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国民の生活が第一。小沢一郎氏が率いる新党の名称は、3年前の政権交代で民主党が掲げたスローガンをそのまま用いた。反増税、脱原発勢力の結集を目指す小沢氏だが、4度目となる新党結成に対する国民の期待は広がっていない。増税で合意した民自公3党にどう対抗するのか。野党第2党の前途は険しい。
小沢氏は議員や支持者から集まった300以上の党名案から「国民の生活が第一」を選んだ。その理由を「悩んだ結果、やはり結党の理念であり、政策のバックボーンを貫いているスローガンだ」と説明した。
新党の参加者には民主党離党の悔しさもにじむ。結党議員大会に出席した岩手県の達増拓也知事は「国民の生活が第一の思いを忘れていなければ、こんなことにはなっていなかった。残念に思う」と述べた。
消費増税法案の成立阻止を目指す小沢氏の当面の目標は倒閣だ。増税法案の参院採決や9月の代表選をめぐる野田政権の混乱を見据え、離党第2陣の誘い込みを狙う。16人以上が離党すれば、内閣不信任決議案を可決できるからだ。
小沢氏は大会のあいさつで鳩山由紀夫元首相の名前を挙げ、記者会見でも「鳩山氏をはじめ民主党内に残っている人も考え方としては同じ方向性だ」。鳩山氏も11日、記者団に「国民の暮らしを守る意気込みを果たすため頑張っていただきたい。当然、連絡は取り合う」と語った。
ただ、内閣不信任決議案を提出するには、無所属議員の協力が必要。提出しても増税法案の成立前に自公両党が同調する可能性は極めて低い。小沢氏も「民自公が組んでいる状況では、我々だけで可決できない」と難しさを認める。法案が成立した後で、民主党と自公の間に再び対決色が強まるタイミングをとらえるしかないのが実情だ。
新党にとって最大の関門は次期衆院選だ。山岡賢次代表代行は12日から、日本医師会など企業・団体へのあいさつ回りを始める。衆院の比例選出議員や来年改選を迎える参院議員を「国替え」「くら替え」させ、民自が争う選挙区に送り込む構想もある。小沢氏側近は「小沢さんは完全に選挙モードだ」と話す。
小沢氏は会見で「全国的に志を同じくする人と一緒に総選挙に向けて力を合わせたい」と述べた。「民自公」対「反増税・脱原発勢力」の図式に持ち込むことで、非民自公の勢力を結集し、政権奪取につなげるシナリオを描いている。
ただ、肝心の大阪維新の会の橋下徹大阪市長との連携は進んでいない。橋下氏は11日、記者団に小沢氏との連携について問われ、「僕らは消費(増)税単純反対じゃない」としつつ、「小沢新党が維新八策に近いようなものを出されると思うが、どこがあってどこがあわないかを分析しないとだめだ」と語った。
衆院解散時期も新党の命運を左右しそうだ。早期の衆院解散なら反増税勢力を糾合する選挙準備の時間がない。一方、解散が遠のけば増税を争点化できなくなる。2010年分の政治資金収支報告書では小沢氏の資金管理団体や関連、支援団体などが持つ繰越金の合計は14億3500万円程度。新党が受け取る政党交付金も来年4月までは入ってこない。「資金がなくなって干上がる」(若手議員)との悲鳴もあがる。
■看板政策、人材足りず
反消費増税と脱原発を二枚看板とした新党。選挙戦で「消費増税撤回法案」を公約に掲げる案も浮上しているが、看板政策が党勢拡大につながるかは未知数だ。
毎週金曜日、再稼働に反対する大勢の市民が首相官邸周辺に集まる。この抗議行動について、小沢氏は最近、周囲に「何万人も集まったんだってなあ」と漏らすようになった。小沢氏は「2030年までには原発をやめなければダメだ」とも語る。モデルはドイツのメルケル政権が10年後までに国内原発を閉鎖する方針を打ち出したことだ。11日の記者会見でも「現実にこのまま原発を推進していくのは不可能。新たなエネルギーへの転換が大事だ」と明言した。
また、小沢氏は会見で新党について「国民との約束を守る政党」と訴えた。自らを除名した民主党をマニフェストを破った政党と位置づけ、攻勢をかける狙いだ。新党に参加する若手議員は「新党の政策は、どうしても09年衆院選の民主党マニフェストと似てしまう。だから他党から『政策が民主党と同じ』と言われないよう、あえて『約束を守る』と打ち出した」と明かす。
新党は地域主権や中央集権打破といった考えも強調する。いずれも小沢氏が民主党との合併前に率いた自由党の綱領でもうたった小沢氏の基本政策だ。政策も選挙対策も国会対策も、党全体が「小沢頼み」の状況だ。かつての新生党や新進党、自由党には小沢氏の考えを政策に落とし込み、小沢氏に持ち込める側近議員がいたが、衆参あわせ当選1回生が3分の2を占める新党にはそうした人材は見当たらない。
小沢氏に近い議員の一人は「過去に党をつくったときはベテランがいたが、今は大学生と小学生の差がある」と嘆く。
http://digital.asahi.com/articles/TKY201207110823.html?ref=comkiji_txt_end
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