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消費税増税法案だけを急ぎ成立させようとする大政党の動きに“待った”ではなく称賛を贈る主要メディアの倒錯ぶり
http://www.asyura2.com/12/senkyo131/msg/566.html
投稿者 あっしら 日時 2012 年 6 月 17 日 18:14:00: Mo7ApAlflbQ6s
 


 小泉政権時代も、すさまじい国家社会破壊活動者が統治を担う国になったものだと慨嘆したが、それに輪をかけたようなとんでもない政治状況の出現に怯え戦くばかりである。
 加えて、そのような政治状況を称揚する主要メディア(読売・朝日・毎日・日経の全国紙やNHKなど)の異様な姿に慄然とさせられる。

 三党合意を受けた一般全国紙3紙の16日の社説は、共同社説なのかと見紛うほど、揃って「決められない政治」から「決める政治」への転換が成し遂げられたという観点で三党合意を称揚する内容になっている。

 他のブロック紙や地方紙は確認していないが、東京新聞は、そのなかで光り輝くがごとく、「「一体」改革 消費増税も棚上げせよ」という至極まっとうな社説を掲げている。当たり前で敬意を表するほどのことではないはずだが、ついつい東京新聞を称賛したくなるというのは、日本のメディア界の哀しい実状を物語っている。

 15日に民主・自民・公明三党で合意をみた内容を端的に言えば、目的であるはずの社会保障の在り方は棚上げにしたまま、手段である消費税増税だけは法律として確定させようというものである。

 これをもって、「決められない政治」から「決める政治」に脱皮したと称揚する新聞社幹部の知性を疑う。元々“ためにする”社説だから論理がデタラメなのは承知である。だから、知性を疑う理由は、そんなみっともないほめ方ではなく、もっとましなほめ方があるだろうという点にある。

 肝心要の年金については棚上げしながらも、かたちだけはぎりぎり「社会保障と税の一体改革」として国会に上程されたものが、本音むき出しの「消費税の“一本”改革」=「消費税と法人税の一体改革」(消費税増税と法人税減税)に変容したというのが三党合意の実質的な内容である。

 これまでの投稿で説明してきたように、消費税の税率アップは、社会保障の維持や充実のためでも、「財政健全化」に向かうためのものでもない。

 社会保障との無関係性は今回の合意の内容からも見えてくるが、年々1兆円ずつ増大する社会保障相当をはるかに超える規模で財政支出の肥大化させてきたここ数年の財政運営を見れば、「財政健全化」という目的もウソであることがわかる。

 気力が続けば別途説明するつもりだが、ここ3年ほどの財政支出肥大化=赤字国債発行増大=政府債務残高増大は、税収不足や社会保障費増大に対応した結果ではなく、銀行など金融業への“助成策”として進められてきたものなのである。

 その目的が達成できるかどうかは別として、「消費税と法人税の一体改革」の目的は、国際的な経済活動に励むグローバル企業の競争力アップを牽引力として、日本経済全体の活力を回復させることである。
 しかし、統治者としては、税制を通じて、グローバル企業(輸出免税&設備投資)や成長企業(設備投資大)そして銀行などの金融業(金融取引非課税)に“利益”を与えることで国際競争力や日本経済の成長を計るとは説明できないがゆえに、“社会保障”や“財政”をもっともらしく持ち出してごまかしているのである。

 「消費税と法人税の一体改革」が、経済論理に照らして、普遍的に誤った政策だと主張するつもりはない。
 デフレ基調にある日本で採用すればとんでもない“破壊行為”になるが、異なる経済条件と経営思想を持つ経済社会とそれを活かす政策を実施できる政治国家で進められたら、それなりの“経済成長効果”は発揮すると考えている。

(「消費税と法人税の一体改革」以外にも可能な政策はあり、消費税=付加価値税の“社会主義”=国家統制経済的手法には反吐を催すので、どうであっても賛同はできない)


※ これに関する論理は次に示す投稿を参照していただきたい。

「E:消費税増税の目的は、「社会保障」や「財政再建」ではなく、「国際競争力の回復」である:付加価値税と“国際関係”」
http://www.asyura2.com/12/senkyo129/msg/400.html


 しかし、09年総選挙で多数派を獲得した民主党が掲げた政権公約をことごとく政策から追い払う一方で、政権公約で否定した政策である消費税増税だけはなんとか実現しようという合意が、世間を憚ることなく大手を振ってまかり通っている現状は、民主政治の終焉を意味するといっても過言ではないだろう。

 その責任の多くは当然のように民主党主流派にあるが、自分たちの主張が採り入れられたとしても、民主政治の根底を破壊する合意の一翼を担った自民党と公明党も責任を免れることはできない。

 自民党や公明党は、当初主張していたように、政権公約を裏切る消費税増税を政策化したいのなら解散総選挙で主権者の意向を問わなければならないと言い続ける責任がある。それこそが“責任野党”の言動だ。
 それは、政策の妥当性や必要性の問題ではなく、民主政治の根幹に関わる問題だからである。

 民主党政権は、「子ども手当」騒動が象徴だが、国民にバラマキを行っていると非難もされてきた。しかし、「子ども手当」は、元々がリーマン・ショック後の不況対策の変形として持ち出された政策なのだからバラマキで当然だが、自公政権時代の「地域振興券」よりもバラマキ度合いは低いかも知れない。さらに、「子ども手当」の導入に伴い実施された所得税の扶養関連控除の廃止により、半額で打ち止めになってしまった「子ども手当」は、実質的にプラマイゼロで実入りの増加はないのである。

 厚生年金保険の料率アップなどを考えれば、たとえ給与総額は変わらないとしても、勤労者世帯の可処分所得は減少している。

 政権公約の一大看板であった最低年金制度や後期高齢者医療保険制度は、今回の合意で雲散霧散の瀬戸際にある。
 新自由主義や市場原理思想に心を寄せている人が多い民主党主流派は、自民党からの“要求”でそれらの政策を追い払えるようになったことに内心うれしく思っているはずだ。

 今回打ち出された増税政策は、消費税だけではなく、所得税の最高税率の引き上げや相続税増税もあり、それらは、消費税増税よりも先行して今年度から実施される予定であった。
 財政危機を真顔で声高に言うのなら、国民生活や経済活動への影響が少ないそれらを優先的に実施すべきだと思うが、それらも三党間の合意で棚上げにした。

 「財政健全化」がお題目以上のなにものでもないということがよくわかる動きである。


 “社会の木鐸”を自認する組織のトップにいる全国紙の幹部には、そのような合意のどこが、「決められない政治」から「決める政治」への脱皮なのか、そして、なにをもって新聞社が称揚できることなのか教えて欲しい。そして、「決められない政治」と揶揄している民主党政権がこの3年弱の間に野党の同意も得て成立した法律をリストアップして欲しいものだ。

 年金制度を中核とした社会保障制度の改革は、「社会保障制度改革国民会議」で1年ほどかけて議論して成案を得るというのが合意だが、1年後の時点でも、消費税の税率アップは実施に移っていない。

 「社会保障と税の一体改革」というのなら、手段でしかない消費税の増税を単独で先行させるのではなく、社会保障の改革内容が明らかになったのち、全体像を提示した総選挙を経て、一体で成立をはかるべきである。

 そう言うと、ゴマカシが得意な連中は、「事業者が会計システムの変更など消費税の税率変更に備えた準備が必要だから」とでも反論するかもしれない。
 しかし、まったくさらの状態で89年4月に消費税を導入すると決めた法律は、実施のわずか3ヶ月前の前年12月30日に公布されており、97年4月に消費税税率をアップする法律も、前年の6月19日に公布されている。
 事業者の会計システムやPOSシステム(レジマシン)は、軽減税率が導入されるのならともかく、消費税税率変更に対しては短い期間と低いコストで対応できるようになっている。目的であるはずの社会保障改革の内容が1年後にまとまったのちに、消費税増税法案と一体で成立をめざしてもなんら問題はないのだ。

 国民に選ばれた国会議員として、主権者に最低限の誠実さを示すそのような選択さえしない理由は言うまでもないだろう。
 来年の7月には参議院通常選挙があり、肝心要の総選挙も、任期いっぱいまで引き延ばしても来年9月までには実施しなければならないからである。

 消費税増税派は、消費税増税法案はできるだけ早く成立させ、来年の国政選挙に向け、消費税増税に対する主権者の“怨念”が薄まる冷却期間をできるだけ長く持ちたいのである。
 総選挙は、早くても来年7月のダブル選挙であり(公明党が絡んでいるのでそれもないはず)、おそらく、憲法規定上まっとうな任期満了(解散なし)選挙になるだろう。
 来年の春から夏にかけては、消費税増税論議とは打って変わって、年金など国民に対する給付を増大させる話がメディアを賑わすことだろう。

 消費税増税を引き上げに伴う“敵意”を喪失させる効果的な手法は、幅広い主権者にバラマキをすることだからである。


 今回の「社会保障と税の一体改革」の民主・自民・公明の三党による修正協議の合意を歓迎する向きは、今回の合意こそが日本を救う道で、今回の合意がなければ日本はさらに悲劇的な道に進むと言いたいかもしれない。
 国会議員や報道機関の記者のなかには、真顔でそう思っている“善意”の人もいるとは思っている。
 思考力や判断力に欠けるそのような人が国策を決める国会議員や“社会の木鐸”を自認しているジャーナリストの職にあってもいいのかという問いかけはおくとして、次のことは明確にしておきたい。

 政策に対する好悪は価値観で異なるものだからそれをとやかく言う気はない。
 また、政策の効果性や合理性も、思考力や判断力の違いで評価が異なるものだから、とりあえず悪意は免責されると思っている。
 しかし、憲法を基礎とする民主制政治の在り方に関わる言説についてはそうはいかない。

 民主政治における政策は、論理的な妥当性ではなく、主権者の選択で決まるというのがコアである。
 最高の徳と最高の理性を持ち合わせているかもしれないある人の判断ではなく、有象無象の有権者の判断の“量”に委ねるというのが、ことの善し悪しは無関係に、民主政治の眼目である。
 有象無象の有権者の判断に委ねるがゆえに、主権者の選択が特定勢力の誘導や独りよがりによって“おかしな”もの堕さないよう、政治結社の自由に基づく政党(代議)制や言論の自由を基礎とした活発な議論がなければならないとも言える。

 私は民主主義者ではないが、民主主義の普遍性を持ち上げ、それを盾にことあるごとに中国・北朝鮮やイスラム圏諸国を非難している人々が、今回の三党合意を称揚している姿はまさに倒錯の極みである。

 消費税の増税を次の総選挙までは封印する内容を含んだ政権公約を掲げることで、主権者から政権運営を託されたはずの政党が、急激な政治経済状況の変化もないのに、消費税増税を政策化しようとする動きは、消費税増税そのものに対する賛否は別として、野党やメディア(多くの特権を得ている)によって厳しく糾弾されなければならないはずである。

 仮に民主党が政権公約で消費税問題に触れていないとしても、中核の税目である消費税を増税するという重大政策は、主権者に問いかけ(政権公約に掲げ)ないまま推し進めることはできない。

 消費税増税は日本の将来にとって必要だという誰かの判断がそのような動きを正当化できるというのなら、「振り込め詐欺」ならぬ「票を入れろ詐欺」が容認されたに等しいだろう。
 こんなことがまかり通るのなら、国会議員を主権者が選ぶという唯一とも言える主権行為が無意味のものに堕してしまうからである。

 全国紙の新聞社は、主要広告主であるグローバル企業の意向を汲んで消費税増税を強く求めていると思われる。
 そのような全国紙など新聞社が次に狙うのは、新聞への“軽減税率”の適用であろう。
 そうであれば、低所得者層への給付付き税額控除を政策とする民主党より、食品などへの軽減税率の適用を政策とする自民党に“親近感”を寄せるのは当然である。
 軽減税率は、消費税=付加価値税の内実から、消費者のためにあるのではなく、直接及び間接の効果で供給する事業者のためにある。

 以降は、愚痴になるので書くことをためらった内容である。

 消費税問題を投稿することは鬼門だと思っているが、政局にかかわる投稿は、それ以上におぞましい気分になるのでできるだけ避けてきた。
 日本の統治を関わっている政党や行政機構にまったく期待を寄せていないこの身でも、原発存続問題や消費税増税問題にまつわる動きにブチ切れそうになることもしばしばで、“我が心身の安全”を維持するためには、一歩も二歩も引き下がって眺めなければならないからである。

 3.11震災&原発事故からの1年有余を振り返ると、国会・内閣を頂点とした日本統治機構と大手メディアのおぞましさと腐敗臭に吐き気を催す。

住民や国民の被曝を少しでも減らすために無コストの努力さえしなかった原発事故初期対応、即座に着手すべき復旧活動を増税論議と絡め(消費税増税への先鞭)復興会議とやらにゲタを預け復旧を遅らせた犯罪的醜態、広範囲が長期にわたって居住や農林業農業の不適地域になった膨大な放射性物質拡散事故を引き起こしながら農業も競争力向上をと恥知らずに叫びながらのTPP参加表明、トータルベースでの税の増収さえ疑わしい消費税増税をウソの目的を掲げて押し切ろうとする動き、福島第一原発の事故原因さえ明確にされていないなか電力の需給データも秘匿されたまま短期の金銭的利益のために突き進む原発再稼働などなど、国家社会の行く末をまじめに考える人であれば、正気を保つことが困難であろうと思えるようなとんでもない動きの連続である。

