ。
さすが、機を見るに敏である。
3党合意に橋下維新まで加わって、大政翼賛会によって日本の政治は進められていく。
人民の意識の高まりは相当なものがあるけれども、それは脱原発に絞り込まれ、他のことを言うと「ロートル左翼」とか言われかねない。
まあ、この年になってしまったからロートルなのはいいとして、戦争反対に左翼かどうかは関係ない。
野田政権のやりかたに怒りを覚える数百万、数千万の人々に、ぜひこの戦争の危機感を感じてもらいたい。
そんなことを、わざわざ17万人の脱原発集会の翌日に訴えるのが、私のようなひねくれ者の役割だと思っている。
(以上 転載)
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(投稿者コメント)
警戒するべき事は、陰に隠れて進行する。
そんな懸念を的確に指摘下さったブログを拡散したく、投稿しました。
反原発の意志と行動がますます拡大していき、
新党「国民の生活が第一」への支持が侮れなくなったとき、
国家は一発逆転を狙って、平気で自衛隊に局地戦争をやらせることさえある。
私たちはこういったショッキングな計画に対応する覚悟を、
今から準備する必要があると思います。
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