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野田政権の功績
2012.06.26 Tuesday
国民に「やる」と約束したことは全くやらないで
国民に「やらない」と約束したことを政治生命をかけて推し進める。
このどこに道理があるのか、正義があるのか僕は全く理解できません。
消費税増税を掲げて戦った2010年の参議院選挙で民主党は大惨敗しています。ということは消費税増税はこの時点で明確に否定されたのではないですか?そしてその時の責任者(幹事長)が今も大臣をやっているという摩訶不思議。
「国民の生活が第一」どころか「国民の生活を破壊」していく野田政権。消費税増税だけではありません。子ども手当は廃止された上に扶養控除もなくなりました。子育て世代は「社会で子どもを育てる」という理念に共鳴して民主党に投票したのに、いつの間にか「個人の責任で子どもを育てる」となり、負担ばかりが増えました。
その一方で、八ツ場ダムは工事再開、公務員の天下りは温存、議員特権は温存、定数削減は見送り、さらに原発再稼働…。
全く国民の方を向いていません。国民の顔色は全くうかがわず、ただただ官僚の顔色をうかがっているように見えます。なぜ、これで政権運営ができるのでしょうか。それは図らずも日本の権力構造の実態を明らかにしてくれました。つまり国民の方を向かなくても官僚の顔色をうかがっていれば政権運営ができるということです。
かつて鳩山政権というものがありました。この政権は最初、少なくとも国民の顔色をうかがっていたようにみえました。ところがあっという間に政権が崩壊します。それは官僚の顔色をうかがっていなかったからではないかと僕は推測します。
この野田政権というのは、最初から徹頭徹尾、国民を気にしていません。国民に納得いく説明をするなんて気はさらさらありません。官僚の方しか向いていないと感じます。
つまり日本は官僚の顔色さえうかがっていれば政権運営ができるのです。
それは政権運営しているのが官僚だから官僚に逆らわなければいいのです。実質的な権力は官僚が持っている。官僚に口出しする政治家は排除される。政治家に求められているのは「バカ殿」ぶりなのでしょう。選挙で選ばれた政治家というのはお飾りに過ぎないということを明らかにしてくれました。
つまり選挙を通じた民意は箸にもかけられないということであり、日本には民主主義は存在せず、あるのは官主主義だということを今回の野田政権は教えてくれたのです。
政治家は官僚の手のひらの上で踊りを踊ったりキスされたりしていいように弄ばれているだけです。自公政権は官僚そのものだと思っていましたが、野田政権は官僚の妾でした。少なくとも僕はそう感じます。
マニュフェストはただの言葉の遊びだということも今回野田政権に教えていただきましたが、選挙で選ぶ基準を消滅させたという点でも野田政権の功績は大きいと思います。
つまり、誰がやっても、どんな約束があろうとも、「官僚の生活が第一」なので、僕らは何をしても誰を選んでも「無駄」という真実を教えてくれました。この国の国会には「絶望」しかありません。しかし「絶望」しかないということを教えてくれたことが大きな一歩です。これまでは僕は「希望」があるものだと思っていたので期待してしまっていました。しかし選挙というものはセレモニーに過ぎないと教えていただきました。選挙という唯一の国民が権力を行使する機会が形骸化してしまって何の効力もないことが分かった今、他の方法を考えないといけないということがわかりました。信頼や信用という言葉を地に落としてくださいました。そういう意味では国会の権威に終止符を打ってくださった素晴らしい政権だったのかもしれません。
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