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先日、羽田国土交通大臣が整備新幹線の着工を許可しました。「コンクリートから人へ」が民主党のモットーだったはずなのに、「人からコンクリート」の旧来の自民党政治へ逆行しています。これも、3党密室謀議の結果なのでしょう。
毎日新聞は、6月29日付でこう報じています。
(http://mainichi.jp/select/news/20120629k0000e010197000c.html)
整備新幹線:3区間着工を正式認可 羽田国交相
羽田雄一郎国土交通相は29日、整備新幹線(北海道、北陸、九州新幹線)の未着工3区間の着工を正式に認可した。新規の着工認可は08年3月の九州新幹線・長崎ルートの武雄温泉−諫早以来で約4年ぶり。民主党政権では初となる。総事業費は計約3兆400億円を見込む。国民に負担を強いる消費増税法案が衆院を通過した直後だけに、大規模な公共事業には世論の反発も予想される。
3区間は北海道の新函館−札幌(211キロ)、北陸の金沢−敦賀(113キロ)、九州・長崎ルートの諫早−長崎(21キロ)。開業は北海道が35年度ごろ、北陸が25年度ごろ、九州が22年度初めごろを見込む。総事業費のうち7割に当たる約2兆円は国と沿線自治体が2対1の割合で負担。残る約1兆円はJR各社が独立行政法人に支払っている新幹線の施設使用料で賄う計画だ*****
3兆円を超える事業で、消費増税法案が衆院を通過した直後の発表ですから、増税はこのためだったのかと勘繰られても致し方ありません。愚かな民自公3党と官僚は、これで景気が刺激され、諸外国の評価も上がると無邪気に信じているのでしょう。しかし高齢化と人口減に悩まされる沿線自治体が費用を負担できるかどうか疑問ですし、我国でも格差社会が進んで、拡大する低所得層にターゲットを絞った格安航空会社の就航が相次いでいます。
想定したほど事業収入が得られるとは思えません。結局、単なるバラマキで、受注した事業者と政官が肥え太るだけでしょう。バラマキが始まったのは、今回衆院を通過した「社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法等の一部を改正する等の法律案」附則第18条2項として、次の一文が付け加えられたからです。
2 税制の抜本的な改革の実施等により、財政による機動的対応が可能となる中で、我が国経済の需要と供給の状況、消費税率の引上げによる経済への影響等を踏まえ、成長戦略並びに事前防災及び減災等に資する分野に資金を重点的に配分することなど、我が国経済の成長等に向けた施策を検討する。。。。。。。
消費税を倍増したら当然景気が悪化してしまうので、それを食い止めるべく経済成長させる必要があり、自公が法案の中に押し込んだのです。消費税導入時や、3%から5%への税率アップの際には、自民党は減税とセットにして経済への打撃を吸収しようとしましたが(それでも税収の落ち込みや景気の悪化は避けられませんでした)、民主党案にはそれがないので自公が見かねたのでしょう。
この附則18条2項は、自民党の「国土強靭化基本法案」成立を前提としています。これは、全国的に10年間で200兆円インフラに集中投資するという大規模なものです。毎日新聞は、6月1日付でこう報じています。
(http://mainichi.jp/select/news/20120602k0000m010080000c.html)
自民党:「国土強靱化基本法案」を決定 バラマキ批判も
自民党は1日の総務会で、東日本大震災を踏まえ、災害に強い国土づくりを進める「国土強靱(きょうじん)化基本法案」を決定した。4日に国会に提出する。全国的にインフラ整備などを進める内容で、10年間で総額200兆円の集中投資を想定している。巨額の公共投資計画に、党内からは「財政規律を無視し、時代錯誤だ」(自民党中堅議員)とバラマキ批判が出ている。
法案は、党の国土強靱化総合調査会(会長・二階俊博元経済産業相)がまとめた。自民党は、同法案を次期衆院選の政権公約の柱の一つに据える。公共投資による需要創出でデフレ脱却を図るとして、年間20兆円を投資。20兆円のうち通常の公共事業関係予算を除けば、国土強靱化関連の予算は年間5兆円程度だが、財源は国債発行が中心となる。執行部では、実現に向け、15年度に国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス)の赤字を半減させる目標を先送りする意見も上がる。
党内からは批判が続出している。政権公約について議論した5月31日の党の政調全体会議では、「財政再建には歳出削減が必要だ。自民党は公共事業に偏っていると思われる」「200兆円という数字が独り歩きする」などの異論が出た。谷垣禎一総裁は1日の記者会見で「自民党はまた土建国家をつくるつもりなのかという批判もないわけではない」と認めた上で、「財政赤字の主要な原因は公共事業ではなく、社会保障だ」と理解を求めた。
一方、公明党も防災力強化のため、道路の老朽化対策などに10年間で100兆円を投じる「防災・減災ニューディール」を次期衆院選公約に盛り込む。しかし自民党と同様の巨額の大型公共事業構想であることに、党内では「自民党は二階氏ら道路族が主導しており、一緒に『バラマキ』批判を受けかねない」(中堅議員)との懸念が出ている。【中井正裕】
谷垣総裁は、財政赤字の主な原因は社会保障だとしながら、社会保障の立て直しには冷淡です。それでいて、公共事業の拡大に熱心ですから、消費増税はそのための財源として捉えられているのでしょう。税率が10%に引き上げられれば、税収は2.5兆円増えるとされていますから、国土強靱化予算の半分を賄うことができます。
好意的に考えれば、公共投資による景気刺激策でデフレから脱却できれば税収も増え、社会保障も充実するということかも知れませんが、世界経済が悪化している現状を見る限り、そんなに都合よく事が運ぶとは思えません。結局、バラマキのための増税ということになってしまう確率が高いのです。
自民党はこれまで、公共事業中心のバラマキ政治を行って来ましたから、その延長でしか政策を立案できないのです。政権交代したのは、この旧来の自民党政治から決別するためですから、民主党が3党合意で自公の要求を受け入れたのは国民に対する背信行為であり、直ちに政権の座から降りるべきです。
玄葉外務大臣が言うような「謝罪して責任ある改革政党として脱皮する(=自民党政治に回帰する)」などという都合のよい言い訳は通用しません。バラマキ政治をするなら自民党の方が年季があって上手ですから、素人集団の民主党の出る幕はありません。公共事業によって経済が活性化するプラスの側面もありますから、自民党の手法も一概に否定できません。
しかし、それが一因となって財政が極度に悪化し、民主党は利権政治の打破を謳って政権を奪取したわけですから、間違っても旧来の手法を採り入れてはなりません。3党で密室談合するなど以ての外です。選挙が近いということで、民自公の売国勢力はバラマキで有権者を取り込もうとしています。小沢氏は、こうした利権構造を打破すべく新党を立ち上げようとしています。手遅れにならない内に、国民全体のためになる政治体制を構築すべきです。
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