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沖縄への一括交付金で予算執行の適正は確保できるのか
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投稿日: 2012年6月18日 郷原信郎が斬る
沖縄では、昨年11月、識名トンネルというトンネル工事をめぐる補助金の不正請求の問題が表面化。国から5億8000万円の補助金返還をめぐって、県執行部と議会とが対立し、補助金返還の予算を議会が不承認、今月に入って、国の出先機関の沖縄総合事務局が、沖縄県側を補助金適正化法違反、虚偽公文書作成で「被疑者不詳」のまま告発するという、前代未聞の事態に発展している。
講演のために那覇市を訪れ、この問題を知った私は、6月15日の朝、ツイッターで、「沖縄では、予算の執行をめぐって、大変なことが起きている。こういう状況を放置したまま、沖縄に巨額の一括交付金を投入したことには重大な問題がある。消費増税の前にやるべきことがあると、改めて痛感する。詳細を把握した上でブログに書くこととしたい。」と予告した。
その時は知らなかったが、この問題については、6月14日発売の週刊文春で「仲井真知事のカネと女」というタイトルで、沖縄県の仲井真知事をめぐるスキャンダルとして報じられていた。
週刊文春の記事では、この工事に関して、仲井真知事が、個人的に親密な関係の女性を通して、大手ゼネコンに有利な取り計らいをした疑いを指摘し、「知事スキャンダル」としてとらえている。
同記事が指摘している知事関与の疑いは、今後、刑事事件の捜査によって明らかにされることになるであろう。私の方では、それとは別個に、この問題を、沖縄県という自治体組織のコンプライアンスという観点から分析・検討しようと考えているが、週刊文春の記事でも引用されている県の第三者委員会の報告書が入手できていないので(通常、この種の報告書は、ホームページへの掲載という形で一般公開されるが、沖縄県のホームページには、第三者委員会の報告書は見当たらない。そこにも、沖縄県のこの問題に対する対応の問題が表れている)、早急に入手した上、分析・検討の結果を、このブログ等で明らかにしようと思う。
しかし、いずれにしても、知事スキャンダル問題は別として、中央から巨額の予算が投じられている沖縄の自治体において、補助金等の予算執行の適正さを確保するための体制が極めて脆弱であり、それが今回の問題の原因となっていることは否定できない。
本年度から、使途を限定しない一括交付金が、沖縄県に300億円、県内の市町村に303億円交付されたが、現地で聞いた話では、この一括交付金は、使途は限定されていないが、従来の補助金事業は対象外であり、沖縄振興のための新たな事業の企画立案が必要だが、実際には、交付金の対象事業の目途は殆ど立っていないようだ。
使途の自由度が高いだけに、予算執行を適正さが、一般の補助金以上に強く求められることになるが、識名トンネル工事の問題をめぐる対応の混乱を見る限り、沖縄県の現状で予算執行の適切さが確保できるのか甚だ不安である。
来年3月までに、交付金を使い切らなければならないという焦りが生じると、不適正な予算執行の問題が生じる危険性は一層高まる。
私が総務省顧問・コンプライアンス室長として調査・検討に取り組んだICT関連の補助金の予算執行の不適切事案も、平成21年度の二次補正予算で年度末近くになって認められた「ICTふるさと元気事業」をめぐって起きた問題であり、審査期間が短かったことが、補助金の予算執行の適正さに関して重大な問題を生じさせたものだった。現状からすると、来年度末までに新たな事業を企画立案して300億円の一括交付金予算を使い切るのは至難の業だと言わざるを得ない。
そもそも、沖縄県に対して、今年度、多額の一括交付金を交付することが果たして妥当だったのか極めて疑問である。
普天間基地の辺野古への移転などの政治課題の解決のために沖縄を優遇しようとする意図によるものであろうが、適切な予算執行を行う体制が整備されていることを確認することもなく、場当たり的に予算のバラマキを行っても、本当の意味の沖縄振興にはつながらない。
沖縄問題一つとってみても、このような愚策を繰り返す政府に、消費増税によって一層大きな予算執行の権限を与えるべきだとは到底思えない。その前に、やらなければならないことがあるはずだ。
識名トンネルをめぐる問題も、そのような政府の政策の欠陥の産物としての沖縄の予算執行問題全体に関連づけて理解すべきであろう。
◇
「沖縄県仲井真知事のカネと女」(ジャーナリスト・大清水友明) 週刊文春 2012/06/21号
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