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検察の巨大犯罪を握りつぶそうとする野田内閣
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2012年6月28日 植草一秀の『知られざる真実』
検察が検察の巨大犯罪を無罪放免にした。
予想された事態であるとはいえ、完全に常軌を逸している。
私たちはこの事実から、この国の、警察、検察、裁判所制度が、完全に常軌を逸しているという現実を正確に認識しておかねばならない。
そのうえで、警察・検察・裁判所による措置および決定を「相対化」する感性を備えることが不可欠である。
「相対化」するとは、「絶対化」しないということである。
警察・検察・裁判所が示す結論や判断に対して、数ある見解のなかのひとつにすぎないという程度に受け止めることが不可欠なのだ。
警察・検察・裁判所が十分に信頼できる存在であるなら、警察・検察・裁判所の判断、結論を重く受け止める必要があろう。
しかし、警察・検察・裁判所が信頼できない存在であるなら、その組織が示す判断、結論も信頼できないものということになるからだ。
とりわけ、政治的な背景を伴う場合にこの傾向は顕著になる。
オランダの政治学者カレル・ヴァン・ウォルフレン教授が著書『誰が小沢一郎を殺すのか』で詳述したcharacter assassination、すなわち人物破壊工作と呼ばれる政治謀略は、日本でも確実に実行されている。
小沢一郎氏はその最大の標的であるが、私もまた、その最重要標的にリストアップされた者の一人なのだと思われる。
権力は、警察・検察・裁判所とマスメディアを総動員して人物破壊工作を実行する。この工作によって、無実=無辜の人間の社会的生命が抹殺されるのである。
小沢氏の場合、問題にされた対象は、およそ犯罪とはかけ離れたものである。
西松事件では、二つの政治団体からの政治献金を収支報告書に事実通りに記載したにもかかわらず、検察から虚偽記載であるとの因縁を付けられた。
ヤクザの恫喝以下の行動と言わざるを得ない。
陸山会事件では、不動産移転登記が完了したのが2005年1月の事案であったために、2005年の収支報告書に記載して提出したことが、虚偽記載だとクレームを付けられた。
不動産を取得するための資金は銀行融資によったが、銀行融資を受ける際に担保として設定された定期預金の資金を小沢氏が個人的に提供したことを収支報告書に記載しなかったことが、虚偽記載だとクレームを付けられた。
いずれの問題も、事務処理上の技術的な解釈の相違によるだけのものであり、およそ犯罪とはかけ離れたものであった。
検察は、小沢氏の収賄や裏金受領などの実質的犯罪を摘発しようと、見込み捜査を繰り返し、違法と考えられる強制捜査を繰り返したが、実質的犯罪を摘発することはできなかった。
したがって、小沢氏は完全潔白なのである。
それを、上記の、いわゆる「ヤクザの因縁」以下の言いがかりをつけて、刑事事件に仕立て上げた。
日本の警察・検察・裁判所制度は前近代の状況に置かれている。
大きな問題は三つある。
第一は、警察・検察に不当に巨大な裁量権が付与されていること。
どのような裁量権であるのかと言うと、
@犯罪が存在するのに、これをもみ消す裁量権
A犯罪が存在しないのに、犯罪を捏造する裁量権
である。
政治的な背景があると、これを文字通りそのまま実行するのだから恐ろしい。
第二の問題は、基本的人権侵害が無視され、due process of law が踏みにじられていること。
憲法の規定も有名無実である。
第三の問題は、裁判所が法の番人としての役割を果たさず、政治権力の僕になってしまっていることである。
裁判官の独立性は絵に描いた餅であり、裁判官はほぼ完全に最高裁事務総局によって支配されている。
東京地検特捜部は2010年2月から9月にかけて、小沢氏不起訴とした検察決定に対して申し立てられた検察審査会における審査に対して、組織ぐるみで、小沢氏に対して起訴議決が示されるように行動した。
その行動の一環として、捜査報告書のねつ造などの犯罪行為に及んだ。
日本の国政を左右する重大犯罪が実行されたことは明白であり、当事者の検挙が不可欠である。
これを今回、検察は無罪放免とする決定を示した。
その首謀者の一人は間違いなく野田佳彦氏である。
小川敏彦前法相が指揮権を発動して、検察の犯罪を摘発しようとした際に、野田氏がこれを阻止したと見られる。
悪が栄え、正義が弾圧されるのがいまの日本の実情である。
この現状が許されるわけがない。
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