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ひさしぶりのダブルエントリーです。
メディア報道の内容劣化が指摘されて久しいわけですが3日付けの朝日新聞の名物コラム天声人語の内容が残念なことになっております。
天声人語2012年7月3日(火)付
http://www.asahi.com/paper/column.html
今回はこの朝日新聞名物コラムを取り上げます。
コラムは冒頭で昔縁日の夜店などで売られていた「カラーひよこ」について取り上げます。
子どもの頃、お祭りの露店で「カラーひよこ」を買ったことがある。面白うてやがて悲しきというか、愛玩用の幼鳥は毒々しい赤や緑に着色され、思い返せば哀れな姿だった。〈染められてなお売れ残るひよこたち〉古俣麻子
で、ここから小沢チルドレンやガールスと呼ばれている議員達を見ると〈染められてなお売れ残るひよこたち〉という川柳がよぎるとしています。
▼チルドレン、ガールズと十把一絡(じっぱひとから)げに呼ばれる国会議員の行く末を思うたび、この川柳が胸をよぎる。実力者の色に染まってバッジをつけたはいいが、「数こそ力」の駒に使われ、先々の保証はない
そして「子飼いのひよこたち」は身の処し方までを、親分に委ねたと指摘します。
▼子飼いのひよこたちを引き連れて、民主党の小沢元代表が離党する。衆参50人ほどで新党だという。離党届を小沢氏に預けていた議員は、身の処し方までを、有権者ではなく親分に委ねたことになる
このひよこたちは民主党では再選がおぼつかないから出て行ったのだろうと推測します。
▼離党者に多い当選1回組は、世論が雪崩を打った「政権交代バブル」で永田町に職を得た。失礼ながら大半は、バブル崩壊の民主党では再選がおぼつかない。ここは選挙上手に身を任せ、反増税、なんなら脱原発も掲げて生き残る策だろう
朝日歌壇の別の一首を紹介し、政治家も他力で飾らぬ無着色の潔さを持ちたいとします。
▼朝日歌壇に、先の句と対照をなす一首がある。〈自らの色で濃くなる苺(いちご)ジャム私は私であり続けよう〉大堂洋子。煮詰まるほどに紅(くれない)を深めるジャムには、他力で飾らぬ無着色の潔さがある。政治家もかくありたい
結びは集団離党の次のステップは自分で決めるべきとし、「余計な色を落として出直すもよし」「国政の経験を生かして転職するもよし」と結んでいます。
▼激動の世で問われるのは「自らの色」だ。着色に甘んじ、独り立ちしないチルドレンは消えてゆく。ひよこじゃないとお怒(いか)りの皆様、集団離党の次のステップは自分で決めませんか。余計な色を落として出直すもよし、国政の経験を生かして転職するもよし。
「余計な色を落として出直すもよし」すなわち小沢グループから離れろと。
「国政の経験を生かして転職するもよし」すなわち国会議員辞めろと。
全編を通して小沢Gの新人議員たちを縁日の「カラーひよこ」に例えて完全に小馬鹿にしているわけですが、筋の悪い論評で読んでいて実に不愉快になります。
新人議員とはいえ選挙で選ばれた選良たちを「カラーひよこ」に例える下品さ、グループから離れろとか議員を辞めろと受け取られかねない傲慢な結びの言葉。
1面のコラムで自国の国会議員をここまで上から目線で蔑むほど朝日新聞は偉いというのか?
政治を政策で批判するのならともかく、このような筋の悪い揶揄でコケにして転職まで勧める品の無さにあきれてしまいます。
小沢Gを擁護するつもりはまったくありませんが、この朝日コラムの慇懃で高飛車な姿勢には辟易してしまいます。
いつから朝日新聞の天声人語はここまで品を落としたのか。
この国の政治不信の一因には、気に入らない議員を意味なく馬鹿にするこのようなマスメディアの劣化にあると思います。
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