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■ 保守と革新 ■
消費税増税法案が可決され、
増税への布石が打たれました。
増税を喜ぶ人は居ませんが、
日本が財政破綻するよりはマシと
ある程度の理解を示していう人も多いでしょう。
これらの人は「保守派」と言われる事も多いと思います。
若者は、往々にして「保守」をバカにします。
「古い」とか「臆病」だとか「既得権者」のレッテルを張ります。
ところが、私も家庭を構え、子供も出来ると、
やはり「保守的」になる自分を認めざるを得ません。
「社会なんて崩壊してもまた力強く再生する」と言いつつも、
「明日、経済が崩壊したら、あさってからどうやって食べて行こうか?」
という不安にも苛まれます。
「保守」とは一つの「責任」であり、
「革新政党」としての民主党も、
政権与党に座に就いたとたんに、
「保守化」しました。
「マニフェスト」は「革新政党」としての政策表明でしたが、
「マニフェスト」を守ったら財政破綻が確実になるので、
現実を選択せざるを得ないというのが今の民主党です。
■ 何の為の「消費税増税」か? ■
不景気の現在、「消費税増税」を決定する事は
経済にとってマイナスです。
これは、誰もが認識しています。
今回の増税法案は、「増税は経済の状況を見て」との
但し書きが付随していますから、
直近の増税は心配しなくて良さそうですが、
蛇の生殺しの様な状態で、駆け込み需要を生む事も無く、
消費を一時的に刺激する事も出来ません。
では何故、今、消費税増税を採決しなければならないのでしょうか?
1) 日本国債のファイナンスに不安が生じている
2) IMFはじめ海外の機関が、日本の財政赤字による不安定さを世界経済の脅威と見ている
表向きの理由はこんな所でしょう。
今回の増税はIMF始め海外の圧力に
財務省が抵抗しきれなかったと見る事が出来ます。
日本とて通貨マフィアの一翼を担っている国です。
IMFの副理事を財務官僚が務めるなど、
日本だけが、世界を無視して財政赤字の限界に挑戦する事は許されません。
ですから、形だけでも財政改善の努力は示さなけれはなりません。
■ 政治プロレスで流動性を確保する日本 ■
小沢氏を始め民主党の多くの議員が反対票を投じ、
民主党は彼らを除名するか、議員資格の一定期間停止にするか頭の痛い所です。
・・・と、新聞などは書きたてるでしょう。
しかし、政権の不安定化は日本にとって非常に有利です。
民主・自民・公明の三党協力は
選挙を前提にすると途端に結束力を失います。
小選挙区制では、同じ選挙区で競合し合う候補が沢山いるからです。
自公は増税法案さえ可決してしまえば、
後は解散総選挙で、民主党を壊滅させれば良いと考えています。
小沢派や鳩山派が民主党を離党すれば、
内閣不信任案が可決される土俵が整うので、
彼らを離党に追いやる事は得策ではありません。
★表向きをこうしておけば、いざ、消費税増税を迫られたら、政権維持が出来ないと言って
のらりくらりと逃げる事が出来ます。
今回の政治プロレスの結果、日本は上手に「政局の流動性」を確保しました。
アメリカやIMFが野田首相を非難しても、
選挙を行えば、自公民ともに大敗し、
反増税を唱える小沢新党などが躍進する可能性は否定出来ません。
自公が内閣不信任案に乗るかどうかが問題ですが、
いざ、増税となれば、国民の野田政権に対する不満が高まり、
自公ともに野田政権を支持する事が得策で無いと判断するでしょう。
■ 防戦一方の日本 ■
アメリカもヨーロッパも日本の財政破綻を心配する振りをして、
その実は、消費税によって生じる15兆円を
どうやってせしめようか、虎視眈々と狙っています。
財務省だって、そんな事は百も承知ですから、
ここは政治の混乱に期待するしかない。
防戦一方の日本ですが、
クリンチの技術だけは一流です。
■ それぞれに負わされた役どころを上手にこなす政治家達 ■
日本の政治家はなかなかに器用です。
対米従属派、親中派など自分の役どころをしっかり演じながら、
何故か、結果的には政局を安定させずに、
フリーハンドを維持しています。
マスコミも、適当に合いの手を入れながら、
国民を上手に誘導している様にも見えます。
■ 本当の勝負は、崩壊後 ■
いずれにしても、日本国債が今年以内に暴落する様な確率はかなり低いでしょう。
それよりも先に欧米の金融システムが破綻する可能性が高い。
欧米の銀行の隠し持つ負債の利払が滞れば、
金融システムは崩壊します。
FRBやECBがいつまで資金供給を続けられるのか、
そして、際限無い通貨増刷にどこまで世界が目をつぶるのか?
どこかで危機が発動して、
世界同時インフレに舵を切ると思われますが、
その後の成長戦略を早く確立した国が、
その後の世界で優位に立ち回るのでしょう。
日本はその時まで、「死んだふり」を続けるのかも知れません。(以下略)
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