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「ニューズウィーク日本版6・27」のP.22に掲載されているものである。
日本で現在進行形の消費税増税政策に厳しい警鐘を鳴らすものとしてお読みいただければ幸いである。
これまでも何度か愚痴っぽく書いたが、反近代経済社会である自分が反消費税の書き込みをしていると、つい「なんで俺が富裕者の利益になる手助けをしなければならないのか?」と落ち込むことがある。
それと似た趣旨のものが、この記事の「中間所得層を優遇すれば富める者はさらに豊かになる」という内容であろう。
その他留意して欲しい内容をいくつか抜き出した。
「第二次大戦後、アメリカは債務危機に陥り、時のアイゼンハワー大統領は最高限界税率を91%まで引き上げ、教育、住宅供給、技術開発に予算を投じた。
中間所得層が支える好景気によって、債務はわずか17年間で戦前レベルまで回復した。」
「この国が現在のような苦境に陥ったのは、教師や警官が多過ぎたからではない。主に高額所得者を優遇する減税に踏み切り、2つの戦争を仕掛け、ウォール街の規制を緩和したからだ。こうした真の原因に目を向けなければ、債務から抜け出すことはできない。」
「結局のところ、鍵となるのは経済成長だ。その成長のための鍵は中間所得層の拡大にある。」
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死にゆくアメリカの中間所得層
この国の繁栄を支えてきた中間所得層を助けずして経済成長はない
ポール・ベガラ(本誌コラムニスト)
私には高級住宅地に住む金持ちの友人がいる。彼がある日、庭で共和党支持の隣人とおしゃべりをしていたときのこと。なぜ民主党支持なのかと聞かれたという。
友人は、自分は貧しい家庭の出身だがいい公立学校に通い、猛烈に働いて成功したと答えた。そして、近くで作業していた庭師を指さして言った。「彼の息子にもアメリカンドリームをつかむチャンスがあればいいとは思わないか?」
隣人はバカにしたように言い放った。「あの庭師の息子は、私の息子の庭師になるさ」
アメリカンドリームは死にかけている。勝者の輪はもう広がらないのか。貧しい者は上にはい上がれないのか。アメリカはひと振りの人間だけが富を独占する「第三世界」に変貌しつつあるのか。この国を支えてきた中間所得層は滅びてしまうのか。
「中間所得層」の定義には経済力だけでなく価値観も含まれる。まじめに働き、社会のルールに従い、成功をつかむ。貯金をしてマイホームを手に入れ、新車のローンを返済し、子供を大学まで進学させる。そして余裕ある引退生活に入る。
収入でいうと年間所得2万5000〜10万ドルで、アメリカ人の60%に当たる。しかし15万ドル上稼ぐ者の3分の1と、2万ドル以下の人々の40%も自分を中間所得層と考えている。
つまり中間所得層を自任するのは国民の4分の3。これだけの人々(実際はそれ以上) が目下、苦しい生活を送っているのだ。
FRB(連却準備理事会)によれば、アメリカの家庭の純資産の中央値は07〜10年で40%弱も下落した。一方、富裕層の資産は増え続けている。なぜなら彼らの資産の中身はプッシュ前政権下でバブルがはじけた不動産よりも、好調だった株式や債券が多いからだ。
戦後の債務はすぐに解消
アメリカの中問所得層は政策決定の産物だ。彼らの死もまた政策決定に懸かっている。
第二次大戦後、アメリカは債務危機に陥り、時のアイゼンハワー大統領は最高限界税率を91%まで引き上げ、教育、住宅供給、技術開発に予算を投じた。
中間所得層が支える好景気によって、債務はわずか17年間で戦前レベルまで回復した。
中間所得層を優遇すれば富める者はさらに豊かになる―こう考えたクリントン大統領は高額所得者の税率をやや引き上げ、連邦職員数を減らし、教育や技術開発、生物医学に予算を投入。
この中問所得層に焦点を当てた経済政策はまたも成功した。
そして再び債務危横に見舞われたアメリカ。だが衰退していく中問所得層のことを真剣に考えている者はいるのか。
オバマ大統領は今を「中間所得層の運命を左右する時期だ」と言っているが、全米各地では教師や警官、消防士らが解雇されている。中問所得層にとっては重要な存在であり、彼ら自身が中間所得層でもある。
景気回復の兆しが見えて以来、少なくとも民間企業では430万の新しい雇用が生み出された。一方、公共部門では60万人が失職している。
この国が現在のような苦境に陥ったのは、教師や警官が多過ぎたからではない。主に高額所得者を優遇する減税に踏み切り、2つの戦争を仕掛け、ウォール街の規制を緩和したからだ。こうした真の原因に目を向けなければ、債務から抜け出すことはできない。
もちろん支出は削減すべきだし、さらなる税収も必要だ。それでも誰もが成功できるチャンスを閉ざしてはいけない。結局のところ、鍵となるのは経済成長だ。その成長のための鍵は中間所得層の拡大にある。
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