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2012年6月20日03時00分
「次の選挙応援しない」労組が圧力〈原発列島ニッポン〉(朝日新聞)
今月8日。民主党の中川治衆院議員(大阪18区)の事務所に1本の電話が入った。
「大飯再稼働に反対の署名をして、印鑑も押されていますね」
電話の主は、関西電力労働組合。中川氏によると、電話を取った秘書は、こう告げられた。「このままでは次の選挙、応援できなくなってしまいますよ」
署名したのは、大飯原発3、4号機の再稼働に突き進もうとしていた野田佳彦首相に対し、再考を求める要請書だった。
秘書は11日、大阪市内の同労組の事務所に出向き、署名は撤回しないことを伝えた。「上部機関に報告せざるを得ないですね」。それが返答だった。
5日後、野田政権は正式に再稼働を決めた。
■脱原発、重い腰
関電労組などでつくる電力総連は、民主党の主要支持団体。約22万人の組合員を抱え、選挙となれば集票にフル回転する。民主党参院議員2人を国会に送り、うち1人は関電出身だ。
電力業界は、その圧倒的な資金力や集票力で政治家や官僚、産業界、専門家らとの関係を深め、いわゆる「原子力村」を作り上げてきた。福島第一原発の事故で、そのなれ合い体質は批判を浴びた。だが、関電にそれを改める姿勢は見られない。
「いまこそ必要だと決断した。液化天然ガス(LNG)は世界各地に埋蔵量があり、二酸化炭素の排出も少ない。ぜひ建設して欲しい」
4月20日。関電本社を訪れた和歌山県議会の新島雄議長は、関電が和歌山市内で計画していたLNG火力発電所の早期建設を求める議会決議を伝えた。計画通りに完成すれば、その出力は、原発3基分を超える370万キロワットに及ぶ。
しかし、関電は動かない。
関電は1995年にこの発電所を供給計画に盛り込んだが、04年に棚上げした。関西経済の低迷で、肝心の電力需要が頭打ちになっていたからだ。加えて、00年に大口需要家向けの電力販売が自由化され、収益を圧迫。発電コストが高い火力発電所は、既存の設備も次々と廃止してきた。
ここで火力にかじを戻せば、構造的にたちまち赤字に陥ってしまう。一方、政府に電気料金の値上げを申請すれば、人件費の大幅な削減などを迫られる可能性がある。「経営の行き詰まった東京電力のように会社に手を突っ込まれ、何をされるかわからない」(関電幹部)。
原発の温存が許されれば、これまで通りの経営を続けられる――。関電にすれば、国のエネルギー政策がどう見直されるかも決まらないうちに、火力へのシフトを急ぐ理由はない。
八木誠社長は「引き続き、安全が確認されたプラント(発電所)は再稼働させていただきたい」と、次なる再稼働に向けて思いをめぐらす。
だが、変化を迫る波は着実に押し寄せている。
「原発依存度を減らすことをより重視した」。5月28日にあった総合資源エネルギー調査会の委員会。2030年時点の原発依存率を議論する場で、委員長の三村明夫氏は「35%」を選択肢から外す方針を明らかにした。今後は現状(2010年度)の26%を下回る15%を軸に調整に入る。
関電の依存率は自社発電量ベースで5割を超え、全国9電力の中でも1、2位を争ってきた。供給態勢の大幅な改革を迫られる可能性は高い。
運転の開始から40年を超える原発についても、政府は原則廃炉にする方針を打ち出した。今後7年半の間に11基中7基が40年を超える関電。幹部は「もし、この方針が厳格に適用されれば、供給力の不足は補いようがない」と身を硬くする。
政府の電力システム改革専門委員会は5月、家庭向けの電力の販売も自由化していく方針を決定した。それを後押しするため、電力会社が持つ発電部門と送配電部門を引き離す「発送電の分離」が検討されている。
「電力供給革命がいま、もう動き出している」
筆頭株主である大阪市の橋下徹市長は、大飯原発の再稼働を容認したことを「敗北」と認めつつ、電力業界を取り巻くこれらの変化に期待を寄せる。
今月27日の株主総会では、「脱原発」や発送電の分離などを求める株主提案を突きつける。
大飯原発3、4号機の再稼働が決まった。関西電力と関西の経済界は何を考え、どう動こうとしているのか。
◇
■安全徹底を指示 関電社長、大飯訪問
関西電力の八木誠社長は19日、再稼働に向けた作業を進めている大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の現場を訪れ、社員らに安全の徹底を指示した。
八木社長は視察後の会見で「福島第一原発を襲ったような地震・津波が来ても炉心溶融に至らないという安全レベルは確認できている」と強調。その上で「現在の法体系の下で動かさせていただきたい」と述べ、次回の定期検査まで13カ月間の連続運転に改めて意欲を示した。
京都府や滋賀県など周辺自治体が、立地自治体と同等の安全協定の締結を求めていることについては、「真摯(しんし)に議論して対応していきたい」と述べた。
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