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小沢グループが新党結成を射程においた離党の動きを始めているようである。
この動きが主流派(執行部)に対する政治的オドシで、消費税増税法案採決への最後の抵抗運動だというのなら文句なしである。しかし、本気で離党をめざした動きならば疑念を覚える。
小沢Gが本気で離党するということを前提に、タイトルに掲げた問いの結論を先に述べると、ここ数ヶ月で解散総選挙に持ち込めなければ、小沢Gは衰退に向かう。まずは離党段階で衰退が起き、もっとも大きな衰退機会は次の総選挙である。
政局関連は避けたいと思いながらこのような投稿をするのは、小沢Gは党を割ってでも反対に徹するべきだとか、解散があれば増税反対の国民の支持を受けて増税反対派が勝利するという見方がけっこう流布されていることに危惧を抱くからである。
さらに、主要メディアが、小沢Gの離党者数をカウントして、内閣不信任案が可決される可能性を報じていることにも胡散臭さを感じているからである。
これまでも投稿してきたように、消費税増税に踏み切りたいのなら、内閣不信任案を可決したのちに衆議院を解散し、消費税増税と社会保障制度変更の一体的ビジョンを示した勢力が総選挙で勝利するという政治過程を経なければならないと考えている。
まず、野田首相と谷垣総裁のあいだで解散・総選挙の密約があるかのような報道もあるが、まったくのガセである。
そのようなガセを流す目的は、自民党内の早期政権復帰渇望派への懐柔策という面もあるが、消費税増税に反対し民主党を割ることも辞さない構えを見せている小沢Gへの挑発でもある。
前にも書いたが、次回の総選挙は、社会保障関連の法案が成立すると思われる来年7月以降、任期切れの9月以前のあいだに行われると推測する。
7月に参議院通常選挙があることと公明党の存在を考えると、任期切れの来年9月に近い時期になる可能性が高いと思うが、来年から始まるであろう“バラマキ政策”の審議を見せるなかで、世論の風が消費税増税派支持に向かえば、7月に衆参ダブル選挙が行われる可能性もある。
主要メディアは小沢Gの離党と内閣不信任案の可決を結びつけているが、三党合意を経た自民党と公明党が、小沢Gの意向を汲むかたちで内閣不信任案に乗っかることなぞないことは過ぎるほど自明であろう。
自民党と公明党が内閣不信任案を提出するのは、消費税増税法案の採決を民主党主流派が見送ったときである。小沢Gが解散総選挙を望むのなら、そのチャンスに賭けるしかない。しかし、そのようなチャンスが訪れないことも自明である。
さらに、消費税増税法案が否決される可能性もない。小沢Gなどが100人規模で反対票を投じても、自民党と公明党が賛成に回るかぎり、衆参の両方で可決されてしまう。
小沢Gが正義を盾に有権者の支持を受けて勢力を伸長できる条件は、消費税増税法案が三党野合で採決されてしまったという熱気が国民に残っている時期に解散総選挙が行われることである。
社会保障制度の構想さえ示されずに増税だけ可決された怒りに有権者が燃えている状況で総選挙が行われれば、第一党になることはなくても、小沢Gは大躍進すると予測する。
たんなる数合わせだが、消費税増税反対派が、民主党主流派+自民党+公明党を押しのけ多数派になる可能性もあると考えている。
素人でもそのような予測ができるからこそ、近い将来に解散総選挙が行われることはないのである。
多くの方が錯覚していると思われるのは、消費税増税は財政再建のために行われるかのような見方である。社会保障の維持や充実も、もっともらしく語られているだけで、消費税の増税とは無関係の話である。
財政危機は消費税増税の必要性を訴えるネタとして活用されているが、財務省官僚を含め消費税増税派は、消費税増税にそのような期待は抱いていない。
消費税増税は、グローバル企業に利益を供与すること(で、その国際競争力を向上させること)が目的なのである。
財政危機だから消費税増税と主張する一方でとんでもないふざけた話だとメディアは騒がないが、自民党は、早々と「国土強靱化法案」なるものを提起し、年間10兆円から20兆円の公共投資を行うとぶち上げている。
来年になればわかることだが、政府は、公共投資や“バラマキ”の政策を数多く持ち出し、民主党残留派+自民党+公明党は、「消費税増税で財源のめどがたったので、国民生活を重視した政策を思い切って実行に移す」と声高に喧伝するであろう。
消費税増税をしゃかりきにサポートしている主要メディアも、消費税増税が国民生活の役に立ったと大いに宣伝する。
ここでよく考えて欲しいのは、消費税増税の第1段階実施は14年4月だから、そのような宣伝活動が行われている時点では、ほとんどの有権者が「消費税増税の痛み」を実感していないことである。
申し訳ない言い方になるが、来年の春から夏にかけての有権者は、大きく取り上げられる“いい話”にダマされやすい状況にいるのである。
“バラマキ”や公共投資は、多数派の国民にとっても“いい話”かもしれないが、その真の狙いは日本経済を破壊しないで消費税増税を達成することにある。
バラマキや公共投資で財政支出を増大させ総需要を拡大させなければ、13兆円(還付金も含めると16兆円)とも言われている消費税が円滑に“転嫁”できず、破滅的な経済状況に陥ってしまうからである。
このような状況で総選挙が実施されれば、小沢Gの新人代議士のほとんどが、民主党残留派や自民党の候補者と競り合った結果落選すると予測する。
これ以上多くを書く必要はないだろう。野田首相と谷垣総裁のあいだに密約があるとしたら、このようなストリーに近いものであろう。
では、小沢Gはどうすればいいのか。
シンプルな切り口は、民主党残留派と自民党のどちらと政策的親和性が高いかで、今後の政治的行動を選択するというものだ。
むろん、50人前後でも第3党の位置を占めるのだから、唯我独尊ないし我が道を行くでもいい。
しかし、権力から遠ざかり続けることを小沢氏は望まないだろうし、支持者も、そんな小沢氏を期待しないであろう。
相手もある話だから小沢Gが自民党に近づくことはムリだろう。自民党を選択するとしても、自民党が政権を奪還することを陰ながら応援するしかない。
自民党より民主党残留派に政策的親和性を覚えるのなら、憤死するほどの怒りを感じていても、民主党に残る選択をしたほうがいい。消費税増税法案に反対票を投じることが除籍につながるのなら、欠席や棄権で済ませばいい。
小沢氏がトリックスターを演じているのでないのなら、現在のところ、何があろうとも、民主党内で粘り強く多数派形成に努めるしかないと思う。
そして、グループ内及びグループに近い政治家そして国民に、選択の意味と今後の行動をきちんと説明する必要がある。
昨年7月の“菅降ろし騒動”のような結末の付け方は、同志を離反させることにもつながり、小沢氏に対する国民の不信を高めることにもなる。
小沢Gが民主党残留を選択することが前提の話だが、「国民の生活が第一」だからこそ民主党に残ると、その理由をきちんと説明し鉾を納めればいいのである。
党を割って新党を結成することを否定するものではない。しかし、今の政治状況はその時ではないということだ。
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