 このような統治者や統治機構の姿は、アジア太平洋戦争時代の統治者や統治機構とダブって見える。

 バブル崩壊後の政策は、“もしやもしや”という気持ちに引っ張られたのか、“どうにも止まらない”という気分でずるずる進んだのかはわからないが、膨大な犠牲と消耗への道に自ら進んだ太平洋戦線への戦力逐次投入に始まり、沖縄地上戦を経て広島・長崎への原爆投下を招いた戦争遂行政策に似たものに見えるからである。
 アジア太平洋戦争で日本は300万人を超える犠牲者を出したとされているが、情報と普通の思考力を有する統治者であれば敗戦必至と判断できた昭和19年夏以降の一年足らずのあいだに200万人以上のひとが死んだと言われている。
 鉄砲の弾や爆弾が飛び交うわけではないが、多くの国民が疲弊し将来への展望を持てなくなっている状況にさらに拍車をかけるような政策が主要政党と大手メディアの合作で進められようとしている状況は、アジア太平洋戦争の終末期を思い起こさせる。

 日本の統治機構は、端的に言えば、無能と腐敗に覆い尽くされている。無能と言うと失礼かもしれない。自分たちの望む政策をもっともらしく見せるためや自分たちのデタラメぶりを覆い隠すための“理屈付け”や“ゴマカシ”の能力は実に長けているからである。

 統治者を気取っている連中は、彼らの観念としてある国家社会のための政策を追及しているのかもしれないが、生身の一人ひとりの国民のための政策はまったく考慮の外に置かれている。抽象的な存在である国家のために具体的な生身の人間(国民)は身を捧げなければならないという戦前・戦中的思考が跋扈しているのである。

 国家のためのいう考え方が一概に間違いと言いたいわけではない。その評価は価値観によって異なるが、80年代までの戦後日本は、国家のためという政策が経済成長をもたらし、国民一人ひとりの経済的諸条件も向上させた。
 敗戦から70年頃までの段階で、国家ではなく、一人ひとりを尊重した政策を実施していればあのような高度経済成長はなく、一人ひとりを尊重した政策であっても、高度成長の成り行き(それを恩恵と言ってもいいだろう)で得た果実よりもずっと小さいものしか国民は手に入れられなかった可能性がある。

 7〇年以降の日本は、国際競争力を重視しつつも、国民一人一人の生活条件向上を目指した政策が、グローバル企業の“利益”にもなる状況を迎えた。
 しかし、そのような政策に転換できずに旧来の政策を続けることでバブルを生成させ、そのあぶくが崩壊する憂き目にあったのである。
 バブル崩壊から20年以上も経過した現在ですら、戦後日本経済史のきちんとした検証は行われていない。
 今の日本の統治者は、80年代以降の経済・金融・財政政策の問題を見極めないまま、欧州諸国や韓国が採用している「付加価値税(消費税)と法人税の一体改革」を日本に持ち込もうと必死になっているのである。

 現在消費税増税に狂奔している連中は、その政策が国民と日本経済に悲劇的な状況をもたらすことになっても、あれやこれやの理屈や理由を持ち出して、自分たちの判断の誤りを認めることはないだろう。

 福島第一原発でとんでもない放射性物質放出事故を引き起こした東電のその後の言動に反省の姿を見る人は少ないだろう。

 それも当然である。東電幹部やほとんどの従業員は、アジア太平洋戦争を遂行した連中やバブルの生成や崩壊そしてその後の経済政策に責任を有する連中がそうであった(あるる)ように、反省もしていなければ、悪いとも思っていないからである。

 彼らを勝手に代弁すれば、「日本のために、安定した廉価の電力を供給してきた我々が非難される謂われはないはずだ。原発の導入そのものも、国策によって強いられたものである。福島第一の事故も、想定外の巨大津波で引き起こされたものだから、我々も犠牲者なのである。想像力や思考力を働かせれば、原発の設備や施設にまつわる危険な要素は無数にある。安全強化のためにお金をつぎ込めば、原発を動かす意味がないほどコストが高くなる。政府もそれがわかっているから、阿吽の呼吸で、ほどほどの対策にとどめてきたのである。それなのに、東電が悪の権化であるかのように扱われている。称揚されてもいいほど国家社会に貢献してきたのに、給与を引き下げろ、資産は売れと怒鳴られている。福島第一も、福島第二(時間が経てばなんとかなるかもとも思うが)も、廃炉にせざるを得ないようだが、その建設のために借り入れた社債は残る。原発が悪いというのなら、導入させた政府は責任をとって原発を買い上げ、廃炉処分を行って欲しいと言いたい」というものかもしれない。

 これを、思い上がりや洗脳(マインドコントロール)のせいだというのはたやすい。(もっともだと思う人もいるかもしれない(笑))
 オウム真理教の残された指名手配メンバーが次々と逮捕されるなかで、テレビなどもマインドコントール云々を言い立てている。

 マインドコントロールについて断言できることが少しだけある。

「マインドコントロールなんかされていないと思っている人は、確実にマインドコントロールされている。自分がマインドコントロールされていることに気づいた人は、少しはマインドコントロールから抜け出ている」

 しかし、どうなるんだろうね、これからの日本は。


※ 関連参照投稿


「A:消費税増税法案をめぐる政局:「小泉改革」を超える“日本破壊政策”が「野田改革」:小沢判決との関連」
http://www.asyura2.com/12/senkyo128/msg/903.html

「B:消費税(付加価値税)と経済成長:デフレ下での消費税増税はその破壊力を生々しく実証する“経済学的社会実験”」
http://www.asyura2.com/12/senkyo128/msg/905.html

「C:消費税増税は「社会保障の維持」とは無関係:竹中平蔵氏「社会保障のためなら高中所得者対象の所得税増税以外にない」」
http://www.asyura2.com/12/senkyo129/msg/194.html

「D:「財政再建」に寄与せず逆に足を引っ張る消費税増税の論理:フロー課税の連関性だけで見えてくる消費税増税の結末」
http://www.asyura2.com/12/senkyo129/msg/198.html

「E:消費税増税の目的は、「社会保障」や「財政再建」ではなく、「国際競争力の回復」である:付加価値税と“国際関係”」
http://www.asyura2.com/12/senkyo129/msg/400.html


「消費税シリーズ番外編:「輸出戻し税」妥当説の妥当性を簡単に説明」
http://www.asyura2.com/12/senkyo129/msg/466.html

「消費税シリーズ番外編:消費税と法人税は基本的に同じ税金:消費税と法人税の転嫁について」
http://www.asyura2.com/12/senkyo129/msg/504.html

「EkRMugNzZkさんへの質問:「消費税還付」は“坊主丸儲け”!?:消費税還付金の会計処理について」
http://www.asyura2.com/12/senkyo129/msg/523.html


「「追加金融緩和策」の目的と「消費税増税」の意図そして「国債発行増加」は誰のため?:[その1]「追加金融緩和策」の目的」
http://www.asyura2.com/12/hasan75/msg/179.html

「[その2]「財政問題の基本」:日本にとって財政問題とは何なのか」
http://www.asyura2.com/12/hasan75/msg/238.html

「[その3]わかると、低迷を続ける日本経済の元凶が何かが透けて見えてくる消費税の内実」
http://www.asyura2.com/12/hasan75/msg/246.html

「[その4]消費税論議で駆使される嘘やマヤカシは“消費税特権者”を守護する粉飾:経団連が消費税増税を求める真の理由」
http://www.asyura2.com/12/hasan75/msg/300.html

「[その5]消費税に取って代わるべき税制:「小売売上税」への変更で消費税にまつわるデタラメは解消」
http://www.asyura2.com/12/hasan75/msg/309.html

「[その5の補足]米国型「売上税」と「消費税」:米国で考えられている「法人付加価値税」(BAT)とは何?」
http://www.asyura2.com/12/hasan75/msg/316.html

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※ 三党合意を受けての新聞社の社説(東京新聞・読売新聞・朝日新聞・毎日新聞・日経新聞)

[東京新聞]:「一体」改革 消費増税も棚上げせよ
2012年6月16日

 民自公三党が「一体改革」法案の修正に合意した。社会保障の抜本改革を棚上げするなど一体改革には程遠いにもかかわらず、消費税は上げるという。この際、増税も棚上げすべきではないのか。

 政党政治に新たな汚点を加えることになりはしないか。

 消費税増税を柱とする「社会保障と税の一体改革」関連法案の修正協議で、民主、自民、公明三党が合意に達した。今国会で成立すれば消費税は5%から二〇一四年四月に8%、一五年十月に10%へと引き上げられる。

 実際の増税前に次の衆院選が必ず行われ、その是非を問う機会があるとはいえ、法律が成立してしまえば阻止するのは至難の業だ。

 民主党は〇九年衆院選で消費税増税はしないと約束し、一〇年参院選は増税を掲げて惨敗した。有権者が拒否した政策をなぜ強行するのか。次の衆院選で、有権者は何を信じて投票すればいいのか。

 野田佳彦首相は、本格的な少子高齢化社会を迎え、持続可能な社会保障制度を構築するための消費税増税だ、と言う。だから、社会保障と税の改革は「一体」だと。

 ところが年金の最低保障機能や高齢者医療制度の見直しなど、消費税増税と一体であるはずの社会保障の抜本改革は棚上げされ、有識者らによる「国民会議」で一年以内に結論を出すことになった。

 与野党が協力して社会保障改革に取り組むのは是とするが、それならば改革案がまとまって必要な財源額が確定するまで、増税決定も見送るのが筋ではないか。
 社会保障の全体像が見えないまま消費税増税に踏み切るのなら、最初から増税だけが狙いだったと批判されても仕方があるまい。

 財政への危機感は首相と共有する。今の社会保障が持続可能とも思わない。国民も同じだろう。社会保障も税も抜本改革が必要だ。
 それを進めるには国民の理解と同意が欠かせないが、野田内閣の努力は十分といえるだろうか。〇九年衆院選マニフェストに「書いてある」政府や国会の無駄排除に取り組まずに、「書いていない」消費税増税を強行することには、国民が納得しないだろう。
 民主党内に消費税増税に反対する動きがある。良識ある国会議員としては当然だ。首相はそうした議員を切り捨て、消費税増税のために自民党と組むというのか。

 「書いてあることは命懸けで実行する、書いてないことはやらない」。こう公言していたのは首相自身である。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2012061602000108.html

[東京新聞6月16日朝刊]

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一体改革合意 首相は民主党内説得に全力を(6月16日付・読売社説)

 長年の懸案である社会保障と税の一体改革の実現に向けて、大きな前進と、歓迎したい。
 民主、自民、公明3党が、一体改革関連法案の修正協議で合意した。当初の予定通り、今国会会期末の21日までの法案の衆院通過を目指す。

 社会保障分野に関する各党の主張に隔たりがあり、交渉は難航したが、各党が譲り合い、合意を形成したことは高く評価できる。これを「決められる政治」に転じる貴重な一歩としてもらいたい。
 野田首相は、自民党の対案を基本に合意をまとめるよう民主党の交渉当事者に指示し、年金制度や子育て支援策で大幅に野党に歩み寄る決断をした。
 自民党も、これに呼応し、自民案の「丸のみ」という要求を取り下げて譲歩した。野党ながら、自民党が果たした役割は大きい。

 焦点だった最低保障年金の創設と後期高齢者医療制度の廃止については、民主党の政権公約(マニフェスト)の撤回にこだわらず、一時棚上げして、「社会保障制度改革国民会議」で結論を出すことで折り合った。
 自民党が撤回に固執すれば、民主党の増税反対派に加え、中間派も反発して党分裂含みになり、採決が困難になる恐れがあった。
 民主党の公約撤回に強くこだわっていた公明党も、3党合意に自党の主張が一定程度反映されたことを評価し、最終的に合意に加わった。この意義は大きい。
 一体改革は、どの党が政権を取っても取り組まざるを得ない中長期的な重要課題である。できるだけ多くの党が賛成して、法案を成立させることが望ましい。
 社会保障改革の結論が先送りされたことを、単純に「増税先行」と批判するのは間違いである。
 増税の実施は再来年4月だ。1週間の修正協議で強引に結論を出すのと比べて、1年間かけて国民会議で議論し、より良い政策をまとめることは悪くない。
 今後は、民主党が今回の合意内容を了承して採決に臨めるかどうかが、最大の焦点となる。
 小沢一郎元代表らは、「増税より前にやるべきことがある」との相変わらず無責任な論法で、増税反対勢力の多数派工作を展開し、野田首相を揺さぶっている。
 民自公3党が合意したのに、政権党の足並みが乱れ、採決ができないような事態は許されない。

 一体改革の成否がかかる正念場だ。首相は、党内の反対を最小限に抑えるため、まさに政治生命を懸けて党内を説得すべきだ。

http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20120616-OYT1T00099.htm

(2012年6月16日01時17分 読売新聞)

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[朝日新聞]:修正協議で3党合意―政治を進める転機に


 多大な痛みを伴うが、避けられない改革だ。
 社会保障と税の一体改革をめぐる修正協議で、民主、自民、公明の3党が合意した。
 多くの政策課題が積み残しになった。民主党内の手続きも予断を許さない。それでも、この合意が「決められない政治」を脱する契機となることを願う。

 高齢化の進展に伴い、年金や医療、介護の費用が膨らむ。
 低賃金の非正社員や、頼れる身寄りもなく子育てをする人が増えて、支援を求めている。
 財源が要る。それを借金に頼り、子や孫の世代に払わせるのは、あまりにも不誠実だ。
 なぜ「決められない政治」に陥ったのか。それは、政治家が厳しい現実と向き合うことから逃げてきたことが大きい。

 経済が右肩上がりで伸び、税収が自動的に増えた時代はとうに終わった。
 だが、選挙で選ばれる政治家は有権者に負担を求めるのが苦手だ。財源のあてもなく、あれもこれもやると公約するから実現できない。だれかが苦い現実を説くと、必ず甘い幻想を振りまく反対勢力が現れ、前へ進むことができない。

