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漏洩したオバマ貿易交渉文書、大企業新権力と選挙時の約束破棄を暴露
2012年6月27日 (水) :(マスコミに載らない海外記事)
ザック・カーター
zach.carter@huffingtonpost.com
2012年6月16日
"Huffington Post"
ワシントン
水曜朝早く、オンラインで漏洩された、太平洋諸国8ヶ国とのバラク・オバマ大統領の自由貿易交渉の重要文書は、以前の約束とは矛盾して、政権が、多国籍企業に、過激な新たな政治力を与えるつもりであることを暴露している。
漏洩した文書は、政権の通商方針を以前から批判してきたシチズンズ・トレード・キャンペーンのウェブ・サイトに投稿された。新たな漏洩文書は、交渉の秘密主義を巡ってかなりの論議を引き起こしており、議員の中には、大企業幹部達が享受しているのと同じような、貿易交渉文書を見る機会が与えられていないと不満を漏らす人々もいる。
"この漏洩文書中の言語道断な代物では、アメリカの貿易担当当局者が、過去二年間の[貿易]交渉に関し、あれほど極端に隠し立てするのも当然です"パブリック・シチズンの世界貿易担当ディレクター、ロリー・ワラックは声明書で述べている。
ロン・ワイデン上院議員(民主党-オレゴン)は、法案を提出するのに、情報入手が全くできなきいことにいきり立って、更なる公表を要求した。下院監視・政府改革委員会委員長ダレル・アイサ(共和党-カリフォルニア)は、自身のウェブサイトで交渉の別文書を漏洩さえしている。他の上院議員も、オバマの首席通商交渉担当者ロン・カーク宛に、更なる公表を要求する手紙を書くことを検討している。
新たに漏洩した文書は、TPP太平洋横断戦略的経済連携協定の中でも、最も論議を呼ぶものの一つだ。文書は、国際投資を管理する規制の大規模一掃に取り組むものであり、現在国内法にある主要な保護をむしばむとして、環境保護運動活動家や、金融改革を主張する人々や、労働組合が長らく拒否してきた政策を、オバマ政権が擁護しているこを暴露している。
現在オバマ政権が主張している条約の下では、アメリカ企業は、国内法や環境、金融やその他の規制に従い続けることになる。しかし、アメリカ国内で活動している外国企業は、重要なアメリカの法や規制を、国際法廷に訴え出ることが認められるのだ。この国際法廷はアメリカの法律を覆す権力を与えられ、裁定を順守しそこねたかどで、アメリカ合州国に通商経済制裁を課することができるようになる。
条項は、2008年の大統領選挙キャンペーンに際し、オバマと民主党が発表した選挙キャンペーン時の約束と正反対だ。
"我々は、政府が、環境、食品安全や国民の健康を保護するのを押しとどめるような、アメリカの投資家に対するよりも、外国人投資家により大きな権利を与えるような、アメリカの極めて重要な公益事業の民営化を要求するような、あるいは、開発途上国の政府が、命を救う医薬品を入手しやすくするための人道的な使用許諾方針を採用するのを妨げるような、二国間通商協定は交渉しない"と選挙キャンペーン文書には書いてある。
ところが、こうした誓約のほとんどすべてが、漏洩したTPP文書によって、破られている。現在の文書で破られていない一つ、「命を救う医薬品の入手に関して」は知的所有権標準に関して以前に漏洩した文書と矛盾する。
医薬品規制に触れて、"この点については、ブッシュのほうがオバマよりましでした"と国境なき医師団の医薬品入手容易化キャンペーンのアメリカ担当者ジュディト・リウスは語っている。
ハフィントン・ポストに提供された声明の中で、アメリカ通商代表部はこうした懸念を実際より軽く扱っている。
"この政権は、強い環境保護、公衆衛生や安全法規の確保に尽力している"とアメリカ通商代表部広報担当Nkenge Harmonは語った。"我々のTPP投資提案の中には、公衆衛生、公衆の安全と環境を保護する対策を含め、合法的で、差別のない公益規制を推進する我が政府の能力を損なうようなものは、何もない。"
これまでの貿易協定によれば、イルカに危害を与えない方法で漁獲されたマグロにつけることができるアメリカのラベルと、対十代禁煙策は、通商に対する不公正な障壁だと最近裁定した国際法廷では、"合法的"やら"差別のない"といった言葉は柔軟な解釈をされる余地がある。新たな投資規則は、例えば、政府契約交渉にまで及び、いわゆる"米国品優先購入"、アメリカの製造業の為の優先策を廃絶してしまうのだ。
以前、アメリカ通商代表部は、漏洩したとされる文書の条項についてコメントすることはしないと述べている。
アメリカ通商代表部は、広範な標準は、多くの医薬品特許と知的所有権標準規則を必要とし、薬剤価格を上昇させるかねないが、アメリカは、協定が命を救う医薬品へのアクセスを決して制限しないよう、太平洋横断協定交渉に参加している諸国と協力するつもりであると主張している。
