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消費税増税間連法案の国会での採決は、週明け26日になるらしい。当初予定の21日を26日に延期したのは、自公両党は他の野党への説明のためと言うが、それよりは民主党執行部が、態度未定の中間派議員を説得する時間が必要だからだろう。マスコミは、造反議員は小沢グループ30人程度と言っていたのが、小沢氏が21日に反対を明言した途端、54人になるかどうかが焦点だと言いだした。
マスコミは、消費税増税に国民をミスリードしているが、それだけではなく、造反議員の数を小さく報道することで、民主党の国会議員までも、ミスリードしようと企んだということだ。それだけ民主党内には、増税反対の議員が多いということである。テレビニュースで、中間派と言われる議員の説得に足を運ぶ増税派議員の姿を追っていたが、個別に説得しなければならないほど追いつめられているのだろう。
一方小沢氏は、自分は法案の採決に反対すると明言したが、小沢グループの議員に対しては、政治家として自分の政治信念に従って投票するように、と言うだけである。それでいて、既に50名近くの衆院議員が反対票を投じることを表明している。この議員たちは政治信念が確りしているし、非常に賢明な選択をしたと思う。なぜなら、彼らには次の選挙での展望が開けるが、賛成する議員たちには次はないのである。
マスコミは、増税に反対するなら離党しろと言い、造反議員を処分しろと言う。ここでもマスコミは国民をミスリードしている。国民との約束を破る者こそ、離党すべきなのである。また、マスコミは3党での修正合意がなったのだから、採決をいたずらに延ばすのは、政党間の信義にもかかわると言う。つまり、国民との約束は破ってもいいが、3党だけの密室での談合は信義だと言うのだから、全く呆れた話である。
マスコミが国民をミスリードことと同じくらい許せないが、3年前の総選挙で「マニフェスト選挙」を謳った北川正恭教授など、「新しい日本をつくる国民会議」のメンバーたちである。彼らの中から誰一人として、野田内閣はマニフェスト違反だと言って批判をする者が現れない。もちろん、マニフェストを守れという小沢氏を支持する者もいない。いったいどういうことだ。不思議な話ではないか?
だが、不思議でもなんでもない。北川氏など4人の共同代表こそ、大学教授3名と企業経営者1名となっているが、顧問会議には、議長の元日本経団連会長奥田碩氏以下大手企業経営者の名がずらりと並ぶ。100人を超える運営委員には、これも大手企経営者、大手新聞社・テレビ局の論説委員・政治部長、大手労働組合幹部などの名が並ぶ。つまり既得権益者(=消費増税賛成派)による“似非国民会議”なのである。
ここまで書いて、気がついた。3年前の総選挙を「マニフェスト選挙」にしたのは、消費税増税を隠す目くらましであったのだ。自民党がマニフェストに消費税率10%と書いたが、消費税増税が総選挙の争点にはならなかった。そこがマニフェスト選挙の狙いであったのだ。だが国民が政権交代を選択したことによりその策略が狂った。誰もマニフェストの「マ」も言わない理由がこれで明らかである。
この似非国民会議に大手マスコミの論説委員・編集局長・政治部長などが、ずらりと名を連ねていたということは、マスコミは3年前の総選挙以前から、消費税増税を目論んでいたということになる。だから、鳩山内閣の組閣直後から、読売・産経などが「マニフェストを破れ」的な論陣を張ったのも頷ける。そして、今では各社ともマニフェストなど知らぬ顔をして、消費税増税キャンペーンに精を出している。
今では国民の8割以上が「社会保障と税との一体改革」ではなく、増税先行の法案だと知っている。そして国民の6割以上が増税に反対だ。マスコミはこの国民の声は永田町に届けようともしない。その証左が世論調査だ。2年前は「政治とカネ」を題材に、大手新聞社とテレビキー局が交代で、毎週のよう世論調査を実施した。だが、こと消費税増税問題に関しての世論調査は、全くと言っていいほど実施しなくなった。
野田首相が「政治生命を懸ける」と言っても、国民のために命を懸ける訳ではない。民主党の議員は、そこを間違えるな。野田首相の政治生命と国民の生活とどちらが重要であるか。首相を取り替えることは出来るが、国民の命を奪うことは許されない。マスコミにミスリードされることなく、26日の採決に臨むことだ。国民は誰と誰が増税に賛成し、また、反対するかを凝視する。そして必ず次の選挙で答えを出す。
http://www.olivenews.net/news_40/newsdisp.php?m=0&i=12
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