 「ねじれ国会」のもと、その弊害は目を覆うばかりだ。
 それだけに、国民に苦い「増税」を含む改革に合意した意味は大きい。
 それは、政権交代がもたらした計算外の「成果」かもしれない。ばら色の公約を掲げて政権についた民主党だが、財源を見いだせず多くの公約をかなえられなかった。
 自民党に続き、民主党も政権運営の厳しさを学んだ2年9カ月だった。
 合意は、両党の隔たりが実は小さいことも教えている。
 独自色を出そうにも、財政の制約のなかでは、現実にとりうる選択肢は限られる。だから修正協議の主な争点は、法案そのものではなく、新年金制度など民主党の公約の扱いだった。

 2大政党が一致点を探り、実現していく例は増えるだろう。
 ただ、それには一長一短がある。政治が動くのはいいが、今度はその方向が問われる。
 たとえば自民党は、3年で15兆円を道路網の整備などにあてる国土強靱(きょうじん)化法案を提出している。時代の変化を見据えず、公共事業頼みに逆戻りするような主張をどう扱うのか。民主党も問われることになる。
 それでも、争うばかりの政治は卒業しなければならない。
 民主党執行部が、反対派にひるまず一体改革に党内の了承を取り付ける。それが出発点だ。

http://www.asahi.com/paper/editorial20120616.html

[朝日新聞6月16日社説]

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社説:民自公修正合意 「決める政治」を評価する

毎日新聞 2012年06月16日 02時30分

 2大政党の党首が主導し、政治は崖っぷちで踏みとどまった。税と社会保障の一体改革関連法案の修正協議で民主、自民、公明3党が合意した。焦点の社会保障分野は民主党が公約した最低保障年金制度創設などの棚上げで歩み寄った。
 民主党政権の発足以来、初めてとすら言える「決める政治」の一歩であり、歴史に恥じぬ合意として率直に評価したい。だが、民主党内の対立は分裂含みで激しさを増しており、今国会成立というゴールまではなお、不安要因を抱えている。
 野田佳彦首相は党内のかたくなな反対勢力と決別し、ひるまず衆院での採決にのぞむべきだ。より広範な国民理解を実現するため、参院での審議などを通じ与野党は制度設計の議論を続けねばならない。
党分裂おそれず採決を 民主党にとって譲歩に譲歩を重ねてようやくつかんだ、満身創痍(そうい)の合意である。とはいえ、首相が政治生命を懸けた消費増税で主要3党の共通基盤を築いた意味には極めて重いものがある。
 民主、自民両党とも複雑な内部事情を抱えつつ合意にたどりついたのは、日本が抱える財政危機の深刻さの裏返しだ。国と地方の債務残高が1000兆円規模に達する中で、増加する社会保障費への対応を迫られるという異常な状態だ。「決められない政治」からの脱却を目指し、混乱を回避することで既存政党が最低限の責任を果たしたといえよう。

http://mainichi.jp/opinion/news/20120616k0000m070092000c.html

[毎日新聞6月16日]


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[日経新聞]:首相は消費増税の実現へひるむな

 社会保障と税の一体改革の関連法案の修正を巡り、民主、自民、公明3党が基本合意した。財政の健全化へ踏み出す第一歩として歓迎したい。あとは野田佳彦首相が民主党内の反対にひるむことなく採決へ突き進む気概があるかどうかだ。
 民主党の輿石東幹事長は党内融和を最優先し、3党合意をすぐに履行することに後ろ向きだ。21日までの今国会の会期を延長せず、法案審議を丸ごと秋以降に先送りすることもあるという。

社会保障は効率化を

 首相は今国会での法案成立に政治生命をかけると断言した。意に沿わない執行部ならば党分裂も覚悟で入れ替えるしかない。
 国が抱える借金は1000兆円規模に膨らんだ。国内総生産(GDP)の約2倍である。歳入の確保と歳出の抑制をともに実施しなければ、本格的な財政再建はおぼつかない。
 3党は現行5%の消費税率を2014年4月に8%、15年10月に10%まで引き上げることで一致した。日本経済にかかる負荷を和らげるため、2段階で税率を引き上げるのは妥当である。
 景気への配慮は必要だが、経済が大きく落ち込まない限り、安易に消費増税を先送りすべきではない。景気情勢を見極めながら増税の是非を判断する弾力条項を、増税回避の口実に利用されないよう注意しなければならない。
 残る課題は消費増税の負担が相対的に重くなる低所得者への対策である。3党は税率を8%に引き上げる14年4月に、一定額の現金を配る「簡素な給付」を実施する方針だ。
 現金給付と税額控除を組み合わせた「給付付き税額控除」を導入するか、食料品などの「軽減税率」を採用するかについては、結論を先送りした。低所得者への対応策は、ばらまきに陥らないように設計する必要がある。
 一方、年金の持続性の向上や医療保険財政の立て直しに向けた社会保障改革は一部の手直しで済ませ、根幹の部分は棚上げした。
 幼稚園と保育所を一体化する「総合こども園」を撤回し、低所得者への年金加算を修正した。民主党が公約した最低保障年金の創設や後期高齢者医療制度の廃止に関しては、今後1年かけて結論を出すという。
 各党は早急に政策協議の場をつくり、将来を見据えた年金・医療の抜本的な改革案を示したうえで、それを実行する責任を共有すべきである。そうでなければ一体改革の名に値しない。
 社会保障の給付費が膨らむのを抑えるには、高齢者に応分の負担を求める必要がある。だが3党は給付抑制や制度の効率化を避けている。年金は、改革の全体像を示さないまま低所得者への大幅な加算を認めるなど、ばらまき色が濃くなった。これでは穴の開いたバケツに水を注ぐようなものだ。
 厚生年金と公務員などの共済年金との一元化は、それぞれが抱える積立金の統合方法について、厚生年金の会社員側に不利なしくみになっている。一元化は急ぐべきだが官優遇の温存は許されない。
 医療保険の財政立て直しは先送りされた。高齢者が使う医療費をどの世代がどう分担するのか、基本的な考え方がいまだに曖昧だ。病気やケガをする可能性が高く、保険制度になじみにくい後期高齢者の医療費には税の投入を増やし、現役世代や経済界を苦しめている支援金などを減らすべきだ。
成長の促進も不可欠
 70代前半の人の窓口負担を本則の20%にしたり、外来受診時に定額の負担を上乗せしたりする案をもう一度、議論の俎上(そじょう)に載せてほしい。
 増税の使途もみえにくくなった。政府・与党は5%の税率引き上げのうち4%を現在の社会保障費の赤字補填に、1%を給付の充実にあてるとしてきた。総合こども園の撤回などで使途を修正するなら、説明責任を果たすべきだ。
 一体改革法案が成立しても、財政再建は一歩を踏み出すにすぎない。内閣府によると、消費税率を10%に引き上げても、20年度には基礎的な財政収支の赤字が残る。黒字に転換するという野田政権の目標達成には、16%まで上げなければならない計算だ。
 消費増税だけで財政再建はできない。行政府と立法府の支出を見直し、独立行政法人を含め無駄な歳出を徹底して削る必要がある。社会保障費も例外ではない。さもなければ、増税だけが際限なく膨らむ恐れがある。法人減税や自由貿易を通じて経済成長を促し、税収を底上げする工夫も不可欠だ。

[日経新聞6月16日朝刊P.2]


 

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コメント
 
01. 2012年6月17日 18:33:28 : GotTO0wbBE
そうか。
オウム逮捕劇は、もちろんスピンと思っていたが、こうだったのね。

つまりマインドコントロールされているかわいそうな人々というのを
もう一度思い出させて、
視聴者に、「私たちはマインドコントロールされてない健全な人間」と考えさせ
心地よい眠りに誘うためだったのね。


02. 2012年6月17日 18:45:59 : RsreIIQ23Y
学会友人との話
学会は21日解散
総選挙とのことで臨戦態勢
でも
3党合意はなぜ?とのこと
増税するなら動寡ないと明言
公明党よいい加減筋はたつのか
みんな周りの学会に聞くべきだ
もはやチン太郎一族
ノビテルはレッドカードだ

03. 2012年6月17日 18:53:31 : 8XZz62TIwQ
あっしらさんへ。つい質問そびれていたのですが、当方は経済オンチですので、消費税がらみの、素朴な質問があります。

消費税は輸出振興策とのことですが、そうすると、競争力を表現すると思われる、通貨の相対的な価値にゆがみがでてくるのではないでしょうか?

採用している国家の通貨の変動幅にどのような影響が出るのでしょうか?

円で云えば、円高に振れやすくなるのでは、ないでしょうか?

投機筋に、かなり、張りやすい場を提供している?のではないか?

実はこれが本当の目的?

これらの疑問、疑念があるのです。

よろしくお願いいたします。



04. 2012年6月17日 20:08:18 : lFtrGPhedw
地方紙の読んだけど、北海道から沖縄まで増税先行、一体改革の名が泣く、これでは国民の理解は得られない、談合とかばっかりだった

05. 2012年6月17日 23:15:50 : aWK2g4eAOg
http://www.youtube.com/watch?v=kPmVPLMsRRk&feature=youtu.be&a
石原伸晃の会見↑

石原伸晃は既に日本を捨ててますね。        
増税大変だーーお前達だけでは可決出来ない
その為には先ず連立だと連立をそそのかし、
その後で増税は状況次第でーーーを表に持ってくる。    
伸晃の姑息な立ち回りに反吐が出る。
よくも恥ずかしくもなくこんな説明を記者会見の場で,
それも、ぬけぬけと、
日本人をペテンにかけるつもりなのか? 
之程露骨なペテン政治家は日本史上類を見ない。
伸晃の説く増税案に――――大して心配なしと「こちらが思えば」相手の術にハマる。

これではっきりしたことが一つある。
増税は確かに大変な問題だが
彼が隠していたものと比べると増税問題は「その比ではない」
最大の眼目は増税の裏に隠れた、民主盗み取りだった。
正しく日本史に類を見ないハレンチ行為。
こんな事までして、政治化家業にしがみつく、こんな政治家、此方は真っ平御免被りたい。
ところでどうして此処まで連合に血眼になるかだ。
それはだ対立党から成る、民主主義が邪魔だからに他ならない。
対立党を消し去り、大連合が組めれば、増税案可決などなどそれこそ朝飯前だ。
しかも増税を超えたあらゆる日本壊しが可能になる。 
大連合で専制政治を組み、石原慎太郎、橋下の類をトップに据えれば。ー―――郵貯仕切り直しも、戦争だって。
伸晃はその仕掛け人と言う事になりそうだ。



06. あっしら 2012年6月18日 01:41:15 : Mo7ApAlflbQ6s : DvLZNEv2EI

8XZz62TIwQさん、レスありがとうございます。

 まず、消費税税率のアップ自体は、円レートの変動に関して中立です。

 消費税の税率アップは、供給事業者に課される消費税の負担増を意味するので、供給事業者にその負担の転嫁を計らせるため、消費者物価指数や企業物価指数の上昇要因となります。

 逆の言い方をすると、消費税税率アップ相当の消費者物価指数の上昇が達成されなければ、その国民経済の名目GDPは、消費税の税率アップの影響で縮小することになります。
 消費税(付加価値税)の税率アップは、国家により付加価値の分配を歪めるというとんでもない税制ですが、財政支出を含めて、税率アップに見合う物価上昇を引き起こすだけの名目需要の増大があれば、名目GDPの縮小という打撃的弊害を緩和することができます。

 日本は、他の国ではまったく見られない、15年近くも名目給与水準が下がる状況が続いています。そして、それが上昇に転じる気配は、まったくといっていいほどありません。
 そのような状況下で14年・15年に消費税率がアップされれば、膨大な追加的財政支出が行われない限り、経済社会は、需要縮小でとてつもない打撃に見舞われることになります。

 消費税(付加価値税)のアップとともに名目可処分所得が増大して名目GDPが縮小しないような変動であれば、自国通貨のレートが下がる可能性もあります。


 外国為替レートは、基本的(長期的)には、貿易財を中心とした物価のインフレ率の差で規定され、短長期的には金利の差で規定されます。日々の変動は、政治・経済的“事件”などに強い影響を受けますが、それはノイズと考えることができます。
 米国より日本のインフレ率のほうが小さい状況が続けば円高に動き、米国よりも日本の金利が低い状況であれば、円安に動くということです。

 このような論理を前提に、日本の経済状況を考えて、消費税の増税で円高に振れるのではというご指摘については、そうなる可能性が高いと答えさせていただきます。

 グローバル企業にとって、消費税の輸出免税制度はコストの低減を意味し、「消費税と法人税の一体改革」は税負担の軽減を意味します。
 コスト面と利益面の双方向からグローバル企業を支えるのが、「消費税と法人税の一体改革」です。

 円のレートについて消費税の変動が中立というのは、消費税の税率アップという支援を、輸出価格の引き下げに活用するのか、同じ価格で輸出したときに得られる利益の増加に活用するかは経済状況や経営判断によるからです。
 国際価格競争力ではなく利益の増大に活用すれば、円高に振れる目は消えます。

 そう言いつつ、消費税の増税が円高要因と判断する理由は、


● デジタル家電が象徴的ですが、円高に伴う価格競争力の劣化が業績不振の根本的な原因と考えている企業が多いので、消費税増税で「輸出戻し税」が増大すると、輸出競争力のアップをめざして輸出価格を引き下げるだろうと思うからです。

(輸出価格の引き下げは短期的には競争力のアップにつながりますが、ほどなく円高を誘引するため、元の木阿弥になってしまいます。そのため、さらなる人件費カットに動き、さらなる消費税増税を求めるようになります)


● 消費税増税は、「輸出戻し税」を受け取るグローバル企業でさえ、コスト削減に向かわせます。
 何度か書きましたが、利益を減らすわけにはいかない企業にとって、消費税増税という負担増加に対抗する手段は、直接雇用の人員を減らすことにつきます。