他の国際交渉で、命を救う医薬品に対する長期間の独占を大企業に認めるという、論議の的の医薬品特許を成立させようとする最近のアメリカの活動によって、この声明は、いささか偽りであることが示されている。こうした独占は薬品価格を上昇させ、それにより、とりわけ発展途上国において、医薬品の入手を妨げることになる。世界保健機関や多くの非営利の公衆衛生団体は、オバマ政権が狙っている標準に反対している。国連の二つの組織は、最近そのような規則が公衆衛生を損ないかねないという理由から、現在オバマ政権が主張している通商条件に同意せぬよう、各国政府に強く要請した。
そのような外国投資標準も、民主的に選出された指導者達が導入したアメリカ国内の優先度を妨げる可能性について、アメリカ国内で保守派の主権純粋主義者達と、進歩的な活動家達の双方による非難の的になっている。1993年、議会で可決した北米自由貿易協定や、それに続く一連の貿易協定は、それまでは主権国家だけのものであった新たな権力を大企業に与え、様々な問題を巡って、企業が国家を直接訴えることを可能にした。
現在の貿易協定文書は、アメリカの主権に挑戦を突きつける可能性があるが、アメリカに本社を持つ大企業も、まさにその同じ外国政府の法律に反対する条項を用いることで恩恵を受ける可能性もある。交渉に参加している太平洋諸国8ヶ国のうちの一国が、アメリカ企業が反対する新たな法律を可決した場合、そのアメリカ企業が、その国を直接国際法廷に訴えることが可能になる。
パブリック・シチズンは、協定の文章によれば"法廷には、'裁判官'役と、政府を訴える投資家の弁護士役"を、交替して演じる民間部門の弁護士達が配属されることになるだろうとして、こうした国際法廷の独立性に疑問を投げかけている。
6月始め、カトリック教会や環境保護活動家達による反対を理由に、エルサルバドルが、シアン化物を用いる金鉱採掘を禁止したという、同様な外国投資標準にまつわる訴訟事件を審理することに世界銀行の法廷が同意した。もし世界銀行がエルサルバドルに不利な判決を下せば、外国企業の要請を受けて、エルサルバドルの国内法を撤廃するということになりかねない。
漏洩した文書によってひき起こされた環境問題にまつわる懸念については、自然保護団体シエラクラブの労働・貿易担当ディレクター、マルグレーテ・ストランド・ラングネスは"投資条項を巡る、私達の最悪の恐れが、この漏洩文書によって確認されました... この投資条項は環境保護法や政策を強化しようという努力をひどく台無しにしてしまう。"
基本的な公衆衛生や土地利用法規は、銀行取り付け騒動や、金融危機を阻止するために使われる可能性がある資本レベルでの銀行規制と同様に、国際法廷という難題に直面させられることとなる。IMFでさえ、そのような資本規制の利用を推奨しているのに、漏洩した現行版貿易協定の下では、それが禁じられてしまう。パブリック・シチズンによれば、幾つかの国が投機的な金融バクチを国が規制するのを可能にするような例外を提案しているが、アメリカは、こうした提案に反対している。
TPP交渉は、オバマが大統領職について以来、継続している。最大のアメリカ企業ロビー活動団体、アメリカ商工会議所がこの協定を強力に支持している。2012年大統領選挙におけるオバマの競争相手、共和党のミット・ロムニーはアメリカが出来るだけ早く協定をまとめるよう促している。
記事原文のurl:http://www.huffingtonpost.com/2012/06/13/obama-trade-document-leak_n_1592593.html
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『選挙時の約束を踏みにじる』のはどじょう氏の得意技にあらず。宗主国でも。
オウム報道洪水の後、属国大政翼賛連合による悪法悪行推進が一挙に進んでいる。オウムより政府がこわい。
原発再稼働
消費税増税
ダウンロード禁止法
未亡人製造機オスプレイ配備
放射能で汚染した不沈空母での庶民生活、日々暮しにくさがつのるばかり。
TPPの問題点を分析、批判した『異常な契約?TPPの仮面を剥ぐ』(農文協)著者の一人、ニュージーランド・オークランド大のジェーン・ケルシー教授が先日来日し、講演され、この漏洩文書の話題にも当然ふれられている。翌日、早稲田大隈講堂でもTPPに関して講演された。
「メキシコ、カナダが参加表明」をだしに、早く参加希望を表明しないとまずいとあおる記事を報道してくださる大本営広報部で、この漏洩にふれる記事を拝見した記憶がない。STOP TPP!!でしっかり翻訳してくださっている。
2012年6月22日 TPP投資条項に関するリーク文書を米国パブリックシチズンが分析!
