http://www.asyura2.com/12/senkyo132/msg/906.html
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「野田首相への評価が豹変したという問いかけへの回答で見せた橋下大阪市長の“素顔”」(http://www.asyura2.com/12/senkyo132/msg/793.html)で、“野田首相べた褒め”記者会見をネタに橋下大阪市長に対して簡単な評価をさせてもらったが、思いがけぬほど多くのコメントをいただいた。
そのようなリアクションの数自体が橋下大阪市長の政治的存在感を示しているとも言えるのだが、橋下氏のことを、愛嬌がある、「化ける」可能性があると書いたことで、橋下氏を持ち上げているという奇妙な批判もいただいた。
橋下氏を超える識見と人気を有する国会議員がどれほどいるかと挑発するような書き方をしたことを快く思われなかった方もいるようだった。
また、橋下氏の理念・価値観・政策を批判しながら、橋下氏を変に持ち上げるだけで、対抗策を示していないという批判もいただいた。
さらに、「野田最悪首相8月中に立ち往生 小沢新党で消費増税は廃案 チンピラ大臣安住、玄葉、枝野、仙谷、前原は全員落選する9月総選挙」(http://www.asyura2.com/12/senkyo132/msg/810.html)のコメント欄に、根が好きな政局話を書き、批判もいただいた。
私は、現状で、どの政党(政治勢力)を積極的に肩入れするのか、とにかくすぐにでも叩き潰さなければならない政党はどこなのかといったことに、それほど大きな意味があるとは思っていない。
今最も重要なことは、一人でも多くの人が、官僚ほどとはいわないが、政策が意味するもの、政策がもたらす現実がどのようなものなのかをより深く考えることだと思っている。
忙しいけれども、それに負けずに、多くの人がそのような思考と判断をするようになれば自ずと政治は変わると考えている。
阿修羅は、言葉でのやり取りができる場である。願望の吐露や煽りも否定はしないが、そのためにこそ阿修羅を活かすべきだとも思っている。
むろん、現実は時々刻々動いている、それも好ましからざる方向に動いていると思っているので、政治の動きを放置して高みの見物いうわけにはいない。
当座は、優先度の高い政策を基準に、支持する政党を決めるしかない。私自身は、脱原発、消費税廃止もしくは消費税増税反対、TPP不参加を基準に支持・不支持を判断している。(デフレ脱却はいちおうどの政党も言っているようなので除外)
それに加え、小選挙区制がベースの選挙制度では難しいが、政治勢力の数のバランスも考えたい。自民党は今より多くなってもらいたくなく、民主党は大幅に減らしたい、共産党や社民党がもう少し増えたほうがいいなどである。
私が橋下氏を危険視するのは、彼に愛嬌があり、テレビタレント稼業でさらに鍛えられたと思われる即応的“つかみ”(ある層の人の心をつかむ)言動に長けていると見えるからである。
橋下氏の現在の理念や政策は、やり口(手法)はともかく、それほど珍しいものではない。少し化粧を施せば、前仏大統領サルコジや独メルケル首相そして米国共和党など21世紀的“中道右派”の路線になると言えるだろう。
ハシズムという造語もあるようだが、“指導力”や“実行力”とい概念は、“強権”や“独裁”の柔らかい表現でもあり、政治家に頼る人々が政治家に期待する能力の一つでもある。
橋下氏は、普通の政治家であれば“指導力”や“実行力”というところを、ことさら“独裁”と言うことで、逆に、さらに耳目を集めいっそう人気を高めているのだ。
だから、橋下氏にとって、ハシズムという造語で吠えかかってくる人たちは 自分の“応援団”に見えていることだろう。どうのこうの言っても、橋下氏は、ハシズムであることが“売り”である。ハシズムがなければ、橋下氏や維新の会がこれほどもてはやされることもなかったはずだ。
念のため、橋下氏の政治手法や理念・政策を批判するなと言っているワケではない。真顔できりきり挑むのではなく、笑い飛ばせるくらの余裕で批判しなければ、橋下氏の人気を凋落させるのは難しいと言いたいのである。
むろん、なんであれ、橋下氏的政治家が、もてはやされ、政治的勢力も拡大させていった要因は、20年に及ぶ経済的低迷と政治的貧困である。
これまで余り言われなかったことをぶち上げ、それを実現するために憲法違反とも言える手法を使う橋下氏に“現状脱却(救済)の夢”を見ているとも言える。
逆に言えば、橋下ブームは、既存の政党や政治家が無能ぶりや無力ぶりを映した現象なのである。
次のような比較はある層には申し訳ないが、私がメディアを通じて形成されていると思うイメージの問題なのでご容赦いただきたい。
現在もうひとりの政治的話題の主である小沢氏が、“独裁”という言葉を用いれば、それこそ金切り声の批判が沸騰し、国民の多くも恐れおののく可能性が高いと思う。
ところが、橋下氏が言うと、なぜかある層の政治的期待を醸成するという違いが、“愛嬌”(かわいげ)のありなしに由縁することだと思っている。