(利払い・配当・役員賞与なども消費税の課税ベースですが、利払い以外は減らすわけにはいかないでしょう)
 
 多くの企業が一斉に直接雇用人件費の削減に動くわけですから、国内市場の需要はじりじりと縮小していきます。
 需要の縮小は、製品価格の低下につながります。とりわけ輸出は、国内価格を維持するための調整弁として活用されるので、より大きな価格低下につながります。
 物価下落=デフレ=インフレ率低下とりわけ輸出価格の低下は円高の要因です。

【引用】
「投機筋に、かなり、張りやすい場を提供している?のではないか?
実はこれが本当の目的?
これらの疑問、疑念があるのです。」

【コメント】
 消費税(付加価値税)の増税が国際金融家や国際投機筋に利益を与える政策であることは認めます。
 株式の外国人保有率はグローバル企業のほうが国内専業企業より高いわけですから、グローバル企業の利益が増大する政策は、彼らにとっても利益です。

 ただ、外国為替市場を直接にターゲットにしたものとは考えていません。
 いずれにしろ、消費税の増税は、外国為替市場に即効で影響を与えるものではありません。

 日本経済は、先進国で唯一デフレ基調にありますから、円レートの長期的トレンドは否応なく円高と言えます。
 中国元に対するレートは別ですが、円安に動くとしたら、02年から08年まで続いた「円キャリー取引」の再来以外には考えにくいという状況です。ご存じのような国際金融状況ですから、そのような取引が近いうちに膨らむとは考えにくいですね。



07. あっしら 2012年6月18日 01:50:34 : Mo7ApAlflbQ6s : DvLZNEv2EI

lFtrGPhedwさん、情報ありがとうございます。

 地方紙の健全性に救われる気持ちがします。

 消費税増税で地方の財源も潤うと考えている首長や議員もいるようですが、消費税増税でより大きな打撃を受けるのは、農漁業や地場産業そして中小商店のウェイトが高い地方です。
 地域を基盤とする供給事業者を痛めつける税制から上がってくるお金を期待するのは、地方自治を担う人として倒錯の極みだと考えています。



08. 独歩 2012年6月18日 16:14:17 : OcXlFVq.c5uyc : ihoKj4svUQ
このスレに記載されているリンク先のあっしら氏の投稿文を読んで疑問点が生じましたので、こちらに書かせて頂きます。

「E:消費税増税の目的は、「社会保障」や「財政再建」ではなく、「国際競争力の回復」である:付加価値税と“国際関係”」
http://www.asyura2.com/12/senkyo129/msg/400.html

ででてくるマージン計算がどうもおかしい気がするのです。
あっしら氏は、「輸出戻し税」において下記の計算をされておられます。

↓↓↓↓ ここより(あっしら氏投稿文)

例えば、税抜国内売上:400億円・税抜総仕入500億円・輸出:300億円・マージン200億円のケースで消費税の処理を終えると、
・消費税率5%:
消費税額=(420億円−525億円)×5/105=▼4.76億円
還付金=4.76億円
最終マージン=204.76億円
・消費税率10%:
消費税額=(440億円−550億円)×10/110=▼10億円
還付金=10億円
最終マージン=210億円
 消費税の増税があったのに、この輸出企業は、消費税を勘案すると、マージンが逆に増えている。この例では、2倍以上も増加している。

↑↑↑↑ ここまで

そもそものマージンは200億と設定(固定)をされていますが、税込み計算をすると、
・消費税5%のケース 
(420億円+300億円)−525億円 = 195万円 → マージン
・消費税10%のケース
(440億円+300億円)−550億円 = 190万円 → マージン
となり、差額が▼5万円となるのではないでしょうか。
それを還付金(あっしら氏計算)とあわせると、最終マージンは、
消費税5%のケース   = 199.76億円
消費税10%のケース  = 200億円
で、その差額は0.26億円となり、還付金は2倍以上に増えたものの、トータルのマージンでの増加は、1.0012倍ほどということにはなりませんか?
それにそもそも消費税5%のケースの還付金が▼4.76億円というのは、よくわかりません。▼5億円の計算間違いではないですか?そうなると差額では、トータルのマージンは全く増えていないことになります。
さらにこの業者の国内での販売形態が、末端の消費者への販売ということになれば、価格転嫁が平均的に25%となってしまうのであれば、トータルのマージンでは減少してしまうという結果となり、消費税増税が、多くの輸出業者にとってあまり旨みのある状況とはいえないとも思います。


09. 独歩 2012年6月18日 16:20:33 : OcXlFVq.c5uyc : ihoKj4svUQ
↑ 単位間違いしておりました。「万円→億円」です。慌てていました。

10. 独歩 2012年6月18日 17:16:16 : OcXlFVq.c5uyc : ihoKj4svUQ
上の追加で、例えば、税抜国内売上:0億円・税抜総仕入500億円・輸出:700億円・マージン200億円(税抜き)という完全輸出依存企業の場合を仮定すると、

消費税率5%:消費税額=(0億円−525億円)×5/105=▼25億円(還付金)
消費税率10%:消費税額=(0億円−550億円)×10/110=▼50億円(還付金)

税込仕入れを引いた場合のマージン 
消費税率5%: 700億円−525億円=175億円
消費税率10%: 700億円−550億円=150億円

還付金を合わせたトータルマージン
消費税率5%: 175億円(マージン)+ 25億円(還付金) = 200億円
消費税率10%: 150億円(マージン)+ 50億円(還付金) = 200億円

ということで、還付金を合わせたトータルマージンは、輸出100%の会社においても差額0となり、消費税アップの旨みはありません。
もちろん、消費税上昇分を仕入れ価格に転嫁されなければ、その分は儲けとなっていきますが、上場企業ともなれば、下請けはグループ会社のケースが多く、機械的に消費税分は転嫁されていくのではないかと思われます。


11. 2012年6月18日 19:31:42 : gLYNZSkXQ6
新聞が提言税率の対象になるという約束になっているそうです。ラジオでどっかの新聞(○経新聞)の人が言っていました。したがって、各紙とも、消費税に肯定的になっているんですね。すべてやらせ!!恥かしくないのかな?日本のジャーナリストは、利権屋ですね。
新聞が低減税率の対象になるなら、何に消費税がかかるの?またここに、利権の温床が出てきます。

12. 独歩 2012年6月18日 23:18:17 : OcXlFVq.c5uyc : ihoKj4svUQ

>>税制を通じて、グローバル企業(輸出免税&設備投資)や成長企業(設備投資大)そして銀行などの金融業(金融取引非課税)に“利益”を与えることで

利益ではなく、不利益が少ないという感じではないでしょうか。
特に、非課税業者である金融業は、仕入れに対する還付が受けられないというデメリットが存在します。
最終マージンのみを単純計算で考えると、消費税のメリット順(というかデメリットの少ない順)では、
免税業者 > 転嫁が容易な企業 > 非課税業者 > 転嫁不可業者
といった感じになります。
例えば、税込売上550億(税抜500億) 税込仕入330億 の場合の最終マージンを比較すると、
・免税業者 500億−330億=170億(マージン)+30億(消費税)=200億
・転嫁企業 550億−330億=220億(マージン)−20億(消費税)=200億
・非課税業 500億−330億=170億(マージン)+ 0億(消費税)=170億
・転嫁不可 500億−330億=170億(マージン)−15億(消費税)=155億
というように、消費税により、最終マージンが税抜きマージンの200億からさらに大きくなるわけではなく、200億を上限に、企業形態によってデメリットが増えていくといった感じです。特に金融業(金融取引非課税)には、メリットを与えているわけではなく、少なからず消費税によるデメリットがあります。

また、設備投資が大きいとメリットが大きいというのは、元々建物に消費税が転嫁されているのなら、その分が戻ってきたというだけの話であり、あるとすれば、後から現金が来る喜びでしょうか。
もちろん手持ち資金が少なく、満額ローンで購入した場合に、後から消費税が還付されて手持ちの現金が増え、ちょっとしたオーバーローン感覚を味わえることでしょう。
ただ、業績悪化で、それを売却しようものなら、不意打ちに来る消費税の多さに衝撃を受けることでしょう。さらに消費税は上がる一方ですから、消費税が5%の時に設備投資をして、10%の時に売却するとなると、これまた大変です。もちろん建物は古くなれば評価も下がりますが、消費税の基準となるのは、基本は固定資産税の評価を基礎に按分計算したものであり、建物市場価格ではありません。古くなって建物価格がつかず、タダ同然、むしろ壊し代まで引かれて売却しても、しっかり建物評価で消費税が取られるというオチまでついてきます。


13. 独歩 2012年6月19日 00:15:42 : OcXlFVq.c5uyc : ihoKj4svUQ
もし仮に消費税増税がグローバル企業にメリットを与えるのなら、消費税増税を海外(最近ではイギリスのエコノミスト)から、しきりに圧力じみたものが発せられることに違和感を感じます。
もちろんIMFやその他の海外圧力などは、外務省の働きがあると言われますが、真相はわかりません。
法人税の減税は、明らかにグローバル企業の海外移転を止めるものであるとは思われます。そしてそのマイナス分を補完する意味において、少なからずグローバル企業にはデメリットの少ない消費税増税ならば、グローバル企業優遇と捉えても、その通りかとは思われます。
ただ、もし日銀による金融政策などにより、日本が破綻しないとするのなら、何も消費税増税をして補完する必要もないはずで、分かり易く法人税の最高税率の減税だけをし続ければよい話です。さらに他の国のグローバル企業も誘致することができるのであれば、それは消費税増税よりはるかにグローバル企業優遇政策になるはずです。
しかし、消費税増税を押しすすめるのは、グローバル企業優遇という側面よりも、何かがあるように思えてなりません。
それは、グローバル企業を優遇したり、財政再建をしたりするものではなく、何かから批判を逸らすための撒き餌のようなものにも思えるのです。
それが、何かがまだわかりません。それともただ単純に、何らかの外圧により、日本の能力とは別に日本が破綻処理をさせられる時の、これ以上成す術無しだったと思わせる理由付け(財務省の弁明)のために消費税を上げているだけだったりもしますが。

14. あっしら 2012年6月19日 02:52:35 : Mo7ApAlflbQ6s : DvLZNEv2EI

独歩さん、貴重なご指摘ありがとうございます。
まず、08.関連の内容について回答します。

【問題対象のケース】
税抜国内売上:400億円・税抜総仕入500億円・輸出:300億円・マージン200億円のケースで消費税の処理を終えると、
・消費税率5%:
消費税額=(420億円−525億円)×5/105=▼4.76億円
還付金=4.76億円
最終マージン=204.76億円
・消費税率10%:
消費税額=(440億円−550億円)×10/110=▼10億円
還付金=10億円
最終マージン=210億円

【独歩さんの疑念1】※コメント欄9.に従い単位を訂正

「そもそものマージンは200億と設定(固定)をされていますが、税込み計算をすると、
・消費税5%のケース 
(420億円+300億円)−525億円 = 195億円 → マージン
・消費税10%のケース
(440億円+300億円)−550億円 = 190億円 → マージン
となり、差額が▼5億円となるのではないでしょうか。」


【疑念1への回答】
 オリジナル(税抜)は差額5.24億円で、独歩さん(税込)は差額▼5億円という大きな違い(10億円強)が発生する理由を説明します。

 税処理のためのマージン(所得)計算は、消費税抜き、消費税込みのいずれでも行えます。
 下に引用したものは法人税負担の違いに関して説明したものですが、法人税負担の違いはそのままマージンの違いですから参考になると思います。
「輸出売上が存在する企業は、税込で処理したほうが“所得圧縮”になり法人税が減少するケースが多いはず」として、その理由を説明しています。

 そのために、税抜で処理したオリジナルのマージンのほうがずっと多くなっています。

 法人税向け所得計算における税抜き処理は、受け取るおカネと支払うおカネがきちんと反映されていないことになります。流行りのキャッシュフロー会計の立場から言えば、キャッシュの出入りがきちんと反映される税込で把握すべきだと思います。(ほとんどの上場企業は、仮受消費税・仮払消費税という考え、すなわち税抜きで法人税会計処理を行っているようです)

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「EkRMugNzZkさんへの質問:「消費税還付」は“坊主丸儲け”!?:消費税還付金の会計処理について」
http://www.asyura2.com/12/senkyo129/msg/523.html

02. あっしら 2012年4月30日 04:38:57 : Mo7ApAlflbQ6s : DvLZNEv2EI

法人税は、消費税込みもしくは消費税抜きのいずれか任意で税務処理できると理解しています。
 一般に「売上」>「仕入」なので、課税ベースになる所得は、消費税抜きで計算したほうが少なくなることから、会計処理の的確性もさることながら、ほとんどが消費税抜きで処理をしているだろうと思っています。
 しかし、次回の投稿で説明しようと思っていたことですが、輸出売上が存在する企業は、税込で処理したほうが“所得圧縮”になり法人税が減少するケースが多いはずです。

[例A:国内専業]総売上(国内)100億円・消費税控除認定仕入70億円・その他費用25億円
[税込での所得]100億円−70億円−25億円=5億円
[税抜での所得]95.24億円−66.67億円−25億円=3.57億円
法人税税率を40%とすると、
[税込処理の法人税]5×40%=2億円
[税抜処理の法人税]3.57×40%=1.428億円
このケースの設定内容であれば、税込処理か税抜処理かで、法人税の税額が0.572億円も違ってきます。
 国内専業の場合、税抜処理を選択したほうが法人税の負担が軽減されると言えます。

[例B:輸出あり]:国内売上60億円・輸出40億円・消費税控除認定仕入70億円・その他費用25億円
[税込での所得]60+40−70−25=5億円
[税抜での所得]57.14+40−66.67−25=5.47億円