6.21 STOP TPP!! 市民アクション・ケルシー来日イベントのビデオがみられる。
日比谷図書館 6:30-9:00
以下は、ジェーン・ケルシー教授と大妻女子大学・田代洋一教授のご講演、ビデオから書き起こしたごくおおざっぱなメモ。正確な内容はビデオをご覧頂いて把握していただくように。重要な誤りなどご指摘頂ければ大変有り難い。
ジェーン・ケルシー教授講演
カナダ、メキシコ参加表明の意義
現行の交渉中での問題点
国際キャンペーン
カナダ、メキシコ参加表明の意義は、即交渉の席につくというわけではない。二国と交渉すべきか否か、90日議会で協議する。議会がどういう意見かは不明。
次回の7.2のサンディエゴ・ラウンドに、二国は参加できない。
二国は、これまでの公式文書もみられない。
ところで、カナダはなんら事前の約束はしていない。
一方、日本は事前の約束を要求されている。
カナダ、メキシコは、日本とは違う。別扱い。カナダ、メキシコは、アメリカにとって、政治的に論議を呼ぶ国ではない。
二国が交渉参加を認められても、それで自動的に日本が参加できることを意味しない。
日本にとっても、さらに3ヶ月、90日必要。
その頃までにはすでに重要な話題は皆決まってしまい、日本が影響を及ぼすことはできない。
参加を決断しても、既に日本は影響を及ばせない。
ニュージランド貿易大臣もアメリカ議員も、日本は事前にコミットしろと言っている。
なぜ二国は参加が許されるのか。と日本の国会議員に訪ねられた。
オバマ大統領は「交渉が進んでいる」といいたいので、その目玉話題だと答えた。
交渉参加者からはおおくの問題、対立が聞こえてくる。
交渉をまとめろという政治的な強い圧力によって、問題だらけの最終文章を認める危険性がある。アメリカがコントロールする。
会合の場所も、ダラスが前回。次がサンディエゴ。
議題もアメリカが設定し、論議の方向を強くコントロールする。
ロシアでのAPEC、貿易大臣の会合。工程表が持ち出された。
それまでにまとめるよう圧力がかかっている。
アメリカでは大統領選挙。選挙時期には何がおきるかわからない。
APECと大統領選挙までにできるだけ進展させないようにするのが大事。
アメリカも反対運動を認識して、力をそごうとしている。
先週投資にかかわる漏洩文書を暴露したので、ますます怒っている。
諸国に対する契約の影響の真実を政府が語っていないことがばれる。
投資に関係する漏洩文書。
オーストラリアのみ、投資訴訟に反対。
各国政府はオーストラリアを責めて、めげさせようとしている。
投資に、国家債務を含めるべきかどうか。
スペイン、ギリシャ、イタリアは、国債を返せない。買った側が、返せといえるか?
