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新党結成に向けて本格的に動き出した小沢氏。執行部の切り崩しを乗り越えて「数の力」を見せつけることができるか =21日午後、衆院第1議員会館
民主“血みどろ抗争”で崩壊寸前!離党は54人突破の勢い
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20120622/plt1206221811005-n1.htm
2012.06.22 夕刊フジ
民主党の小沢一郎元代表が、26日にも衆院で行われる社会保障と税の一体改革関連法案採決での反対を表明し、新党結成に向けて大きく動き出した。21日には都内のホテルに衆院議員49人が集まり、離党・新党結成に向けた“血判状”を作成。現時点で、会合に欠席した小沢グループ議員や中間派を合わせると、党を飛び出す議員は54人を突破する勢いで、与党が衆院で過半数割れに追い込まれる公算が大きい。ただ、小沢グループ内にも温度差があり、執行部側は壮絶な切り崩し工作を進めている。週明けに向けて、血みどろの抗争が繰り広げられる。
「一緒に頑張っていこう」
小沢氏は22日午前、議員会館の事務所にこもり、側近議員にこう語った。情勢分析や議員の説得を行ったもようで、午後にはグループの会合を開き、結束を確認する。
小沢氏が新党に言及した21日夕の会合には、小沢氏を含め49人が集まった。このうち45人は確実に造反する見通しだ。小沢氏は会合後、別室に1人ずつ呼び出し、用意してきた日付空欄の離党届に署名させ、母印を押させた。まさに“血判状”だ。
小沢氏周辺は「早ければ7月にも新党結成だ」と息巻いた。採決で反対票を投じるだけでなく、処分を待たずに離党届を出すこともありうる。
「小沢新党」に展望はあるのか。小沢氏に近い民主党関係者はこう語った。
「衆院議員54人以上が反対して民主党を出れば、与党が衆院で過半数(239議席)割れする。51人以上が集まれば内閣不信任案の提出ができる。他の野党と合わせて内閣不信任案が通る可能性もあるし、増税法案以外は衆院すら通過しなくなる。衆院選になっても、脱原発と反消費税増税を訴えれば勝てる」
小沢氏にとって追い風なのは、中間派にも法案に反対する機運があることだ。最近は小沢氏と距離を置く福田衣里子衆院議員も、民放テレビで「私たちは社会保障に命をかけてきた。賛成しづらい」と語っている。野田佳彦首相が進める原発再稼働に反対する議員もいれば、「小沢新党には入りたくないが、大阪維新の会か石原新党にいきたい。みんなの党でもいい」と民主党に見切りを付けた若手もいる。これを受け、小沢グループ議員は「中間派からも10人はこぼれる。すでにK点超えだ」と自信満々だ。
小沢氏に近い参院議員約10人も21日夜、都内のホテルに集まった。参院側の離党者が19人に達すれば、民主党は自民党に次ぐ第2党に転落する。
ただ、「鉄の結束」のように見える小沢グループ内にも温度差があると関係者はいう。
「1軍と2軍というべきか…。1軍は小沢氏に心酔している面々で、東祥三衆院議員や森裕子参院議員など、テレビで強硬な民主党批判を連発している。2軍は選挙区事情などで小沢氏に従わざるを得ない議員だ。内心は不安を感じている」
消費税政局の当初、小沢氏は「野党との修正協議はまとまらない」「野田首相は内閣総辞職に追い込まれる」と読んでいた。ところが、週刊文春が先週、「(東日本大震災の後、小沢氏は)放射能を怖がり(被災地から)逃げていた」という和子夫人のものとされる手紙を公開した前後から、風向きが変わった。
民主党関係者は「陸山会裁判の控訴審に加え、(文春報道は)政治家として致命的なスキャンダルだ。永田町では『小沢は終わった』という見方が広まった」と語る。
この間隙を縫って、民主、自民、公明3党は増税法案などの修正で正式合意した。「中間派」も雪崩を打って賛成に回り、小沢グループは孤立した。“2軍”議員は「ショックだった。気付いたら周囲は共産党と社民党だけ。幹部ら(=1軍議員)のやり方が下手すぎるから離党に追い込まれる」と不安をもらす。そして、この迷いにつけ込むかのように、執行部は壮絶な切り崩しを始めている。
岡田克也副総理は21日、小沢氏に近い鳩山由紀夫元首相と会談し、「党の創業者なんですから」と説得した。鳩山氏は法案への賛成は明言しなかったが、記者団には「すぐに新党に同調することはない」と述べた。鳩山氏の資金力をアテにしている小沢氏側としては不安要素だ。
18日には、有力支持団体である連合から、3党合意に賛成を促すようなファクスが届いた。ほかにも迷っている議員に閣僚級が説得に当たったり、「公明党と選挙協力が得られる」「採決で反対したら除名だけど、欠席なら厳重注意か党員資格停止で済む」「資金面で優遇する」「小沢新党はのたれ死にだ」「比例単独議員は小沢系が離党して空いた選挙区から出馬させる」など、アメとムチを駆使している。
21日には与野党の議員会館事務所に、文春が報じた“離縁状”とみられる手紙のコピーが、差出人不明の封書で届いた。
政治評論家の浅川博忠氏は「小沢氏は刑事被告人であり、文春の記事を引きずり、増税反対の対案も明確ではない。このマイナスの3点セットが痛い。民主党執行部が採決を来週に先延ばししたのは、支持団体とともに切り崩し工作を進めるためだろう。小沢氏らに口説かれた議員も冷静になれば、『これは政策なくして政局だ』と気づく。1日に3、4人は脱落するのでは。最終的に54人の確保は難しいだろう」と予測する。
仁義なき戦いに勝つのは、どちらの陣営か。
◇
小沢元代表:「妻の手紙」出回る 民主議員らに大量郵送
http://mainichi.jp/select/news/20120623k0000m010059000c.html
毎日新聞 2012年06月22日 21時08分(最終更新 06月22日 21時15分)
東京・永田町にある衆参両院議員の議員会館事務所に、民主党の小沢一郎元代表の妻和子さんが書いたとされる手紙のコピーが大量に郵送されていることが分かった。この手紙は14日発売の「週刊文春」が掲載。東京電力福島第1原発事故で「小沢は放射能が怖くて逃げ出した」などとの記述がある。
文書が届いたのは、民主党のほとんどの衆院議員と、一部の参院議員。野党議員の一部にも届いた。受け取った議員事務所によると、11枚の便箋のコピーだけが白い封筒に入っていた。差出人の名前はなく、消印は20日で、東京都内の「本所」「浅草」「神田」など。消費増税法案の衆院本会議での採決は26日に先送りされたが、20日は当初の採決日が迫っていた時期だった。
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