法人税税率を40%とすると、
[税込処理の法人税]5×40%=2億円
[税抜処理の法人税]5.47×40%=2.188億円
このケースの設定内容であれば、税抜処理にすると、法人税の税額が0.188億円も増加します。
 輸出売上がある場合、税込処理を選択したほうが法人税の負担が軽減されると言えます。

【独歩さんの疑念2】
「上の追加で、例えば、税抜国内売上:0億円・税抜総仕入500億円・輸出:700億円・マージン200億円(税抜き)という完全輸出依存企業の場合を仮定すると、
消費税率5%:消費税額=(0億円−525億円)×5/105=▼25億円(還付金)
消費税率10%:消費税額=(0億円−550億円)×10/110=▼50億円(還付金)
税込仕入れを引いた場合のマージン
消費税率5%: 700億円−525億円=175億円
消費税率10%: 700億円−550億円=150億円
還付金を合わせたトータルマージン
消費税率5%: 175億円(マージン)+ 25億円(還付金) = 200億円
消費税率10%: 150億円(マージン)+ 50億円(還付金) = 200億円
ということで、還付金を合わせたトータルマージンは、輸出100%の会社においても差額0となり、消費税アップの旨みはありません。
もちろん、消費税上昇分を仕入れ価格に転嫁されなければ、その分は儲けとなっていきますが、上場企業ともなれば、下請けはグループ会社のケースが多く、機械的に消費税分は転嫁されていくのではないかと思われます。

【疑念2への回答】
 この問題も、「疑念1」と同じように、税込・税抜によるマージンの違いという問題を含みます。
 税抜のマージンは200億円ですから、税込で消費税還付を考慮した最終マージンと同じです。輸出100%の企業は、国内課税売上で転嫁される消費税増加分がなく、仕入れにかかわる消費税が全額還付されるので、消費税から中立になります。

 しかし、法人税会計を税抜で行った場合も、消費税還付金は発生するので、その分は見かけのマージンが大きくなります。

 輸出100%の企業は、税込の仕入れコストを引き下げるか、人件費を仕入れに切り替えるか、生産性を上げるか、円安のメリットを得るかなどが、利益増加のもとになります。

 消費税ベースのみで考えれば、直接雇用を減らし人件費を仕入れにする策に即効性があります。
 マージン=付加価値の大部分は人件費に使われるわけですから、人件費に充当されるマージンをできるだけ減らし、それを仕入れ(派遣労働者)で代替すると、粗利益としてのマージンは減りますが、人件費の費用が少なくしか差し引かれず消費税還付金が増えるので、最終の利益は増えます。

 「税抜国内売上:0億円・税抜総仕入500億円・輸出:700億円・マージン200億円(税抜き)」のマージンのうち150億円は人件費に充当されるとします。
 このうち100億円を派遣労働者に切り替えます。ただし、100億円は社会保険負担分を含み消費税転嫁分を含むとします。派遣会社は、社会保険負担分と直接雇用より低い支払い給与を自分の利益や消費税に充当すると考えてください。
この条件ですと、消費税税率が5%のときも10%のときも、税込仕入れ額は100億円増加します。

 消費税還付金は、

消費税率5%:消費税額=(0億円−625億円)×5/105=▼29.7億円(還付金)
消費税率10%:消費税額=(0億円−650億円)×10/110=▼59.1億円(還付金)

 100億円が直接雇用のときの消費税還付金との差額が、マージン増加になります。

「上場企業ともなれば、下請けはグループ会社のケースが多く、機械的に消費税分は転嫁されていくのではないかと思われます」は、一概には言えないと考えています。
 自動車も家電も国際競争力が劣化していますから、税抜納品価格を下げる圧力が働きます。下がった納品価格にきちんと消費税を上乗せすることは認められると思います。
 納品価格を引き下げる動きは、下請けも防衛しなければならないので、上述した「直接雇用から派遣労働者への切り替え」のドミノ的な広がりを生み出すはずです。


15. あっしら 2012年6月19日 04:17:22 : Mo7ApAlflbQ6s : DvLZNEv2EI

独歩さん、さらなるレスポンス、ありがとうございます。


【引用】
「>>税制を通じて、グローバル企業(輸出免税&設備投資)や成長企業(設備投資大)そして銀行などの金融業(金融取引非課税)に“利益”を与えることで


利益ではなく、不利益が少ないという感じではないでしょうか。
特に、非課税業者である金融業は、仕入れに対する還付が受けられないというデメリットが存在します。
最終マージンのみを単純計算で考えると、消費税のメリット順(というかデメリットの少ない順)では、
免税業者 > 転嫁が容易な企業 > 非課税業者 > 転嫁不可業者
といった感じになります。」


【回答】
 消費税の税率アップがグローバル企業に“利益”を与えるかどうかという問題ですが、これは、残っているシリーズ最終投稿Fであれこれ説明するつもりです。どういう切り口で説明すると理解してもらえるのか呻吟しています(笑)。

 結論的に言えば、「消費税還付金」が増える高い税率のほうが、グローバル企業のように消費税還付金を受け取る企業は“利益”が大きくなります。
 自らがマージン計算であれこれ説明しているので奇妙な弁明になりますが、マージン計算の内容は本質的な話ではありません。
 なぜなら、統制経済国家や社会主義国家ではない日本は、企業の原価構成や売上に占める利益そして生産性の変動などについて国家機構が関与するわけではないからです。

 消費税についても、販売価格に転嫁されたのか、仕入れで転嫁を受け入れたのかといったことさえ、徴税当局にとっては無関係です。

 このようなことは、免税店がタックスフリーであってもベネフィットフリーではないことを考えればわかると思います。税金は免税店も購入者も負担しませんが、免税店が税金相当分のいくばくかを利益のために上乗せしても、“罪”ではありませんし、そうしても市中価格や競合免税店より安ければ売れるはずです。

 輸出も、免税ですが、「輸出戻し税」でチャラになるはずの仕入れにかかわる消費税も原価の一部と考え、それにマージンを上乗せした価格で輸出しても、なんら“罪”ではありません。一般的に、対売上利益率が60%であっても、ほめられることはあっても“罪”にはなりません。

 非統制経済社会においては、基本的に、他の企業(供給主体)との競争以外に、企業が得る利益について制限や統制はありません。(医薬品や電力・ガスなど統制されたものはあります)


 消費税の“損得”問題は、稼いだ付加価値に課税されるかどうかの一点で考える必要があります。

 稼いだ付加価値に消費税が課されないだけでも、課される企業に比べると、“利益”を得ていると言えます。
 さらに、消費税還付を受ける輸出企業は、稼いだ付加価値に課税されず消費税をまったく納付していないにもかかわらず、「消費税還付金」(輸出戻し税)といういわれのないおカネを国庫から手に入れています。

 これを“利益”と言わずして、何を“利益”と言うのでしょうか。まさに、濡れ手に粟の儲けです。

 「消費税還付金」(輸出戻し税)については、消費税を上乗せできない輸出に対して、仕入れで負担した(転嫁された)消費税を戻しているだけといった説明がよく行われます。
 しかし、消費税は、売上税だとこじつけられないことはありませんが、消費税法の規定やそれに書かれている課税ロジックから、内実は付加価値税であり、仕入税とは絶対に言えない税制です。おまけに言えば、統制経済ではないのですから、輸出価格に消費税相当分を上乗せしたとしても、誰もとがめるひとはいません。それで輸出できればですが...。

 仕入れで他の企業に支払ったものを国家に納税したとみなすことでしか成り立たない「消費税還付金」(輸出戻し税)は、国家自らが行う“詐欺”なのです。
 仕入れで他の企業に支払ったものが、支払った企業から国庫に入っているかどうかさえわかりません。(新日鉄も消費税還付企業ですから、トヨタが新日鉄から鋼板を仕入れたときに支払ったと思われている消費税が国家に入ることはありません)


 「非課税業者である金融業は、仕入れに対する還付が受けられないというデメリットが存在します」というご指摘は、少しだけ同意します。
 少しだけというのは、福祉関係事業者や賃貸住宅事業者に比べてれば、そのデメリットはずっと小さいからです。
 金融事業者は、手数料などを除く収益のほとんどを、消費税が課されない利子や債券売却益などで得ています。コンピュータなど情報処理関連は、消費税がきちんと転嫁されている手数料収入で贖っているはずです。手数料など課税売上比率分は、設備投資や派遣労働者費用から消費税を控除することもできます。
 金融事業者のメリットは、利払い者(借入れ者)は利払いに消費税を上乗せした分を負担するのにかかわらず、従業員の給与や配当に充当される受け取り利子に消費税が課されないことです。
 利子を払う企業は、法人税に関しては費用になりますが、消費税については支払う利子も課税対象です。消費税率が高くなればなるほど、“実質金利”が高くなるわけです。

 詳細は、今後の投稿を参照していただければ幸いです。
13..については、一眠りして、午後にでも投稿したいと考えています。



16. 独歩 2012年6月19日 12:09:39 : OcXlFVq.c5uyc : ihoKj4svUQ
あっしらさん、お付き合い有り難うございます。13.についてのレスを、また投稿をして頂けるみたいでありがたいです。ちょっと先走りですが、少し時間が空いたので、先の分にレスします。

マージンというのが、会計上の税抜き処理をしたものであるなら、還付金をマージンに組み込むというのは、ちょっと片手落ちのように思われます。
名目はともかく、いずれにせよ表面的な会計操作の話では、実態(実質的な収益)を把握したものとは言えず、消費税がグローバル企業優遇となるという評価も、表面的なものとなり、色あせたものにしかならないように思われます。
もし還付金(輸出戻し税)で儲けが出ているとするのなら、それは払う払わないに関わらず仕入れ先の下請け企業が消費税分を転嫁しない場合に限られるはずです。ただそれは実質的な値下げ(コスト削減)の話です。

また、人件費について、非課税であり還付金が無いということで派遣会社に変更するというのは、結局はその派遣会社が、派遣料金に消費税を転嫁してくるということですから、一見還付金による旨みがありそうで、実質的なものは言って来い状態になるものと思われます。ただ、ここで儲けを出そうとするのなら、従業員を個々に業務委託という状態にすれば、企業にとってはメリットは出てくることでしょう。つまり従業員は、給料が業務委託になったとしても、その金額が1000万円未満であれば、消費税は支払う義務はないため、消費税分を転嫁することもないです。もちろん転嫁することも可能ですが、ちょっと考えられません。
ですから、その場合は消費税分は、まるまる儲けと言って差し支えは無いはずですが、ただ最近では、それも実質的な人件費としてみなして、消費税対象とみなすとする動きもあるようです。

上場企業の下請けにグループ会社が多いというのは、相対的に中小企業よりは多いということですが、下請け会社から見れば、末端の個人の消費者を相手にするよりも、企業相手、それもグループ企業相手であるのならなおさら、消費税を転嫁しやすいはずです。(なぜなら企業であれば、消費税分は還付、もしくは相殺される場合が多いから)。
ただ、国際競争力の劣化から仕入れ価格を下げざるをえないという事情もあるでしょうが、それについては、別問題になります。

>>消費税の“損得”問題は、稼いだ付加価値に課税されるかどうかの一点で考える必要があります。
>>稼いだ付加価値に消費税が課されないだけでも、課される企業に比べると、“利益”を得ていると言えます。

今回の消費税の“損得”問題は、消費税をかけた後の企業間の優劣の話ではなく、消費税をかけた状態と、かける前の状態とを比較して、それが個々の企業収益にとってどう“損得”になっているかという問題ではなかったでしょうか。
つまり、グローバル企業にとって、消費税をかける前の状態より、消費税をかけた後の状態が、大きく収益を上げる結果になっておれば、明らかに“利益”を得ていると踏むべきだと思います。
「消費税還付金」(輸出戻し税)については、消費税を国庫に納付しているしていないに関わらず、企業にとって、実質的なトータル収益がトントンの状態であれば、“利益”になっているとは考えられません。

>>金融事業者のメリットは、利払い者(借入れ者)は利払いに消費税を上乗せした分を負担するのにかかわらず、従業員の給与や配当に充当される受け取り利子に消費税が課されないことです。

利払いに消費税を上乗せするというのは、よく意味がわかりません。利払い分は非課税と認識しているため、何かカラクリがあるのであれば教えて頂きたいです。
詳細は今後の投稿ということなので、また楽しみにしております。


17. あっしら 2012年6月19日 13:38:59 : Mo7ApAlflbQ6s : DvLZNEv2EI

独歩さん、こんにちは。
コメント欄13.の内容について回答します。


【引用1】
「もし仮に消費税増税がグローバル企業にメリットを与えるのなら、消費税増税を海外(最近ではイギリスのエコノミスト)から、しきりに圧力じみたものが発せられることに違和感を感じます。」


【回答1】
グローバル企業にメリットを与えるからこそ、英国のエコノミストも含め国際金融機関や経済紙誌も日本に消費税の引き上げを求めています。

 彼らにとって、企業の国籍(本拠地)は無関係です。
 ここ20年ほどで急速に浸透したグローバリズムの“真髄”は、企業活動や投資が国籍や主権国家に制限されないようにすることです。

 グローバリズムそのものは、近代資本制社会が成立する基礎ですから、とうの昔から脈々と流れ続けています。
 重商主義、帝国主義、先進国間戦争、パックスアメリカーナのどれも出現形態が異なるグローバリズムです。
 さらに言えば、産業資本主義や金融資本主義も、グローバリズムの歴史的形態です。

 グローバル企業にメリットを与えることは、日本にメリットを与えることでも、日本国民にメリットを与えることでもありません。あくまでも、株主の所有物である株式会社にメリットを与えることです。

