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6月24日(日) 消費増税3党合意をめぐる民主党の混乱をどう見るか
いよいよ、民主党野田執行部、小沢グループ、自民党の「政界三国志」が佳境に入ってきたようです。6月26日に予定されている消費増税関連法案の採決を前に、民主党の動きが風雲急を告げ、小沢グループが造反して離党するのではないか、離党すれば何人が同調するのかが注目されています。
民主党は、明日、臨時代議士会を開いて、党内の結束を固めるとしています。野田首相と輿石幹事長が出席して採決への協力を求め、造反の動きを止めようというわけです。
これが功を奏するかどうかは分かりません。少なくとも、野田さんは厳しい批判と追及の声にさらされるでしょう。
ガス抜きになるのか、さらにガスを充満させてしまうのか。これまでの会合と同様に、おそらく、混乱のうちに幕引きとなることでしょう。
野田首相は、採決で反対した議員に対しては、除名など厳しい処分で臨むとしています。しかし、これは造反への動きを抑えるための脅しの意味もありますから、実際にそのような処分を行うかどうかは分かりません。
小沢さんは、消費増税関連法案に反対票を投じた後、50人以上をひきつれて離党し、新党を結成する準備を始めたそうです。しかし、これも執行部の処分を牽制する意味がありますから、実際にそのような行動をとるかどうかは分かりません。
ここでも、カギを握っているのは輿石幹事長と中間派とされるグループの動きです。党の分裂を避けることを至上命題に、厳しい処分を避けて分裂の動きを防ごうとするでしょう。
いずれにしても、小沢グループが消費増税関連法案に反対票を投ずることは確実であり、いずれ民主党を飛び出すことになると思います。小沢さんは、そのための最も効果的なタイミングを図っているように見えます。
このような小沢グループの動きに対して、覚悟の上での造反なのかと問う人がいます。しかし、民主党内で消費増税に反対する以上に覚悟が必要なのは、賛成票を投ずる方の議員ではないでしょうか。
総選挙は近いと見られており、各議員の対応や行動は有権者の重要な判断材料になるからです。選挙に当たって、どうしてマニフェストに反する消費増税に賛成したのかと有権者から問われた場合、賛成した議員はどのように弁明するのでしょうか。
消費増税だけではありません。おそらく小沢新党は原発の再稼働やTPPへの反対も争点として掲げるでしょう。
これらの問題についても、「大義の旗」は小沢さんの側にあります。野田さんのマニフェスト違反や民意に反する原発再稼働などによって、「ダーティー小沢」は「大義の旗」を押し付けられたような形になったからです。
小沢さんは、気がついたら「正義の味方」の役回りを演ずることになりました。選挙に向けても「大義の旗」を降り、野田さんに対抗する戦略を採り続けるでしょう。
この場合、どちらに分があるかは明らかではないでしょうか。消費増税に賛成した民主党の候補者は、野田政権という沈みつつある「泥船」に乗って一緒に沈んでいくことになるでしょう。
そのための覚悟があるのでしょうか。それが問われるのが、明後日の採決というわけです。
議員は国民の代表ですから、「説明できる行動」が求められます。「釈明しなければならない行動」をとれば、次の選挙で痛い目に遭うことは確実です。
今ほど、民意を見定めた行動が求められるときはありません。くれぐれも、「一体改革」によって「政治改革」「構造改革」の失敗を繰り返さないようにしてもらいたいものです。
「二度あることは三度ある」ということになるのか、それとも「三度目の正直」ということになるのか。国民の一人として、私も事態の推移を注視したいと思います。
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