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http://gendai.ismedia.jp/articles/-/32978
政治の仕事は、国民に夢と希望を与えることである。そのためには、日本がどのような国を目指すのか、日本社会をどのような方向に変えようとするのか、それを政党は、そして政治家は提示しなければならない。
将来へのヴィジョンを政党間で競い、選挙で国民の支持を最も集めた政党が政権に就き、国の舵取りをする。それこそが民主主義であり、マニフェストを掲げる意味もそこにある。
自公政権以上に保守的な野田政権
「国民の生活が第一」や「コンクリートから人へ」をスローガンに選挙で勝利したのが民主党であり、国民の期待を最も集めたのが民主党であった。ところが、今やかつての勢いは見る影も無くなってしまっている。国民との約束を破って消費税増税を決め、公共事業のばらまきも復活させてしまった。
民主党は、自公政権のばらまき体質を厳しく批判し、政官業の癒着に切り込む改革を断行することを有権者に誓ったのではないか。その改革を遂行すれば、無駄が排除されて財源が生まれ、増税など必要ないと言っていたのではないか。ダム建設などの公共事業ではなく、医療や介護などの社会保障サービスに財源を振り向けることによって、弱者に優しい社会を作り上げることをうたっていたのではないか。
野田政権は、これらをすべて反故にしてしまい、かつての自公政権、いやそれ以上の保守的な体制に移行してしまっている。まさに何のための政権交代だったのか。政権交代後、行政改革の成果が上がって、消費税増税が不要になることを信じて民主党に一票を投じた有権者は皆、騙されたことになる
事実上の大統領選が展開されているアメリカでは、民主党と共和党の政策の違いが明らかである。たとえば、医療保険について日本の国民皆保険のような制度の導入を図る民主党・オバマ政権と、それに真っ向から反対する共和党の主張の違いが際立っている。小さな政府を指向する共和党は、医療保険にまで政府が介入することには反対であり、ロムニー氏は、もし政権に就いたら、オバマ政権の医療保険改革を廃止すると明言している。
このように政策の選択肢が提示されることが民主主義にとっては不可欠であるが、過去3年間の日本では、選挙で政策を約束しながら、民主党政権は、それを平気で変えてしまっている。民主党は、そして野田政権は、この日本をどこに導こうとしているのか。消費税増税にしろ、原発の再稼働にしろ、安全保障にしろ、民主党を支持した有権者は、すべてにおいて逆の方向を期待していたのではないか。
恒産無ければ恒心無し
野田政権が、かつての自公政権と変わらないとすれば、国民は自公民のいずれの政党も支持できなくなる。そこで第三極、とりわけ橋下大阪市長率いる維新の会が大きく票を伸ばす可能性が出てきている。
自民党の中には、消費税増税、原発再稼働、オスプレイの沖縄配備など、国民の反発を買いそうな政策は、すべて民主党政権の間に片付けてもらい、自分たちが政権に復帰したときには、身軽に政権運営をしたいというずるい考えがある。しかし、それこそ政党間競争を否定するものであり、国民から政策を選択する機会を奪うものである。
ヨーロッパ連合の場合、各加盟国に対して、「ヨーロッパ」という枠がはめられている。たとえば、付加価値税は15%以上でなければならないし、ユーロ加盟国の財政赤字は対GDP比で3%以下でなければならないなど、様々な制約がある。それが各加盟国の政策選択の幅を縮めているが、政党は、そのことを政策転換などの弁解に使うことが可能である。ギリシャ、スペイン、イタリアなどが国民のばらまき要求にもかかわらず、緊縮政策を維持しようとしているのも、「ヨーロッパ」という選択肢を捨てれば、生き残れないからである。
日本は、ヨーロッパ連合加盟国とは異なる。自ら世界経済の一極を形成できるだけの実力を備えており、政策選択の自由度は大きい。そのことを忘れて、財務省主導の財政再建路線に乗ってしまえば、経済成長というもっと大きな課題が達成できなくなる。「恒産無ければ恒心無し」、今必要なのは経済成長戦略である。
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