 国際金融家は、常に儲けを生み出す投資(融資)先を求めています。
 産業資本主義として成熟した(終わった)先進国は、投資(融資)先としては限定的です。それゆえ、国債などの金融収益や世界的に事業展開するグローバル企業への投資に集約されています。
 そして、産業資本主義的な投資(融資)は、産業的な成長が著しい新興国に向けられています。

 付加価値税(消費税)及びその税率アップは、グローバル企業以外の供給主体や国民に国家維持の負担をシフトしていくものですから、グローバル企業の利益から収益を上げようという彼らにとって大いに歓迎できる政策です。

 社会保障を含む国策遂行財源を、「貧乏人の相互扶助」にシフトしていくのが付加価値税(消費税)の税率アップの大きな目的です。

 さらに、お金でお金を稼ぐ彼らは、お金の“価値保存性”を求めます。
 日本は供給活動能力が高いのでそうなっていませんが、放漫な財政支出は、一般論として、インフレを亢進させます。

 国際金融家に限らず金融資産家は、ベースとして、デフレを歓迎します。
デフレであれば、放っておいても、保有金融資産の価値が増大する一方、享楽を含む消費活動に支払わなければならないお金は少なくて済むからです。


---------------------------------------------------------------------------------------------
【引用2】
「ただ、もし日銀による金融政策などにより、日本が破綻しないとするのなら、何も消費税増税をして補完する必要もないはずで、分かり易く法人税の最高税率の減税だけをし続ければよい話です。さらに他の国のグローバル企業も誘致することができるのであれば、それは消費税増税よりはるかにグローバル企業優遇政策になるはずです。」


【コメント2】
 消費税の“利益”について認識が共有されていないので難しい説明になりますが、法人税の減税は、最終的な利益を減らさない(増やす)意味では大きなメリットがあるとしても、利益の源泉である供給活動自体でメリットがあるわけではありません。

 国内専業の企業は、仕入にかかわる消費税を“負担”した上に、自身の消費税を負担します。

 消費税還付を受けるグローバル企業は、自身の消費税はまったく負担しない上に、仕入にかかわる消費税を“負担”したということで一定部分の還付を受けます。だからといって、輸出価格や輸出から得る利益に国家から制限を受けているわけではありません。

 法人税減税と消費税増税とでは、グローバル企業への利益の与え方が異なるのです。
「法人税率−付加価値税(消費税)税率」の値が小さいほど、グルーバル企業は有利な企業経営ができます。(といっても、あくまで形式的静態的な条件での話で、私が消費税増税に反対しているのも、日本の経済状況ではそれがグローバル企業にも有利にならないからです)

 「法人税率−付加価値税(消費税)税率」の究極は、法人税率ゼロの状況です。
それまでの法人税が付加価値税で補填される状況になることです。
 地方法人税もなくなれば、グローバル企業は税負担を1円もすることなく、「消費税還付金」という“利益”だけ受け取ることができるようになります。
(この部分を考えていただければ、グローバル企業にとっての消費税増税の“利益”が見えてくるのではと思っています)


 「さらに他の国のグローバル企業も誘致することができるのであれば、それは消費税増税よりはるかにグローバル企業優遇政策」ということですが、外国籍のグローバル企業も、一大消費国である日本に自由に進出できます。
 しかし、古くから進出している半導体メーカーなどを除けば、カルフール(仏系スーパ−)など新規進出企業はことごとくと言っていいほど失敗し撤退しています。西友を買収した世界一のディスカウントストア:ウォルマートの実質子会社(ワイオミングホールディング ジーエムビーエイチ所有)となった西友さえ、低迷を続けています。
 日本の消費者の嗜好や購買行動を捉え切れていないことも大きな要因ですが、高い地代、高い賃金で生産性を上げるのは至難の業だからです。日本の小売業は、低生産性の権化のように非難されていますが、カルフールや西友そしていくつかのドラッグ・ストアの無様な経営と比べるとよくやっていると思っています。

 日本の企業は競争力が高いので(この長期不況で変な意味でますます強くなっています)、特殊な製品を製造しているところは別として、外国から進出してきても太刀打ちできません。
 デフレ基調で縮小している国内市場は、進出してきた企業にも重くのしかかる悲劇です。

---------------------------------------------------------------------------------------------
【引用3】
「しかし、消費税増税を押しすすめるのは、グローバル企業優遇という側面よりも、何かがあるように思えてなりません。
それは、グローバル企業を優遇したり、財政再建をしたりするものではなく、何かから批判を逸らすための撒き餌のようなものにも思えるのです。
それが、何かがまだわかりません。それともただ単純に、何らかの外圧により、日本の能力とは別に日本が破綻処理をさせられる時の、これ以上成す術無しだったと思わせる理由付け(財務省の弁明)のために消費税を上げているだけだったりもしますが。」


【コメント3】
 阿修羅や書籍・TVなどのサポートはありますが、基本的に一人でいろいろ考えているので抜け落ちた視点もあると思っています。
 今後もいろいろご助言いただければと思っています。



18. あっしら 2012年6月19日 15:55:11 : Mo7ApAlflbQ6s : DvLZNEv2EI

独歩さん、続けて16. について回答します。

独歩さんの記述順序とは異なり、新しい切り口になるかもと期待して、利子の問題を先に説明します。


【引用1】
「>>金融事業者のメリットは、利払い者(借入れ者)は利払いに消費税を上乗せした分を負担するのにかかわらず、従業員の給与や配当に充当される受け取り利子に消費税が課されないことです。

利払いに消費税を上乗せするというのは、よく意味がわかりません。利払い分は非課税と認識しているため、何かカラクリがあるのであれば教えて頂きたいです。」


【回答1】
 利払いは基本的にマージンから行われるもので、消費税はそのマージンに課される税だからです。
 さらに言えば、借金地獄にはまらないかぎり、元本の返済も、マージンから行われるものです。

 消費税処理前のマージンが100億円で、利払いが2千万円だとします。

 消費税(付加価値税)がなければ、100億円−0.2億円=99.8億円が利払い後のマージンです。

 しかし、消費税が課されると、利払い分だけのマージンを取り出しても、2千万円×5%=100万円の消費税負担が生じることになり、利払い後のマージンは100億円−0.2億円−0.01億円=99.79億円になります。

 法人税所得計算では、利払いを費用として控除できますが、消費税計算ではそれが認められていないからです。

 消費税制度があるかぎり、実質の利払いは、利払い金額×税率分増えるわけです。

 違った言い方をすれば、「利払い+利払い×税率」を賄うだけの最終マージンが確保できなければ、利払いを継続することができません。

 さらに、元本返済のほうが利払いよりも大きいはずですから、1億円の返済なら、消費税率5%でも1億円×5%=5百万円という負担が増加します。

 この例で利払いと元本を合わせると1億2千万円です。

 ということは、14年・15年にかけて消費税が5%アップすると、他の要素は同じだとして、稼ぐマージンが13年までよりも6千万円も増えないと、債務の履行を続けられないことになります。

 利払い及び元本返済の負担増加は、消費税税率がアップすればするほど大きくなるのです。

 この論理が、消費税導入後の89年から90年にかけてバブルが崩壊した一因(主因ではない)でもあり、消費税率が2%アップした97年秋(3月決算企業の消費税中間納付後)に“金融危機”が起きた要因(主因)なのです。


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【引用2】
「もし還付金(輸出戻し税)で儲けが出ているとするのなら、それは払う払わないに関わらず仕入れ先の下請け企業が消費税分を転嫁しない場合に限られるはずです。ただそれは実質的な値下げ(コスト削減)の話です。 」

【回答2】
 マージン計算を例示した張本人としては恐縮ですが、そこから少し離れて考えてみてください。
 まず、説明(虚構・お話)としては成り立ちますが、実際は、仕入価格にも販売価格にも、消費税なるものは存在しないとお考えください。

 あるのは、仕入に支払ったお金、販売で受け取ったお金だけなのです。
 それを消費税の徴収(計算)にあたって、「売上にかかわる消費税−仕入にかかわる消費税」というような腑分けをして課税しているだけなのです。

 売上で1円も消費税を転嫁してないとしても、売上額×5/105の消費税を受け取っているとみなされます。仕入で消費税の転嫁を受け入れていないとしても、仕入額×5/105の消費税を支払っているとみなしてくれます。

 現実の話としては、消費税の税率がアップした後、生産性も原材料費も変わらない条件で仕入れ先が消費税を転嫁してくれば、輸出を含む販売できちんと消費税を転嫁しないかぎり、グローバル企業でも利益は増加しません。
 ですから、グローバル企業が消費税増税で利益を得る支えは、仕入コスト削減力と販売価格への転嫁力にあります。

 輸入物価の変動や生産性の上昇は考慮から外しますが、14年・15年の消費税増税で、企業物価指数と消費者物価指数が増税に見合うだけアップ(3%と2%)し、さらに、名目GDPもそれに見合うだけ増加しなければ、消費税の税率はどこかに大きなしわ寄せがあったということになります。

 インフレ基調の欧州諸国などなら、付加価値税で生じた(政府財政出の増加が支え)“インフレの果実”をどのような供給主体が得るという分配の歪み問題になりますが、デフレ基調の日本では、それも分配の歪み問題ですが、さらに深刻なことに、どのような供給主体が消費税の負担をかぶらないで済むかという問題になります。

 いずれにしろ、最悪でも、「消費税還付」を受け取るグローバル企業は、増加する消費税負担から免れるということです。


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【引用3】
「また、人件費について、非課税であり還付金が無いということで派遣会社に変更するというのは、結局はその派遣会社が、派遣料金に消費税を転嫁してくるということですから、一見還付金による旨みがありそうで、実質的なものは言って来い状態になるものと思われます。」

【回答3】
 人件費には、厚生年金保険料と健康保険料の企業負担分が含まれています。そして、厚生年金保険料が顕著ですが、料率がじりじりと引き上げられています。厚生年金保険料率16%の半分は8%ですから、現状の消費税5%を超え、ほぼ10%の消費税に見合う状況です。

 一般的に、同じ仕事をしていても、社員よりも派遣労働者のほうが賃金は安くなります。

 ですから、同じ人件費額、例えば消費税込み100億円で派遣労働者を買うことは難しい話ではありません。(派遣労働者は自前で国民年金・国民健康保険に加入しますから、社会保険料の負担分の差が大きい)

 同じ100億円の人件費でも、このような条件であれば、直接採用と派遣労働者の“仕入”で、企業収益に大きな差が出ます。税込・税抜で変わってきますが、所得計算ではともに費用として扱われるので同じなのに、消費税にかかわる部分は大きく違ってくるからです。

 直接採用は、マージン(付加価値)から人件費を支払うので、実質的に、100億円+100億円×5%=105億円の経費となります。
派遣労働者は、仕入ですから、100億円を支払っても、消費税課税ベースから100億円×5/105=4.76億円の控除ができます。

 派遣労働者分を除く、「売上にかかわる消費税−仕入にかかわる消費税」が150億円とします。
 直接採用の場合は、150億円×5%=7.5億円の消費税を納付することになります。
 一方、派遣労働者の場合は、150億円からさらに4.76億円差し引くことができますので、145.24億円×5%=7.26億円の消費税納付で済みます。

 税負担の観点ではなく、稼いだマージンのなかで残った金額を考えたほうがいいかもしれません。人件費はいずれの場合も経費ですから、それも差し引いた残りとします。

 稼いだ150億円のマージンから消費税負担分と人件費を差し引いた残りは、直接採用のとき150億円−7.5億円−100億円=42.5億円で、派遣労働者のとき150億円−7.26億円−100億円=42.74億円となります。

 独歩さんもご指摘のように、消費税税率がアップすれば、派遣会社も消費税の負担増加を求めてきます。しかし、これまでの賃金低下基調と労働需給の現状を考えれば、消費税負担増加のある部分は、派遣労働者の賃金切り下げというかたちで始末されるはずです。
 そうなれば、消費税率アップは、派遣労働者を仕入れているほうが得になります。

 もっとも社会主義的な国と思っているドイツでさえ、この10有余年の賃金と物価の推移は、物価の上昇が上回るものになっており、名目は増えていますが、実質の賃金は切り下げになっています。


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【引用4】
「>>消費税の“損得”問題は、稼いだ付加価値に課税されるかどうかの一点で考える必要があります。
>>稼いだ付加価値に消費税が課されないだけでも、課される企業に比べると、“利益”を得ていると言えます。

今回の消費税の“損得”問題は、消費税をかけた後の企業間の優劣の話ではなく、消費税をかけた状態と、かける前の状態とを比較して、それが個々の企業収益にとってどう“損得”になっているかという問題ではなかったでしょうか。」


【回答4】
 マージン計算は、諸費税の内実を様々な角度から見せるための一つとして提示しましたが、動態的な要素を加えて説明しなければならないので、これまでの静態的説明では風十分だったと反省しています。

 能力不足でなかなか納得を得られる説明ができないため、いろいろ試行錯誤をしていることをご理解ください。


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【引用5】
「「消費税還付金」(輸出戻し税)については、消費税を国庫に納付しているしていないに関わらず、企業にとって、実質的なトータル収益がトントンの状態であれば、“利益”になっているとは考えられません。」


【回答5】
 「消費税を国庫に納付しているしていないに関わらず」、受け取る消費税還付金が、「“利益”になっているとは考えられません」というのはなぜでしょう?

 「消費税還付金」(輸出戻し税)が“利益”ではないというのなら、仕入で負担したはずの消費税を還付してもらえない賃貸住宅事業者は、とんでもない損失を被っていることになりますから、国家に賠償請求を訴えるべきではありませんか?

