http://www.asyura2.com/12/senkyo132/msg/280.html
Tweet |
消費税の増税は、社会保障財源の確保や「財政危機」の緩和を目的とした必要不可欠の政策だとついさっきまで聞かされ、“いやだけど、そうなのか。しかたがないなあ”と思っていた人には、何がなんだかわからない動きかもしれない。
もっときつい言い方をすると、財政の放漫化と消費税増税の関係を結びつけないまま、“財源が足りないなら消費税の増税もしかたがないか”と思う一方で“景気は悪いし消費税も上がるんだから、対策は必要だよな”と倒錯的思考にからまっている人もいるかもしれない。
政界とメディアが「小沢政局劇場」を盛り上げている一方で、少し考えれば消費税を上げる必要なぞまったくないことがわかる“放漫財政”の動きが着々と進行しているのである。
日経新聞の記事見出しでは税収が上がったような表現になっているが、リーマン・ショック後の09年にどん底まで落ち込んだ税収が徐々に上向き、“復興事業”で税収がさらに上がっているというだけの話である。復興予算に相当する20兆円ほどの財政出動があると、消費税+所得税+法人税で4兆円前後の増収になると言われている。
何より問題は、「使い残しにあたる「剰余金」などを財源」としていることだ。
あまり語られていないことが、“放漫財政”は09年からすでに進行中なのである。
リーマン・ショックに対する09年経済対策補正予算や復興予算を除いてもなお、それまでの水準より10兆円ほど一般会計歳出は膨らんでいる。
だからこそ、一気に膨張した予算のために事業が思うように執行できず、使い残しという「剰余金」が生まれているのだ。
そして、この問題は中央政府に限ったことではなく、地方自治体ベースでも、消化しきれない予算の繰り越しが08年度以降の3年間でおよそ13兆円5千億円(1年平均で4兆5千億円)にも達している。
引用した図でわかる中央政府の未消化予算は少なくとも年平均で1.5兆円とわかるから、中央と地方を合わせると6兆円も未消化になっていることがわかる。
“財政危機”とされている日本だから、当然のことだが、その6兆円も国債の発行で購われたものだ。
違った言い方をすると、年平均10兆円も水膨れさせた一般会計予算のうち、執行できたのは4兆円しかなかったいうことだ。まさに無理強いと言える財政膨張策を採ってきたのである。
多数派の日本国民は、政治家・官僚機構・財界に、ここまでナメられている。
それが回り回って多数派国民の生活向上に資するのならことさら文句は言わないが、「消費税税率アップはグローバル企業への利益供与、国債発行増加は金融機関への利益供与」なのである。
小沢氏がトリックスターでないのなら、消費税増税法案が“上がり”になる前から、恥知らずにも進められている“放漫財政”への動きを国民に知らせ、消費税増税の不必要性をさらに明確に訴えるべきである。
わかりやすい説明になるそれこそが、国民世論を消費税増税反対により強く向かわせる有効打になるはずだ。
※ 財政問題に関する説明を次の投稿で行っています。ご参照いただければ幸いです。
「「財政危機」論のマヤカシ:消費税増税法案の“上がり”が見えた途端、民主党も自民党も、選挙対策を含む“放漫財政”へまっしぐ」
http://www.asyura2.com/12/senkyo132/msg/232.html
===============================================================================================
税収上振れ、補正予算検討 増税へ環境整備 秋から年末、復興・防災柱に[日経新聞]
政府・民主党は昨年度予算の税収の上振れ分や使い残しにあたる「剰余金」などを財源に、景気対策を柱とした今年度の補正予算案を編成する検討に入った。2014年4月に消費税率を8%に引き上げるための経済環境を整えるのが狙いで、今秋から年末にかけての編成が有力。自民、公明両党の要望も踏まえ、復興や防災関連の公共事業が柱になりそうだ。
「(増税の)判断をする14年4月の半年前の時期に、巡航速度を高める手立てが必要だ」。民主党の前原誠司政調会長は28日の記者会見でこう述べ、党内に補正予算の具体策の検討を指示した。
補正予算の焦点の一つはいつ組むかだ。財務省は消費増税の確実な実現のため「増税の是非を判断する13年秋ごろの景気を堅調にしないといけない」との立場。補正予算が早すぎれば13年秋に息切れする可能性があり、遅ければ間に合わない。
過去の例でも、リーマン・ショックへの対応策として有効だったエコカー補助金が10年9月に期限切れした後は、逆に景気の下押し要因になった。堅調だった個人消費の伸びが鈍化し、10〜12月期の実質成長率はマイナスに転落した。民主党の増税容認派でも「マイナス成長では、増税は難しい」との見方が強い。
もう一つの焦点は財源と対策の中身だ。現段階では、7月上旬に公表される11年度一般会計予算の剰余金が中心となる見通し。剰余金は震災復興経費の使い残しを合わせて2兆円程度になる見込みだが、民主党内では「剰余金だけでは足りない」(党幹部)という声もあがる。復興経費に充てる復興債を追加発行する案も浮上している。
対策の中身は防災や復興関連の公共事業が柱になる見通し。小中学校の耐震化や、緊急輸送道路の整備などが想定される。このほか産業振興策では工場の誘致を促す立地補助金や、複数の企業が立てた事業計画に沿って、設備費を補助する「グループ補助金」の拡充などが候補になりそうだ。
エコカー補助金の追加実施や住宅の購入支援策を望む声も強い。ただ増税前のかけ込み需要が発生しやすい時期に補助金を投じれば、かえって増税前後の景気の波を大きくしてしまうとの指摘もある。
UBS証券の西川昌宏チーフ財政アナリストは「カンフル剤だけでなく、資源の確保や研究投資など成長力を高める投資も必要」と指摘する。
[日経新聞6月29日朝刊P.5]
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
▲このページのTOPへ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK132掲示板
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。