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消費増税法衆院通過へ 後は野となれ山となれ この国の重大な見通し
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2012/6/21 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
後は野となれ山となれ……と、ヤケッパチな気分になる。今、国会で繰り広げられているデタラメは何なのか。民主党内はもとより、与野党でも採決を巡ってギクシャクしているかのように見える消費増税法案は明日か週明けに衆院通過する。庶民は踏んだり蹴ったり、景気も底割れに進むのだろうが、こういう暴挙を国会会期末ギリギリになって、いきなり、民・自・公の与野党が談合して、勝手に決める理不尽。そのうえ、野田に「やれやれ」とけしかけていた自民党が、「マニフェスト違反だ」「選挙をしろ」と野田民主党にイチャモンをつけるチンプンカンプン。もう理解不能の茶番なのだが、こうなった背景はハッキリしている。
民・自はケンカをしているように見せかけているだけで、最初から握っているのである。それをごまかすために「ああでもない」「こうでもない」と難癖をつけているかのように振る舞っているのだ。
これは自民党が「一体改革」の「社会保障」の部分で野田を突き放せば、ドジョウ政権はオシマイなのに、最後にハードルを下げて、「助け舟」を出したことでハッキリ分かる。
「そうしたら、どんどん、積み上げられていた法案が処理されている。呆気にとられているのは、社民党などの“本当の野党”ですよ。国会で議論してきたのに、民・自・公で勝手に修正され、委員会審議もそこそこに採決しようとしている。バカにするな、と怒るのも当然です。結局、民主党と自民党は完全に握っていて、今や、同じく自由民主党内の旧自民党グループと旧民主党グループがあると考えた方がいい。これほど民主主義を冒(ぼう)涜(とく)する話はありませんが、恐ろしいのは、それならそれで一緒になればいいのに、今なお、意見の隔たりがあり、与野党が対立しているかのように演出していることです。事実上の翼賛体制なのに、政党政治が生きているようなそぶりをする。だから、ますます、国民には訳が分からなくなっているのです」(法大教授・五十嵐仁氏=政治学)
おそらく、消費増税の目的は、こうやって、いつの間にか与野党談合をすることなのだろう。そうでなければ、この時期、13兆円の大増税を急いで決める理由はないし、なるほど、民・自が握っているという前提に立てば、今後のデタラメ政局の行方も見えてくるのだ。
◆参院で成立のため野田・谷垣の話し合い解散などあり得るのか
国会はきょう、会期延長が決まる。おそらく、8月中旬から9月上旬まで引っ張り、消費増税関連法案だけでなく、特例公債法や衆院の議員定数削減まで議論するふりを見せるのだろう。
だとすると、谷垣・自民党総裁は何のために野田に協力するのか。こうやって、会期が大幅延長され、解散に追い込めないまま9月になれば、自民党の総裁選が間近になる。解散に追い込めなかった谷垣執行部は間違いなく、党内から突き上げを食らい、再選はおぼつかなくなる。野田に協力した谷垣はアホみたいだ。
だからこそ、「本当は話し合い解散の密約があるんじゃないか」とささやかれているのだが、これはおそらく違う。
「今、解散をすれば、民主党は壊滅的に負けてしまう。誰が解散するものですか。逆に解散をせずに国会を引き延ばせば、9月になり、民主党も代表選になる。野田首相は現職の強みで自動的に代表選再選となる公算が大きい。なぜ、みすみす政権を手放すような解散を約束するのか。あり得ない話です」(民主党関係者)
これが常識的な見方だ。政治評論家の浅川博忠氏は「9月解散説も流れていますが、早くて臨時国会会期末でしょう」と言う。
「それが自民党長老議員たちの狙いでもあるからです。彼らは谷垣総裁で選挙を戦えると思っていない。9月の総裁選でダブル石、つまり、石原幹事長か石破前政調会長を総裁にして、直後の臨時国会ではとりあえず、面倒くさくない法案はちゃっちゃか上げてしまう。社会保障の面倒な部分は国民会議の議論にゆだねて、臨時国会閉幕後に社会保障のあり方などを争点に選挙をする。これが長老たちの狙いです」
国民は談合増税を決めた民・自・公の議員に鉄槌を下すべく、準備している。しかし、彼らは簡単に選挙はしない。裏を返せば、衆院議員の任期満了(来年8月末)を見越して、1年以上前に増税法案を通すのだ。1年あければ、少しは世論の逆風もゆるくなる。庶民は忘れてしまう。だから、解散先送り。とことん、国民をなめている。
