http://www.asyura2.com/12/senkyo132/msg/448.html
Tweet |
http://tamurah.iza.ne.jp/blog/entry/2741267/
少なからずの読者から、 小沢一郎氏の「造反」についての拙論の意見を求められています。以下、つづってみます。
小沢氏らの増税反対、造反・離党は当然だと思います。
問題は、小沢新党なるものが、しっかりとした理念と体系立った政策を打ち出せるか、です。
「国民生活が第一」という、どの政党でも口に出せそうなスローガンを民主党のコピーそのまま持ってきても、それは単なる民主党の一分派の域を出ません。
そもそもの小沢氏の問題は、夫人による告発というよりも、政治理念よりも数を重視、カネを集めては配分する政治手法に走ってきた小沢モデルそのものにあります。小沢モデルは自民、民主をはじめ、多かれ少なかれ既成政党の大半に共通するもので、旧来型政党モデルでもあります。理念や理念を実行する政治主導プログラムを持たないから、政策の実権を握る財務官僚に支配されてしまうのです。3党が消費増税で結束したのは、同じ財務官僚依存の体質を持っているからであり、民主党の消費増税反対グループが少数派にとどまったのは財務官僚から独立した政策立案能力を養うだけの理念と決意がないからです。
小沢氏の特徴は、政治的動物としてのカンのよさです。彼は、本来2大政党論を唱え、小選挙区制導入を実現し、自民党に対する民主党を結成し、政権奪取に成功したのですが、理念とそれを担保する実行プログラムには関心を持たず、数とカネこそが権力の源泉だというオールド・ポリティクスに終始したのです。
鳩山氏以降、民主党政権は「国民の生活第一」という無内容なスローガンと、思いつきの政策を寄せ集めたのですが、官僚にそっぽを向かれ、増税なしのマニフェストを忘れ去り(しょせんはその程度の軽さだったのでしょう)、結局官僚の言うままの野田佳彦氏が政権を運営するはめになったのです。マニフェスト忘却の野田政権に正当性はないのは当然ですが、もっと重要な裏切り行為は政治の本道を踏み外す増税主義にあります。
デフレ下の消費増税は最悪の結果を日本の経済社会にもたらし、屋台骨の中間層や勤労者層を破壊すると思います。そんな重大な行く末を無視し、かつ不公正・不公平な社会保障制度抜本改革を棚上げし増税合意した3党に果たして日本の政治と政策を担う正当性があるかどうか、疑問を持たざるをえません。
税収と所得が急速に減り続ける日本型デフレを直すための総合的な経済戦略をまず立て、必要な財政・金融政策を総動員する。そのためには、強力なリーダーが必要です。少なくても今の民主、自民中心の既成政党からはそんなリーダーは望めそうにありません。
「壊し屋」小沢氏に役割があるとすれば、理念主導型の政治への転換であり、新党をその起爆剤にする、そこにそれこそ政治生命をかけられるかどうか、です。そうならば、離党者が40人であろうと、30人であろうと、数は問題ではありません。明確な理念と実行プログラムを打ち出してこそ、数がついてくるはずです。
単に消費増税に反対した者の離党者集団なら新政党結成の意味はこの日本という国家と国民にはありません。政局好きなメディアと評論家を喜ばせるだけでありましょう。その結果は不毛で、総選挙したところで、前と同じ政治・政策パターンが繰り返され、虚無主義的な財務官僚主導で日本列島は増税で自爆し、沈むでしょう。(田村秀男)
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
▲このページのTOPへ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK132掲示板
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。