(※ 半数近くのひとが、あの橋下のどこが愛嬌なんだと異を唱えることは承知している。しかし、有権者の30%が確固たるファンになってくれれば勝つことができる)
民主党も自民党も、9月に党のトップを決める選挙を行う。
消費税増税・原発再稼働・TPP参加推進など汚れ役に邁進してきた野田氏は、その役割を終え、来る総選挙に備えて新しい顔にすげ替えられるはずだ。
しかし、そう思って民主党内を見渡しても、これはという人物がいない。岡田氏、前原氏、枝野氏、仙谷氏、海江田氏、鹿野氏、馬渕氏、樽床氏と思い浮かべてみても、鈍重で誠実(口先でごまかして悪いことをするような人ではない)とは見せかけることができる野田氏をさえ超えると言い切れる人がいない。
来る総選挙で、イメージだけであっても、次期首相候補として陣頭指揮をとれる“玉”がいないのである。
変なたとえをすると、現在の民主党は、橋下氏が乗り込んでマニフェストをまとめ上げ、代表として総選挙に臨んだほうが獲得議席数は増えると予測できるほどの体たらくなのである。
むろん、“公務員叩き”を人気獲得の重要手法としてきた橋下氏が、連合を支えとする民主党ですぐに代表になれるはずもない。
自民党も、野党生活が長くなるなかで、“二世政党”の弱さをさらけ出している。口先だけとは言いつつ、自分一代で国会議員の地位を獲得し、政治グループのなかでのし上がってきた民主党の主要幹部とは政治的力量で劣っていると言わざるをえない。だからこそ、自民党は、民主党を叩くことしか、党への支持を回復する手立てがないような状況になっている。
自民党は、根拠と言えるのは民主党がダメだから自分がというものでしかないのだが、来る総選挙で政権に返り咲くつもりでいる。このため、2年前の総裁選とは違い、今度の総裁選は総理大臣の座を賭けた熾烈な争いになる。
自民党内を見渡しても、即応的な“つかみ”発言さえできない石原幹事長、あの目つきに勘弁してよと言いたくなる石破氏、朴訥さは売りだが財界べったりの政策しか打ち出せない茂木氏、“乱”で沈没し見る影もなくなった加藤氏、東国原氏を担ぎ出して凋落を食い止めようとした頓珍漢な古賀氏など、旅館の奥で女将さんの後ろに隠れているほうがお似合いという感じの谷垣氏とどっこいいうレベルの人たちしかいない。
橋下氏は、自分が自民党の匂いにふさわしくない人物であることを承知しているだろうし、自民党に身を置くことは没落の始まりともわかっているだろう。
いわゆる既成政党がこのような状況だからこそ、橋下氏が「化ける」可能性があると思っている。
遊びでしかないが、来年夏に総選挙が行われれば、「三党」が国費を使って支持者固めのバラマキをやった上でも、獲得議席が100台の政党(政治グループ)が三つほどという小選挙区制に“あるまじき”拮抗した結果になると思っている。
衆議院で100台の議席を取る政党は、自民党、民主党、橋下維新の会+みんなの党だと思っている。
但し、三つの政党が100台の獲得議席数になる条件として、西日本の橋下氏(維新の会)と東日本の渡辺氏(みんなの党)が合従連衡して選挙に臨むことを上げる。
これにさらに中部日本の河村氏減税日本が加われば、ブームの度合いも高まり、自民党と民主党の衰退がより大きくなることから、“第三極”が150議席を超えることも考えられる。
民主・自民・“第三極”の三党で、480議席(定数が変わる可能性が大だが)のうち400近い議席を獲得する可能性があると思っている。
叩かれ役であり“第三極”の引き立て役にもなる小沢グループは、現状維持が精一杯だろうと予測している。
渡辺氏のみんなの党は、消費税増税反対で脱原発を打ち出している。私が見聞きした範囲では、みんなの党のほうが、小沢グループの消費税増税反対より論は勝っている。
小沢氏の「国民の生活が第一」党が躍進すると思っている人は、渡辺氏の「みんなの党」が躍進することを無視することできないはずだ。
幸か不幸か、来年7月には参議院選挙も行われるから、現在の参議院の勢力図を手掛かりに総選挙後の「連立」を予想することはできない。参議院の選挙が総選挙よりあとであれば、両院で過半数を制する「民主・自民・公明三党連立」になるだろうとは言えるが...。
小沢G「国民の生活が第一」党が勢力を増大させる唯一の方法は、橋下氏・渡辺氏・河村氏との連携実現だと思う。
そして、小沢氏にとって、政治能力の発揮しどころが、その連携を実現できるかどうかである。勝手な予想だが、橋下氏は、小沢氏よりは渡辺みんなの党を選択するし、渡辺氏も、小沢氏を連携相手には選ばないはずだ。
このような戯言を書いたのも、阿修羅でさえ、小沢氏と心中でもしかねない人を散見するからである。
日本の政治の現状は、どこかの政党に入れあげてどうこうなるというものではない。
小沢氏の新党結成でアドレナリンが出まくっている人には冷や水をぶっかけるようで申し訳ないが、冷静にどの政治勢力を利用しようかを考える程度にとどめたほうが賢明だと思う。
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