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6月 29日の静かなるデモは、最も日本人らしい政治行動
関西電力大飯原発3号機の再稼動に反対する数万人の市民が29日、東京の首相官邸周辺でデモののろしを上げた。昨年3月の事故以来、反原発デモとしては最大規模となった。集まった人数は推定10万人を超えると言われているが、昨夜聞いたラジオ放送では20万人を数えたという情報もあった。この静かなる反抗の意志は、静かなままで、継続的に拡大的に発展していくことが最も望ましい。
パロディスト、マッド・アマノ氏の著書「原発のカラクリ」を読んでもはっきりと感じるが、原子力発電は人類の夢のエネルギーどころか、国際原子力マフィアの黒い権力と利権を維持するために、世界中に広められた負のエネルギープラントである。起電力という、非常に限定された用途のために、長い半減期を持つ放射性物質を使用することは、一たび事故を起こせば周囲環境に対しほぼ半永久的に害悪をもたらすばかりか、海水や大気を通じて、全地球的(グローバル)に汚染をもたらす。
この悪夢が現実になったことを、一年3か月前に、福島第一原発の事故で思い知らされたはずであるが、政府も東電も事故に真摯に取り組もうとしないばかりか、事故の実態を公知せず、責任逃ればかりしている。何の有効な手立ても打たず、福島の凶悪な現場は、いまだに予断を許さない状況にある。特に爆圧で破壊され、4号機建屋は脆弱になっているが、その建屋中空にある使用済み燃料保管プールは、地震でいつ崩壊するか分らず、また大きな揺れが無くても、ひび割れでいつ燃料を冷却している水が抜けるか分らない状態にある。ここに収納されている燃料棒が大気中に晒された場合、人類は未踏の惨劇に遭遇する可能性が高い。
この状態で、事故原因の検証もされず、システムの安全性に重大な疑問をはらんだまま原発プラントの再稼働を行うことは狂気の沙汰である。神州の泉は、若いころプラント配管の設計を少しかじったことがあるが、どのような素材を使った配管でも、それが集合した構造体は、必ず振動や温度変化、材質の経年変化に対して脆弱な部分が出てくる。配管関係を知っている方々には当たり前であるが、たとえば化学反応プラントでも、原子力プラントでも、配管には、流体の流量や流速を計測するためにオリフィス・フランジという継ぎ手部分が必ずある。
オリフィス・フランジは、配管内を流れる流体の流量を正しく測定し、プロセス流量制御を決する、重要で基本的な装置となっている。このアセンブリーは、オリフィス・プレートという、その部分だけ菅内径を絞るための物、差圧取り出し口の付いたフランジ及びボルト、ナット、ガスケット等を組みあわせたものである。このオリフィス・プレートの一次側と二次側の流体圧力が分かれば、その差圧によって流体の流速が分かる。簡単に言えば、ベルヌイの定理とエネルギー保存則によって、流速が計算できるのである。流速が分かればそれと、配管インナーの口径面積との積で流量が分かる。
原発プラントでも化学反応処理プラントでも、流量を制御する必要があるから、ほとんどこの構造のオリフィス・アセンブリーを持っている。問題はこのオリフィス・アセンブリーが構造的にとても脆弱なのである。例えば、地震などにより、配管系統に強い応力が加わった場合、その力は必然的に弱い部分に向かうが、このオリフィス・アセンブリーもその一つである。差圧を図るために、オリフィス・フランジの一次側と二次側から細い導圧菅を配置するが、この接続(取り出し)部分が特に脆弱である。
配管系統には、流体をフィードバック制御するために、流体の流量、温度、濃度などの物理量を計測するセンシング端末や、信号で開閉するバルブが必ず付いているが、それらの制御素子は強い振動には弱い。原発に限らず、工業プラントには、流量を制御するために数多くのオリフィス・アセンブリーが存在していて、配管の中でも弱い部分である。しかも、オリフィス・フランジの一次側には常に渦流が巻き起こっていて、その部分の菅材質を劣化させている。だから、振動があった場合、他の部分よりも脆弱なのである。今、語ったことは原発プラント部外者の神州の泉でも、最初に考えたことである。
311以降、東電は福島原発で、地震に対して配管システムがどのような損傷を受けたのか、いっさい発表していない。それは作業員の死者数と同様に、強力な箝口令を敷かれているに違いない。全国に技術屋さんがたくさんいるわけであるから、東電は地震による配管系統の損傷経緯をはっきりと外に出すべきである。このような肝心のことを一切発表せず、「冷温停止状態」なる奇態なウソをついて国民を煙に巻き、早々と再稼働への意志を示した。世界中の人々は、原子力発電が人類コントロールの埒外にあることを嫌というほど思い知らされたはずである。
今この状態で、原発を再稼働させることは、人類的な犯罪である。話を6月29日のデモに戻すが、永田町に10万人から20万人が集合した事実は、如何に政府やマスコミが大衆を印象操作しようとも、多くの国民が原発プラントに深刻な危機感を持っていることの証明である。この静かな大衆の怒りが政治効果的に強い力となる。これからもこぞって永田町に集まっていただきたい。一過性の怒りではなく、原発再稼働を完全に断念させるまで、恒久的に静かな抗議活動を続けようではないか。
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