 それはともかく、電力など統制供給事業は別として、企業がどのような仕入を行い、どのようなマージンを乗っけて商売しているかは国家のあずかり知らぬところです。
 消費税の転嫁を受けているのか、消費税の転嫁を果たしているのかも国家はあずかり知らぬことなのです。

 それなのに、国庫に納めているわけでもない消費税だけは、まるで納めたかのようにみなして還付しているのです。
 そして、免税だからといって、販売(輸出)で利益を多く上げられるような価格を付けられないわけではありません。
(今では夢のまた夢ですが、円安景気で沸いた02年から08年前半まではそのような状況です)

 虚構の“仕入にかかわる消費税”という概念を利用して、グローバル企業に利益を引き渡しているのです。
 利益は自分のもの、負担はひとや国家に押し付けるというのが、「消費税還付」制度なのです。

 消費税法をよく読めば、「消費税還付金」(輸出戻し税)がまったく謂われのない利益供与であることがわかるはずです。
 念のため、消費税法を読めば、消費者が消費税を負担する義務もまったくないこともわかります。



19. 独歩 2012年6月19日 21:29:23 : OcXlFVq.c5uyc : ihoKj4svUQ
あっしらさん、ご回答ありがとうございます。

>>グローバル企業にメリットを与えるからこそ、英国のエコノミストも含め国際金融機関や経済紙誌も日本に消費税の引き上げを求めています。
>>彼らにとって、企業の国籍(本拠地)は無関係です。
>>ここ20年ほどで急速に浸透したグローバリズムの“真髄”は、企業活動や投資が国籍や主権国家に制限されないようにすることです。

世界を見渡せば、確かに思想的や立場的(出資など)なものから、グローバリズムという名の元に国籍無視でグローバル企業を支援していく動きがみられるのも、納得します。
ただ、リンク先Eにて書かれていた「消費税増税政策に託す財務省官僚たちの直接的な狙いは、日本のグローバル企業(輸出有力企業)に、世界市場で激しい競争を演じている韓国(今後は中国やインドも)やドイツのグローバル企業たちと比較して遜色のない競争条件を与えることである」という箇所から、少なくとも財務省官僚は、グローバル企業ならなんでもいいわけではなく、日本に拠点を置くグローバル企業を支援し、日本経済全体が力強く復活してもらうことを願っていると推測できるということでした。
つまり、各国政府の立場からするのなら、企業の国籍(本拠地)こそが大切であり、競争相手国のグローバル企業の衰退は、そのまま自国のグローバル企業の強化へと繋がると考えるのが予想されるわけで、そして、その政府の意図を汲みしたものが、外国メディアなどを通じ発せられることも充分に考えられることです。

>>国際金融家に限らず金融資産家は、ベースとして、デフレを歓迎します。
>>デフレであれば、放っておいても、保有金融資産の価値が増大する一方、享楽を含む消費活動に支払わなければならないお金は少なくて済むからです。

一概にデフレを歓迎しているわけではないようにも思います。金融資産家が充分に金融資産を保持していると思うのならデフレを好みますが、逆に充分に金融資産を保持していないと思うのなら、インフレを好む場合もあります。なぜなら彼らはインフレとデフレを駆使して保有資産を増大させてきたわけですから。
そして人の欲というのは留まることを知りませんから、金融資産を充分に保持していると考えている金融資産家というのは稀で、もっともっと独占したいと考えることが推測されます。ですから、ベースとなるのは、インフレとかデフレというものではなく、ジェットコースターのような不安定な状況なのかもしれないとも思われます。

>>。ヨ法人税率−付加価値税(消費税)税率」の究極は、法人税率ゼロの状況です。
>>それまでの法人税が付加価値税で補填される状況になることです。
>>地方法人税もなくなれば、グローバル企業は税負担を1円もすることなく、「消費税還付金」という“利益”だけ受け取ることができるようになります。
>>。ハこの部分を考えていただければ、グローバル企業にとっての消費税増税の“利益”が見えてくるのではと思っています)

先の13にも書きましたが、法人税の減税部分を補完する意味においては、少なからずグローバル企業にはデメリットの少ない消費税増税ならば、グローバル企業優遇と捉えても、その通りかとは思われます。ただあっしらさんが、「財政再建に寄与しないどころか逆に足を引っ張る消費税増税」と書かれているように、消費税増税が、法人税減税を補完するとは到底考えられません。
さらに、消費税の使途が、「社会保障の維持や充実」ということになれば、直接の恩恵を受けることになるのは、その被社会保障者や、それに関わる企業であって、プラマイゼロの還付金を持ってグローバル企業に恩恵があるとするのは少し無理があるようにも思われます。

>>デフレ基調で縮小している国内市場は、進出してきた企業にも重くのしかかる悲劇です。

何も小売業で進出してくることを想定はしておりません。法人税が他国と比べてかなり安くなれば、本社機能を移してくるというだけでも、税収としては増収に繋がるのではという意味においてです。

>>消費税処理前のマージンが100億円で、利払いが2千万円だとします。
>>消費税(付加価値税)がなければ、100億円−0.2億円=99.8億円が利払い後のマージンです。
>>しかし、消費税が課されると、利払い分だけのマージンを取り出しても、2千万円×5%=100万円の消費税負担が生じることになり、利払い後のマージンは100億円−0.2億円−0.01億円=99.79億円になります
>>法人税所得計算では、利払いを費用として控除できますが、消費税計算ではそれが認められていないからです。

利払い分は、非課税対象となるので還付がされないということであって、元々が消費税を転嫁されていないものに対して、消費税を引くというのはおかしな話です。逆は想定できても(非課税売上げの場合の仕入れ)、それは消費税の趣旨からしてもおかしな話です。
上記例で、消費税の計算をするのなら、100億円×5/105=4.7619億円(消費税)で、利払い分(0.2億円)を引いた最終マージンは、95.0381億円です。
そして、もし仮に利払い分が課税対象となるのなら、利息は0.2億円ではなく0.21億円となります(消費税が転嫁されるから)。そして消費税は、100億円−0.21億円×5/105=4.7519億円(消費税)となり、利払い分(0.21億円)を引いた最終マージンは、95.0381億円で、全く同じという結果となります。
つまり、利払い分が消費税課税対象であったとしても消費税のアップに対して、全体的なマージンは変らないということです。

>>現実の話としては、消費税の税率がアップした後、生産性も原材料費も変わらない条件で仕入れ先が消費税を転嫁してくれば、輸出を含む販売できちんと消費税を転嫁しないかぎり、グローバル企業でも利益は増加しません。

輸出がメインのグローバル企業は、販売においては国内の消費税の増税とは、免税であるがゆえに直接的には無縁です。そして、販売の消費税と仕入れの消費税の関係において、仕入れで転嫁された消費税を販売に転嫁する必要性はありません。なぜなら、仕入れで転嫁された消費税は還付されるからで、販売に転嫁しなければならないのは、販売にかかる(輸出国の)消費税分ということなのです。

>>いずれにしろ、最悪でも、「消費税還付」を受け取るグローバル企業は、増加する消費税負担から免れるということです。

完全に輸出100%のグローバル企業なら、上記の件に異論はありません。ただ、そのようなグローバル企業があるのかは、ちょっとわかりません。

>>人件費には、厚生年金保険料と健康保険料の企業負担分が含まれています。そして、厚生年金保険料が顕著ですが、料率がじりじりと引き上げられています。厚生年金保険料率16%の半分は8%ですから、現状の消費税5%を超え、ほぼ10%の消費税に見合う状況です。
>>一般的に、同じ仕事をしていても、社員よりも派遣労働者のほうが賃金は安くなります。

社員を派遣社員にした場合の消費税の比較においては、人材とその内容(給与や社会保障費など)は、あくまで同じ土俵でないと、比較になりません(ただし派遣会社の利益は別)。
同じ社員を派遣にかえたとするのなら、派遣会社がそれらの給料や社会保障費を支払い、それを派遣料に乗せるだけなので、支払い条件はかわりません。

>>独歩さんもご指摘のように、消費税税率がアップすれば、派遣会社も消費税の負担増加を求めてきます。しかし、これまでの賃金低下基調と労働需給の現状を考えれば、消費税負担増加のある部分は、派遣労働者の賃金切り下げというかたちで始末されるはずです。
>>そうなれば、消費税率アップは、派遣労働者を仕入れているほうが得になります。

賃金切り下げについては、やり易いかどうかは別として、従業員を雇っていてもできる話です。ただ、派遣の方が首切りや、給料削減は容易な側面はありますが、その分派遣社員と会社との関係性はおおよそ希薄なものとなるのでしょう。それがサービス残業や休日出勤など、仕事上の無理がきくかどうかとかを総合的に判断して決められます。

>>。ヨ消費税を国庫に納付しているしていないに関わらず」、受け取る消費税還付金が、「“利益”になっているとは考えられません」というのはなぜでしょう?
>>。ヨ消費税還付金」(輸出戻し税)が“利益”ではないというのなら、仕入で負担したはずの消費税を還付してもらえない賃貸住宅事業者は、とんでもない損失を被っていることになりますから、国家に賠償請求を訴えるべきではありませんか?

もちろん、「消費税還付金」のみに目を向ければ利益という分類になるのかもしれませんが、国庫に納付しているしていないに関わらず転嫁された消費税(値上げ分)があるということを差引けば、行って来い状態となり、利益とは考えられないということです。
また、仕入で負担したはずの消費税を還付してもらえない賃貸住宅事業者が、とんでもない損失を被っていることには、その通りだと思います。ただ賃貸住宅事業のみに限って言えば、非課税事業を課税事業に変えられるよりは、かなりマシだと思っているはずです。免税の範囲内で、消費税を支払わなくてもよいような個人の大家などゴロゴロおり、競争原理的に消費税分を賃料に転嫁することが、難しくなるからです。また、1部屋だけを住居から事務所や学習塾などへ変更することで、部分的に課税仕入れに組み込む方法も考えられるでしょう。


20. あっしら 2012年6月20日 04:10:44 : Mo7ApAlflbQ6s : DvLZNEv2EI

独歩さん、こんばんは。


【引用1】
「各国政府の立場からするのなら、企業の国籍(本拠地)こそが大切であり、競争相手国のグローバル企業の衰退は、そのまま自国のグローバル企業の強化へと繋がると考えるのが予想されるわけで、そして、その政府の意図を汲みしたものが、外国メディアなどを通じ発せられることも充分に考えられることです。」

【コメント1】
 財務省官僚に対する見方は、彼らに売国性はなく、間違うことはあっても、国家国民を優先した判断をしているという前提で推察したものです。

 サムスンを含め、現在の日本のグローバル企業のポジションから言えば、「競争相手国のグローバル企業の衰退は、そのまま自国のグローバル企業の強化へと繋がる」というわけではなく、官僚たちもそう考えていないはずです。

 サムスンの伸長は、製造装置や中核部品をサムスンに販売している日本企業にとって大きな利益です。
 問題は、急成長した韓国や中国との関係では、欧米先進諸国とのあいだで出来上がっている“棲み分け”がいまだできていないことです。
 先進国で潜在的競争力で優位にある日本が、この“棲み分け”を如何に将来の日本にとって有利なかたちで作り上げることができるのかが、これから数年の重要な課題だと考えています。

 対象として申し訳ありませんが、韓国や中国などなら、そのような情報発信工作もあり得えると思いますが、いろいろな意味で“棲み分け”が終わった先進欧米諸国については、そのような情報工作をほとんどしないだろうと思っています。
(別種の情報工作はいろいろ行われていると思っています)

-------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
【引用2】
「一概にデフレを歓迎しているわけではないようにも思います。金融資産家が充分に金融資産を保持していると思うのならデフレを好みますが、逆に充分に金融資産を保持していないと思うのなら、インフレを好む場合もあります。なぜなら彼らはインフレとデフレを駆使して保有資産を増大させてきたわけですから。
そして人の欲というのは留まることを知りませんから、金融資産を充分に保持していると考えている金融資産家というのは稀で、もっともっと独占したいと考えることが推測されます。ですから、ベースとなるのは、インフレとかデフレというものではなく、ジェットコースターのような不安定な状況なのかもしれないとも思われます。」


【コメント2】
 基本的に共有できる考えです。

 「国際金融家に限らず金融資産家は、ベースとして、デフレを歓迎」と書いたのも、のべつ幕なしにデフレを愛するわけではないと考えているからです。
 とはいえ、資産として保持している通貨(債券類も含む)でもあり、成長が頭打ちになってしまった先進諸国については、デフレであることをめざしています。
ただし、民主主義国家として貧民救済はやむを得ないと考えているので、その部分でインフレになることはやむなしと考えているはずです。

 「ジェットコースターのような不安定な状況」は、一般人にはそのように見えますが、彼らにとっては“管理された不安定な状況”でしかありません。
 その一例が、サブプライムバブルとその崩壊です。一般国民は、いろいろなかたちで彼らにダマされています。

 相当前に投稿したものですが、かつてのインフレ時代に関する投稿がありますので、よろしければ参考にしていただければと思います。

『「産業資本主義」の終焉:インフレーションと経済成長(デフレーションと不況):インフレは産業への“賛助”である。』
http://www.asyura2.com/0403/dispute18/msg/786.html


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【引用3】
「先の13にも書きましたが、法人税の減税部分を補完する意味においては、少なからずグローバル企業にはデメリットの少ない消費税増税ならば、グローバル企業優遇と捉えても、その通りかとは思われます。ただあっしらさんが、「財政再建に寄与しないどころか逆に足を引っ張る消費税増税」と書かれているように、消費税増税が、法人税減税を補完するとは到底考えられません。」


【コメント3】
 ご指摘のように、消費税増税が法人税減税を補完することはありません。ですから、現在消費税の増税を推進している政治家が多数派を占めているかぎり、さらに消費税の税率をアップする流れになります。
 「法人税減税と消費税増税の一体改革」がグローバル企業の国際競争力を向上させると考えているグループは、総体の税収が低迷することを厭わないのです。
 逆に、まだまだ財政危機だと煽って消費税増税を正当化できるネタなので、税収が伸びないほうがいいとも言えます(笑)。