アルゼンチンでは、2000年に、国債価値を引き下げた。
投資には、国家債務を含めるべきではないというのが重要。
TPPでは、投機資金の出入りは規制しないことにしているが、保守的なIMFですら、規制は妥当だと言いだしている。
例外条項、環境、公共医療などについても適用されない。
TPPは、外国企業にとっての権利章典のようなもの。
訴訟の例三件
ローンスター対韓国:
つぶれそうな会社を買って転売してもうける企業である同社が、外為銀行を買って中国に売ろうとした。そこで、韓国が法律を作ってとめたら、同社が訴訟。
スイス企業とドイツ:
スイス企業ヴァッテンフォール社が、ドイツの原発停止による利益の減少を訴えた。
当初期待された正当なる利益がえられなくなる、と。
フィリップ・モリス対ウルグアイ、オーストラリア:
タバコの無印パッケージは、商標への投資に対する侵害だとして訴えている。
私企業が政府決定に圧力をかけられる。
企業は、政府には規制をさせない。補償を求めるというより、政府が、そういう決定をするのを恐れるようにしたいのだ。
国民の利益ではなく、企業の利益を目指すものだ。これは民主主義ではない。
知的財産権。医薬品メーカー。
ほかの国がノーといったので、アメリカは書き直しを強いられた。
ISPの犯罪扱い
図書館などの利用者にとってのコスト。
チリ、ニュージーランドは代替案を提出。
タバコの妥協的な例外措置をアメリカは提案。
農業では、アメリカは自国市場の解放を拒んでいる。
ニュージーランドは、酪農製品を解放しなければおりるといっている。
国有企業。
アメリカ提案。ベトナム、マレーシア、シンガポール、ブルネイで、優先扱いの否定。
日本郵政、銀行、保険、クーリエ
アメリカ自身の国営企業には同じ規則を適用しない。
非常に微妙な話題において交渉は難航している。
元気な時には、「決して交渉は妥結しないだろう」と思う。
TPPが「ドーハる」ために。(結局行き詰まったドーハ・ランウドを動詞化した表現)WTOのDohaラウンドのようになってしまう。
しかし、悲観的な時には、「強行するのではないか」と思えたりする。
秘密主義にもかかわらず、アメリカ、ニュージーランドでは暴露、漏洩に成功している。それが議会、マスコミの話題になっている。
政治家、省庁、企業が守勢に回らされている。
マレーシア、オーストラリアでも議論が始まっている。
アメリカが情報を隠そうとしているので、情報を得るのは非常に困難。
一部の交渉者とうまく連絡してきたが、そうした人々も、投資文書漏洩の後は、反対運動の人々と接触しているのをみられるのを恐れている。
各国別の動きがより重用。
労組、農民、教育、IT、図書館、農家、鉱山、先住民。
より保守的なセクターにも働きかけている。
弁護士。元検事。議員。100人の署名。意志決定者に影響を与えられるメンバー。
日本の弁護士があちらの弁護士の手紙を翻訳してくれた。
結論としては、勝ちつつある。
勝てる。
政治家に、国民の利益に反する行為を裏取り引きさせないようにする
確信をもち、警戒をおこたらずに。本腰を入れて、反対運動の国際連帯をしよう。
田代洋一教授講演:
植民地、治外法権。ISDSのリーク。消費税上程。原発再稼働。
やぶれかぶれTPP。
なぜ参加しようとするのか?
はじめにTPPありき。
条件反射的にとびついた。
13% 食料不足になる。最大の貿易相手は中国。
ISDSでますます空洞化する。
飛びついた原因は、経済ではなく、安保である。
東アジア共同体で、鳩山首相が逆鱗にふれた。びびった菅首相はTPPに走った。
日米同盟強化だ。軍事同盟と通商問題を混同している。
尖閣列島で、アメリカは中立を明言している。
アメリカが自国を犠牲にして日本を守ることなどありえない。
安保はアメリカの世界戦略のツールと化している。
米中対立時代に、一方だけに荷担するのは得策ではない。
軍事面でも中国に抜かれるアメリカのねらい。凋落傾向の中で戦略再編の上で中国封じ込め。防衛の肩代わりをさせること。強固な親米経済圏を創り出すこと。
知的財産権は、アメリカにとって農業より大きい。
バイラテラルでは勝手放題を言うアメリカ。
アメリカ流資本主義を環太平洋に及ぼす。
投資所得だけはアメリカが儲かっている。そこでISDSで、その儲けの阻害要因を排除する。投資家、個別企業の利益を最大限にするのがアメリカの目的。日本も加害者になりうる。アメリカと一緒に加害者になる。
日本の参加はルールをすべて決まってから。
東アジア共同体でゆくのか?
TPPと安保はリンクしている。
元記事リンク:http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2012/06/post-1e9f.html
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