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http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/35473
消費増税への今国会のやり方は国民を愚弄し尽くしている。民主、自民、公明の3党で何を合意したのか、彼らが合意の駆け引きに使ったどうでもいい細かいことをすべて剥ぎ取ると真実が見えてくる。
つまり、次の衆院選でこの3党のうち、どの党が政権を取っても権力者として消費増税の恩恵に浴せるということである。机上の計算によれば13兆円もの新たな税金を権力者の判断で“ばらまける”。しかも、「国民の信任を得た」という大義名分までついて。
7兆円以上の払いすぎ年金を減額する気は全くなし
これを国民を愚弄する談合と呼ばずして何と呼ぶのか。国民生活など彼らの眼中には全くないのだろう。自分たちが権力の椅子取りゲームで有利になればいいだけだ。
例えばデフレが続いているために、国は年金などの社会保障費を必要以上に払い続けている。その額は昨年末の段階で7兆円にも及ぶと厚生労働省が試算している。
このままのデフレが続けばインフレを前提とした社会保障費は本来支払うべき額よりも毎年1兆円以上多く払い続けることになる。
しかし、政府はこんな試算があっても減額を「検討している」とするだけ。本気で減らす気があるとは全く思えない。増税にはあれだけ熱心なのに不思議である。
いや、実は不思議でも何でもない。理由は明確なのだ。大きい政府の方が権力を持った政治家と官僚に心地良いからである。「大きく集めて大きくばらまく」。これが権力の源泉である。政府が肥大化すれば官僚の天下り先も多くなる。
消費増税が議論される過程で、年金などの減額が本気で議論されただろうか。若者たちの負担を減らすと言うなら、まずこちらが先だろう。
それができずに、何で若者世代の負担軽減が大義名分なのか。
今回の3党合意からはっきりと透けて見えるもう1点は、票を持ったお年寄りへの媚である。団塊の世代が引退し始めて、彼ら“既得権政党”の票田は大きく拡大した。さらに彼らは若者よりもはるかに選挙に熱心なので、彼らの歓心を買うことは焦眉の急だ。
つまり今回の3党合意は言っていることとは逆に、「若者の切捨て」合意なのである。日本のおとなしい若者たちに言いたい。こんなことを許していいのか、と。
消費税を5%上げるというなら、いま国が払っている年金を5%削減しろと大胆な提案をするくらいの権利は若者にはあるはずだ。
何しろ消費税を上げても現在のばらまきを続ければ、現在の社会保障は維持できないのである。「先に消費税は上げられた、でも自分たちが年金をもらう番になって大幅減額」は目に見えている。これを詐欺だと思わないか?
石油やLNGのコストがかさむという詭弁
さらに原発の再稼働である。免震重要棟などがないなど安全性には全くの疑問符がつくなか、関西電力の大飯発電所だけでなく、その他の原発も同じように首相の判断で再稼働していくという。
いつからこんな独裁権を首相は持ったのか。次に万が一の事故が発生したら、首相は辞めれば責任を取ったことになるのか。独裁者ならその末期は辞めるだけですまないことは歴史の教えるところだが、そんな覚悟が首相にあるとは到底思えない。
大手新聞や経団連は再稼働を全面的に支持している。その根拠は停電の恐れと石油や天然ガスの消費拡大による国富の喪失だという。
しかし、ちょっと待ってほしい。原発事故から1年以上の時間がありながら、対策をほとんど打ってこなかった電力会社と政府はどのような責任を取るのか。再稼働の前に、その責任を明らかにすべきである。
原発事故の影響を最も大きく受けるのはこれから長く生きなければならない若者たちである。福島第一原子力発電所の事故が人体にどのような影響を及ぼしているかは、まだ明らかになっていない。
ここにも政権による「若者の切捨て」が明確に表れている。
石油や天然ガスの消費が今年だけで3兆円にも及び、それだけの国富が消えていると大手新聞は書く。しかし、原発事故でどれだけの国富が失われたのか。
原発の燃料は米国から購入している。そして、使用済み核燃料の最終処理法が世界で決まっていないばかりか、そのコストも明らかになっていない。それだけ膨大なコストがかかるということだ。
下水道に例えてみれば分かりやすい。下水道がある地域なら、上水道を使った割合に応じて下水道代も払っているはずである。核燃料のコストは米国から全量購入する燃料棒の価格だけでなく、使用済み核燃料の処理コストも加えて計算するべきである。
核燃料の場合、米国から買う燃料より使用済み燃料の処理コストが圧倒的に大きい。しかし、その最終コストがよく分からないからコスト算入せず、原発のコストが安いという呆れた論理を展開する。
実は、そのようなことは大手新聞の論説委員なら誰でも分かっていることだ。しかしそれを全く無視して、燃料代がかさむから原発を動かせという論調には明らかな作為がある。
一方、原発に固執せず、新しいエネルギー開発をすれば、それだけの研究開発と投資が必要になる。そこは頭の柔らかく行動力のある若者の出番だ。若者の雇用を増やす。
また、増税で国の借金を減らすというのも詭弁中の詭弁でしかない。歳出カットにほとんど手がつけられずデフレが続くなかで大増税すれば、景気が大きく後退することは過去の歴史が証明している。ネットでの税収増は期待できないどころか、税収減になる危険性が極めて高い。
そして、さらなる景気後退は若者の雇用を奪う。
日本の若者にはお願いだから今回の茶番を許さないでほしい。自分たちの未来のために次の選挙では、今回の茶番を演じた人々を再び国会に送り込まないように、得意なネット技術を生かして、みなで協力すべきときである。立ち上がれ日本の若者よ。
日本の政治家が馬脚を現したいま、日本を変えるチャンスでもある
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