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7月7日(土) 内閣不信任案の提出、解散・総選挙を狙う小沢新党と自民党(五十嵐仁の転成仁語)
小沢新党の結成に向けての動きが早まっています。来週にかけて、これは具体的な形を取ることでしょう。
新党を結成する小沢一郎元民主党代表のグループは昨日、初の代議士会を開きました。国会対策の陣容も整え、衆院ではすべての常任委員会と特別委員会での理事ポストを獲得しています。
11日(水)の新党結成に向けても、党名や主要政策などを協議したようです。新党結成後、新党きづなと統一会派を組み、民主党に残る小沢系議員や新党大地・真民主との連携もめざすことになるでしょう。
4日の準備会合には衆院議員35人、参院議員12人が出席しました。ほかに2人が新党に参加するとみられていますので、新党は衆院37人、参院12人の計49人になるというのが、現時点での状況です。
他方、民主党の鳩山元首相グループに所属する米長晴信参院議員は6日、離党届を提出し、離党した議員は51人になりました。また、消費増税法案の衆院採決で造反し、党に残留した当選1回の衆院議員13人は6日、勉強会「真の一体改革を実現する一期生の会」を結成しています。
さらに、同法案の衆院採決で反対・棄権し、民主党に残った鳩山元首相ら衆院議員23人も、消費増税に反対する「消費税研究会」を発足させました。この会合は中間派の熊田篤嗣衆院議員らが呼びかけ、鳩山さんのほか、鳩山グループの松野頼久衆院議員、小沢一郎元代表グループの山田正彦元農相らも加わっています。
鳩山さんや山田さんは、参議院での採決を見届けた後、民主党を離党する構えを見せています。これらのグループに対して、党内では「次の造反、離党予備軍だ」との見方が出ているそうです。
新党を結成した場合、その「賞味期限」は2〜3ヵ月と言われています。その期間内に、総選挙に打って出るというのが、小沢さんの狙いではないでしょうか。
できるだけ早い時期での解散・総選挙の実施という点では、自民党とも思惑が一致します。しかし、自民党は事実上の民自公大連立によって消費増税法案の参議院での成立を目指していますから、それまでは小沢新党と共同歩調を取ることはありません。
小沢新党は、現状の衆議院37議席のままなら内閣不信任案を出せませんが、新党きずなの9議席、新党大地・真民主の3議席、それに小沢さんに近い亀井静香さんや田中康夫さん、民主党を離党して無所属となった議員などの協力を得れば、内閣不信任案を提出できる51人を越えますし、今後、新党への参加者も増える可能性があります。しかし、自民党など他の野党の同調が見込まれるまでは、内閣不信任案を提出しないでしょう。
自民党は、消費増税法案が採択された後、特例公債法案を人質に揺さぶりをかけるでしょうし、総選挙後の政権交代を見越して法案に賛成する可能性もあります。連用制を導入する選挙制度改革法案にも賛成して、連用制の導入を望んでいる公明党に恩を売ろうとするかもしれません。
こうなると、延長国会の後半、8月下旬から9月8日の会期末にかけて、内閣不信任案が提出される可能性が強まります。当然、小沢新党は内閣不信任案の賛成に回り、民主党内に残留している旧小沢グループや鳩山グループの何人かも反旗を翻すでしょう。
ということで、8月末から9月上旬にかけて、内閣不信任案の提出、解散・総選挙を狙い、自民党と小沢新党は攻勢に出るにちがいありません。すでに民主党の野田執行部は実質的には過半数を失っており、「反野田連合軍」が形成されれば、野田首相は確実に窮地に陥ることになります。
私は、6月3日のブログ「通常国会最終盤で急浮上してきた解散・総選挙の可能性」で、「もし、採決を強行すれば、小沢グループは反対に回るでしょう。これらの人々を除名すれば、民主党は衆院での多数を失います。野党はいつでも内閣を打倒できる力を獲得するわけです。除名された小沢グループは新党結成を模索し、政局は解散・総選挙含みで緊迫するちがいありません」と書きました。まだ、「民主党は衆院での多数を失」ったわけではありませんが、総選挙の可能性が次第に大きなものになっていることだけは確かなように思われます。
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