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東京高裁に提出された中身スカスカの「控訴趣意書」
http://gendai.net/articles/view/syakai/137190
2012年6月22日 日刊ゲンダイ
小沢裁判 9月にも控訴審開始
控訴審は9月にも始まる見通しだ。1審で「無罪」判決が出た小沢裁判で、検察官役の指定弁護士が20日までに「控訴趣意書」を東京高裁に提出した。これを受け、東京高裁は21日、弁護側答弁書の提出期限を7月31日に指定。下準備は異例のスピードで進んでいる。
控訴趣意書の提出期限は、控訴してから2〜3カ月後に設定されることが多い。だが、今回は先月9日の控訴からわずか1カ月半。指定弁護士側は、趣意書で「小沢元代表の故意や元秘書との共謀を認めなかった1審の判断は誤り」と主張しているが、大した根拠はなさそうだ。
「裁判所の判断、しかも無罪にケチをつけるわけだから、控訴趣意書には原判決を破棄すべき理由を具体的に書くことが求められます。単純な事件ならともかく、『陸山会事件』のような複雑な案件の控訴趣意書を1カ月程度で書くのは相当、難しい。指定弁護士は補充捜査も示唆していたが、その形跡はないし、控訴趣意書の提出期限の延長を裁判所に求めてもいない。本気で無罪をひっくり返す気なら、新たな証拠を盛り込むのは最低限必要です。それがないとすれば、控訴趣意書の中身はスカスカということ」(司法ジャーナリスト)
そんな出来損ないの控訴趣意書で、小沢は刑事被告人の身が続くのだ。改めて許せない話である。弁護士会は以前から、1審無罪に対する「検察官上訴」の禁止を求めていた。ところが、指定弁護士は検察官役が気に入ったのか、すっかり「弁護士としての初心」を忘れ、「(判決を覆す自信は)5割を超える程度」(大室俊三弁護士)と言って控訴した。気に入らない判決が出ると文句をつけて時間稼ぎし、控訴審で何が何でも有罪に持ち込もうとする検察のやり方と同じだ。
元検事の落合洋司弁護士はこう言う。
「1審の弁論内容が詳細に出来ていたから、指定弁護士はそれをベースに原判決に対する批判などを加えて(短期間で)控訴趣意書を書いたのでしょう。提出期限の延長を求めなかったのは、まず期限を優先し、提出後の補充捜査を考えているのかもしれません。もっとも、新たな証拠が見つかるのかは分かりませんが……」
つくづく、続いていることが不思議な裁判である。
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