◆選挙敗北必至の民主党は解散回避で自民と大連立を画策か
これは大いにあり得る話だ。増税法案で分裂必至の民主党は今、解散に追い込まれたらボロボロだ。自民党にしてみれば、政権奪回の千載一遇のチャンス。それをみすみす逃せば、落選中の候補者などを中心に執行部批判が噴出する。
それを納得させ、封印するには大連立が有効だからだ。権力の座に返り咲けば、予算編成で自民党の言い分を通せる。それが候補者には追い風になる。
野田にしたって、そうやって、自民を取り込んでしまえば、当分安泰。いかにも姑息な権力亡者が考えそうなことだし、きのう、自民党の古賀誠元幹事長はこう言っていた。
「部分的(な政策連合)とか、閣内で協力するとか、いろいろな選択肢を考える状況にきている」「衆院解散で民意を問うより、既成政党に対する不安を払拭することに軸足を置くべきだ」
この先、長くない長老組は長引く野党暮らしに耐えられない。とにかく、権力の座に戻りたいのだ。
「大連立で政権基盤を強化させたいのは民主党も同じです。小沢グループを牽制する意味合いも込めて、執行部に近い黒幕議員らは盛んに大連立が決まったかのような情報を流しています。解散・総選挙をしたくない民主党は、さまざまな問題を大連立でごまかす算段。ま、そう簡単には行かないでしょうが、彼らがそういうそろばんをはじいているのは確かです」(政治ジャーナリスト・角谷浩一氏)
庶民にしてみれば、クラクラするような話だ。解散から逃げて大連立?完全に民主主義の否定だが、今の民・自の国会議員にはそれを恥じる感性すらない。そこが恐ろしいところだ。
◆選挙前に自民と民主はどっちが分裂するのか。両方、分裂するのか
22日になるにせよ、週明けに持ち越されるにせよ、増税法案が採決されれば、民主党内からは造反が出る。
小沢グループは50人強をまとめているし、中間派の棄権、欠席を含めると「造反は70人規模になりかねない」と執行部は警戒している。
当初は「せいぜい、造反は40人弱」と見込んで、「どうぞ、反対すればいい。それで出ていってもらった方がスッキリする」なんて強気だった野田官邸筋は今頃、大慌てだろう。
造反が54人を超えて、彼らを除籍処分にすれば、野田・民主党政権は少数与党に転落する。
小沢グループは完全に腹を固めているから、野田が狂乱の採決に踏み切れば、その瞬間、民主党は分裂する。果たして、それを号砲に政界再編が起こるのか。
実は政界再編が大きく動き出すには条件がある。政界再編をウオッチし続けてきた政治解説者の篠原文也氏はこう言う。
「これまでも党分裂はいくらでもあります。それが政界再編になるのは与党が分裂するときです。今回はまさしく、そのパターン。民主党が割れることで、自民党にも政界再編の激震が訪れると思います」
ただし、選挙前にすぐに地殻変動かというと、そうではない。
「自民党内は消費増税賛成派が多いから、増税法案で割れることは考えにくい。中川秀直元官房長官ら上げ潮派の議員集団は反対姿勢を強めていますが、広がりに欠けている。でも、政界再編には2幕も3幕もあるんですよ。選挙前は民主党の小沢グループの離党だけかもしれない。しかし、その後、大連立のような話になり、原発再稼働だ、TPPだと話が進んでいけば、自民党内にも慎重派は大勢いる。選挙前の分裂もあり得るし、選挙後はもっと大きな動きになる。というのも、どの政党も単独では過半数を得られないのは決定的だからです。“どこと組むのか、何を大義にするのか”で、大きな離合集散が起こるはずです」 3幕物の政界再編劇は、増税採決の日に幕が開くということだ。
◆政界は再編成、総与党化のファシズムが到来する
いずれにしても、来年の夏までには必ず総選挙が行われる。
どの政治家も、何が自分に有利かしか考えちゃいない。与党、それも大連立の権力サイドにいれば予算編成にもからめるし、潤沢なカネも出る。“利権”と“実弾”に目がくらむ議員は確実に民・自大連立になびいていく。彼らには国民の声が聞こえないし、そもそも、国民の方を向いていないからだ。
そうなると、国会は必然的に総与党化、巨大翼賛体制に傾斜していく。よこしまな国会議員ばかりだからだ。
「最近、野田首相は『決められない政治からの脱却』としきりに発言しています。決められない大きな原因は衆参のねじれです。政界がねじれ国会の解消に動けば、おのずと民主、自民、公明の3大政党が結びついていく。『決められる政治』を大義名分に掲げて、事実上の3党大連立が大手を振って動き出すと思います。これが選挙後はもっとロコツになる。数合わせになれば、バスに乗り遅れるなとばかりに大連立に走る議員ばかりになるのではないですか」(政治評論家・山口朝雄氏)
決められる政治といえば聞こえは良いが、野田民主党による3党大連立は、政権交代の理念を捨てた自民悪政への回帰だ。国民は3年前の総選挙で、民主党に自民悪政からの脱却を期待したはずだ。ところが、現実には民主党と自民党との間にまるで違いがなくなってしまった。あまりにも酷(ひど)い有権者への裏切りである。
国会がオール与党化し、古い自民党政治を復活させるのである。そこで繰り広げられるであろう悪政は、消費税増税どころのレベルではないだろう。「決められる政治」という名の民意無視のファシズムが動き出すことになる。
◆野田はいよいよ東条英機の二の舞いを演じるだろう
巨大翼賛体制を手に入れれば、野田はそれこそ何でもやってくる。ただでさえ、財務官僚の言いなりとなって消費税増税に邁(まい)進(しん)した男だ。官僚がやりたくてもできなかった悪政を次から次へと始めるのではないか。
戦前の政治状況を実体験した筑波大名誉教授の小林弥六氏(経済学)はこう言う。
「戦前・戦中の大政翼賛会は巨大与党の出現とは裏腹に国会の無力化、議会政治の終(しゆう)焉(えん)を招きました。その結果、軍部の台頭を許したのが、歴史の教訓なのです。現在の日本で翼賛体制が生まれれば、軍部に代わって官僚の暴走を招くことになりかねません。その結果が国民無視の政治です。日本の市場を米国に売り渡すTPP参加をはじめ、普天間基地の辺野古移設や停止中の原発のフル稼働。年金問題だって、財政再建を錦の御旗に従来以上の給付削減と保険料率のアップが断行されるのは間違いない。国民の暮らしをさらに苦しめる。戦争放棄の9条を破棄する憲法改悪も当然、視野に入ってくるでしょうね」
消費税率だって10%の引き上げでは済まないだろう。財務省は今年1月に「消費税率10%でも新規国債は増加する」という試算を発表した。6年前には「財政収支の改善には、消費税率を22%に引き上げる必要がある」というフザケた試算を出している。財務省はまだまだ国民から搾り取るハラなのだ。その結果、待っているのは国民生活の破滅である。
「今の野田首相を見ていると、翼賛体制を手にして勝てない戦争に突き進んだ東条英機の姿がダブります。いや、野田首相は東条以上の独裁者かもしれません。少なくとも東条には出身母体の陸軍の権益の代弁者として組織に殉じた一面がありました。しかし、野田首相は民主党が崩壊しようがお構いなし。国民生活を破滅に導いても、知らん顔。ひたすら自らの権力を維持するため、手段を選ばない。これだけの“政治犯罪者”は歴史上、例を見ません」(小林弥六氏=前出)
野田が翼賛体制を手にした結果、この国は焼け野原になるしかない。
◆こうした予想が当たらないことを祈る戦前世代が国民の10%しかいなくなった衝撃の現状
今の政治状況を見て、本当に危機感を抱いているのは戦前生まれの人々だけなのかも知れない。この国が全体主義に染まっていった恐怖を身をもって経験しているからだ。
しかし、日本が破滅に向かった道程を知る世代は年々減ってきている。戦前・戦中の社会を実感として覚えている現在75歳以上の人々は、国民全体の11・8%。ホンの1割程度に過ぎない。
オウム事件を知らない世代が増え、次々とカルト教団に入信していることが社会問題化しているが、若い世代を嘆いている場合ではない。今こそ歴史の教訓を学ぶべき時期だ。
戦前生まれの政治評論家・森田実氏はこう警告する。
「1942年4月の翼賛選挙の結果、当選議員の実に81%を翼賛候補が占めました。今の衆議院で民・自・公3党が結託すれば、議席の約9割を占め、戦前の翼賛体制を上回ります。大戦前夜と重なる異常な光景です。しかし、ファシズムは議会の独占だけでは生まれません。メディアの扇動と国民の熱狂に迎え入れられて初めて完成するのです。だからこそ、今のメディアの歴史認識の欠如、危機意識の薄さが問題なのです。巨大マスコミは増税法案の3党協議をけしかけ、『決められる政治』の大合唱で熟議の民主政治を否定しにかかっています。世論がその論調に乗ってしまえば、この国はどこへ向かうのか。“こんなはずじゃなかった”と後悔してからでは手遅れです。それが戦前の政治から学ぶべき教訓なのです」
メディアの扇動の結果だろう。今だって国民の半数近くが消費税増税に理解を示している。この国は間違いなく危ない方向へと向かいつつある。大連立による大増税を許したら最後、もう後戻りはできなくなる。
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