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【引用4】
「さらに、消費税の使途が、「社会保障の維持や充実」ということになれば、直接の恩恵を受けることになるのは、その被社会保障者や、それに関わる企業であって、プラマイゼロの還付金を持ってグローバル企業に恩恵があるとするのは少し無理があるようにも思われます 」


【コメント4】
 消費税増税の打撃の強さは、大まかに言えば、低所得者、農業業者、中小商店、地場産業、国内専業大手企業という序列になります。

 消費税の使途が「社会保障の維持や充実」であっても、消費税が増税されれば、これまで以上に、裕福ではない世帯の可処分所得や経済的力で劣った事業者が稼いだ付加価値から得る税収のウェイトが高くなります。
 ざっくばらんに言えば、消費税増税政策は、「貧乏人の相互扶助システム」を強化するものなのです。さらに、それは、インフレを抑制し、貨幣価値の下落を抑制する仕組みでもあります。

 また、被社会保障者は給付をすぐに消費に回します。それが直接グローバル企業の商品購入につながらなくても、社会保障受給者の消費行動で潤った人たちがグローバル企業の商品を買えば、社会保障給付の増加も十分にグローバル企業に貢献するものだと言えます。


-------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
【引用5】
「つまり、利払い分が消費税課税対象であったとしても消費税のアップに対して、全体的なマージンは変らないということです。 」

【コメント5】
 説明の関係で、該当パートの最後の部分だけを対象にします。

 元の説明は、消費税がない場合と消費税がある場合や、消費税増税が行われる前と増税後で手元に残るマージンの違いを比較したものです。

 「利払い分が消費税課税対象であったとしても」という表現から、利払いと消費税の関係は、説明が悪く誤解を招いたと思っています。

 利払いを受け取るほうは非課税対象ですが、利払いをする方は、免税事業者やオール非課税取引業者でないかぎり、消費税が課されるマージン=付加価値を利払いの原資とします。この意味で、利払いは消費税税率分だけ負担が重くなると説明しました。

 ですから、「消費税課税対象であったとしても」ということではありません。借金して利払いをしない通常の利払いであれば、利払いに充当されたお金は、消費税が課税されるお金なのです。

 このような意味で、元の説明も、利払いと利払いに充当する付加価値のみをピックアップし、消費税全体を持ち込まなかったのです。
 「消費税(付加価値税)がなければ、100億円−0.2億円=99.8億円が利払い後のマージン」で「消費税が課されると、利払い分だけのマージンを取り出しても、2千万円×5%=100万円の消費税負担が生じることになり、利払い後のマージンは100億円−0.2億円−0.01億円=99.79億円」ということで、問題なのは、0.01億円の消費税なのです、

 消費税の税率が倍の10%になれば、0.2億円の利払い原資に対し、0.02億円の消費税負担が生じます。0.01億円の負担増です。
 違った言い方をすれば、0.2億円の利払いを続けるためには、マージンを0.01億円増やさなければならないことを意味します。

 まず、直接雇用の人件費もそうですが、利払いや元本返済に充当されるマージンは、消費税的には付加価値として扱われ、課税の対象になりますが、企業にとっては、すぐに経費としてそのお金が流出するものです。
 ですから、消費税がなく法人税だけであれば、元本返済は別ですが、人件費も利払いも経費として控除でき、税金が課されることはありません。

 付加価値税である消費税は、人件費や利払いの原資にも課税することが問題なのです。

 ご呈示いただいたように、全体の消費税を考慮してしまえば、「消費税(付加価値税)がなければ、100億円−0.2億円=99.8億円が利払い後のマージン」に対し、独歩さんが計算されているように、「100億円−100億円×5/105−0.2億円=95.0381億円」になり、100万円ではなく、4億円以上の差がつくことになります。

 あくまでも、消費税導入前や消費税増税前との手元に残るマージン額の比較です。

-------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
【引用6】
「輸出がメインのグローバル企業は、販売においては国内の消費税の増税とは、免税であるがゆえに直接的には無縁です。そして、販売の消費税と仕入れの消費税の関係において、仕入れで転嫁された消費税を販売に転嫁する必要性はありません。なぜなら、仕入れで転嫁された消費税は還付されるからで、販売に転嫁しなければならないのは、販売にかかる(輸出国の)消費税分ということなのです。 」

【コメント6】
 日本の企業は、ごく一部を除き統制下にあるわけではないので、「輸出がメインのグローバル企業は、販売においては国内の消費税の増税とは、免税であるがゆえに直接的には無縁」とも、「販売の消費税と仕入れの消費税の関係において、仕入れで転嫁された消費税を販売に転嫁する必要性はありません」というのは、一見正しいようでもおかしな説明のように思えます。

 「輸出がメインのグローバル企業は、販売においては国内の消費税の増税とは、免税であるがゆえに直接的には無縁」は、徴税当局が輸出企業を見る目で言うのであれば妥当性がなきにしもあらずですが、企業サイドの営業面や税務会計から見れば奇妙な説明です。

 免税であっても、仕入にかかわる消費税額の控除がなされるのが「輸出免税」です。消費税が増税されれば、「輸出免税」に伴う消費税還付が増大します。
消費税の増税に伴い、転嫁が必ずしも“正しく”行われるわけでもありませんし、これまで仕入でなかった経費を仕入にすることでも消費税還付は増加します。それを考慮しない(活かさない)経営政策はあり得えないと思います。

 「販売の消費税と仕入れの消費税の関係において、仕入れで転嫁された消費税を販売に転嫁する必要性はありません」が、必要性で価格を引き上げるワケではありません。基本的には、利益を大きくするために価格を引き上げられるものです。
 輸出免税であっても、名目は消費税でなくとも(今は内税なので消費税でも名目は要りませんが)、仕入れで転嫁された消費税をマージン率まで考慮して輸出に上乗せ(転嫁)しても、何らお咎めはありません。円レートの変動は無視しても、売れるのなら、価格は自由に引き上げることができます。

 国税庁や学者の説明や理論は、消費税は間接税で負担が“正しく”転嫁されるという虚構を前提にしてはじめて成立するものでしかありません。

-------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
【引用7】
「>>いずれにしろ、最悪でも、「消費税還付」を受け取るグローバル企業は、増加する消費税負担から免れるということです。
完全に輸出100%のグローバル企業なら、上記の件に異論はありません。ただ、そのようなグローバル企業があるのかは、ちょっとわかりません。」

【コメント7】
 税率が何%であっても消費税を1円も国庫や地方自体の金庫に納めていない企業は、増加する消費税負担から免れることになりませんか?

-------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
【引用8】
「社員を派遣社員にした場合の消費税の比較においては、人材とその内容(給与や社会保障費など)は、あくまで同じ土俵でないと、比較になりません(ただし派遣会社の利益は別)。
同じ社員を派遣にかえたとするのなら、派遣会社がそれらの給料や社会保障費を支払い、それを派遣料に乗せるだけなので、支払い条件はかわりません。」

【コメント8】
 現実に派遣労働者の比率が増えています。
 それなりに優秀な若者も多くが失業していることもあり、特殊な部門はともかく、一般的な部門であれば、派遣労働者で十分こなせる条件にあります。

 同じ社員を派遣にかえることはなかなかしないでしょうね。その場合は、賃金カットで対応すると思います。

 消費税税率がアップされれば、確実に、非正規労働者の割合が増えます。そうでなければ、企業は、販売数量を減らすことなく価格に上乗せすることが難しいデフレ基調のなか、消費税増税で増える負担を吸収して利益を維持することができないからです。

-------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
【引用9】
「賃金切り下げについては、やり易いかどうかは別として、従業員を雇っていてもできる話です。ただ、派遣の方が首切りや、給料削減は容易な側面はありますが、その分派遣社員と会社との関係性はおおよそ希薄なものとなるのでしょう。それがサービス残業や休日出勤など、仕事上の無理がきくかどうかとかを総合的に判断して決められます。」

【コメント9】
 そのような考え方には同意します。派遣労働者も、サービス残業を強いられることがあるようです。待遇は派遣労働者、労働強化は従業員なみというふざけたところもあります。

-------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
【引用10】
「もちろん、「消費税還付金」のみに目を向ければ利益という分類になるのかもしれませんが、国庫に納付しているしていないに関わらず転嫁された消費税(値上げ分)があるということを差引けば、行って来い状態となり、利益とは考えられないということです。」

【コメント10】
 非課税事業者でなく一般の課税業者も、消費税を納付する他に、転嫁された消費税(値上げ分)も負担します。

 付加価値税だから、課税業者は、“計算上”仕入にかかわる消費税が控除されるのであって、輸出免税のように、仕入にかかわる消費税が“ほんとうに”差し引かれるわけではありません。

 独歩さんの論で言えば、課税事業者は、「消費税納付分+仕入にかかわる消費税額」の消費税を負担していることになります。
 これは了解してもらえますよね。



21. 独歩 2012年6月20日 22:18:34 : OcXlFVq.c5uyc : ihoKj4svUQ
あっしらさん、細部にわたってのご回答ありがとうございます。恐縮です。

>> サムスンを含め、現在の日本のグローバル企業のポジションから言えば、「競争相手国のグローバル企業の衰退は、そのまま自国のグローバル企業の強化へと繋がる」というわけではなく、官僚たちもそう考えていないはずです。

 「競争相手国のグローバル企業の衰退」については、アメリカが当時、自国自動車企業のビック3を支援し、メディアがトヨタ自動車を理不尽に叩いていた時にも、表向きは別として、本音の部分で、少なからず保護主義的な要素があったようにも映ったことを思い出した次第です。
もちろんトヨタ自動車がアメリカの雇用を支えている側面など、また、サムスンが製造装置や中核部品などを日本からの輸入に頼っているなど、個別案件で言えば、競争相手国のグローバル企業が衰退することが自国の企業にとって好ましいかどうかは総合的に判断されることなのでしょう。もちろん共存共栄を模索していくことこそが、真に自国企業のメリットに繋がるのだろうとは思いますが、本音の部分では、自国のグローバル企業が次々と他国のグローバル企業を打ち負かして(衰退させて)、すべての市場を独占的に侵略していこうとするのが、歴史的な人間の習性のような気もします。

また、グローバリズムと言いながらも、基本は自国の企業が成長していくことを願っているわけであり、為替誘導が保護主義として非難されるのなら、もしその為替誘導に代わる代替品として消費税率増加がなりうるということであれば、隠れ保護主義政策として、表立っては非難されないものの、推奨されるというのは、どこかおかしなことのようにも思われた次第です。

>>また、被社会保障者は給付をすぐに消費に回します。それが直接グローバル企業の商品購入につながらなくても、社会保障受給者の消費行動で潤った人たちがグローバル企業の商品を買えば、社会保障給付の増加も十分にグローバル企業に貢献するものだと言えます。

社会保障受給者の消費行動で潤った人たちが、選択肢の一つとして、あるグローバル企業の商品を買うということは、そのグローバル企業の商品は国内で消費されたものであり、そのグローバル企業は、少なからず国内の消費税の納税義務者になって、消費税増税の被害者にもなっていることも意味します。

>>付加価値税である消費税は、人件費や利払いの原資にも課税することが問題なのです。

私の読解能力の問題から、お手間を取らせてしまい申し訳ないです。なんとか、この件に関しては、自分なりに理解に至ったと思っております。私なりの理解内容は以下の通りです。
例えば、商品を100億円で購入して、それを儲け無しの100億円で販売すれば、消費税の納税額は0円です。これに余分に利払いが1億円かかったとして、それを売り値に乗せ101億円で販売したとする。ただその場合の消費税額は0円とはならず、0.047億円ほどかかってしまうということです。なぜなら、利払いの1億円は非課税であるために、その部分は消費税計算で売上げからは引けませんが、売り値に乗せた利払い分の1億円が、きっちりと“売上げとして”課税計算されるために、差し引きされたとき、消費税が、0.047億円ほどかかってしまうという感じです。
こんな理解で宜しいでしょうか。

>>。ヨ輸出がメインのグローバル企業は、販売においては国内の消費税の増税とは、免税であるがゆえに直接的には無縁」は、徴税当局が輸出企業を見る目で言うのであれば妥当性がなきにしもあらずですが、企業サイドの営業面や税務会計から見れば奇妙な説明です。
>>免税であっても、仕入にかかわる消費税額の控除がなされるのが「輸出免税」です。消費税が増税されれば、「輸出免税」に伴う消費税還付が増大します。
消費税の増税に伴い、転嫁が必ずしも“正しく”行われるわけでもありませんし、これまで仕入でなかった経費を仕入にすることでも消費税還付は増加します。それを考慮しない(活かさない)経営政策はあり得えないと思います。

もちろん仕入れに関しては、消費税還付問題が生じますから、国内の消費税とは無縁とは言い難いものの、販売である売上げにかかわる消費税については、国内の消費税とは免税であるがゆえに“直接的には”無縁のはずです。もちろん下請け会社が消費税を負担するという特殊な状況が生まれればコストダウンとなり、販売価格を下げる余地が生まれるのでしょうが、それは消費税が引き金となっている副次的な値引きという事例であり、もちろん、そういう事例を入れるなら無縁とは言い難いですので、無縁とは書きつつも“直接的には”と、やや逃げ道的なぼやかしを入れてはみましたが、無縁という言葉で、言いたいことを強調したかったに過ぎません。

>>。ヨ販売の消費税と仕入れの消費税の関係において、仕入れで転嫁された消費税を販売に転嫁する必要性はありません」が、必要性で価格を引き上げるワケではありません。基本的には、利益を大きくするために価格を引き上げられるものです。

もちろん転嫁するしないはその企業の裁量ではありますが、課税仕入れにかかわる消費税は、きちんと還付されるので、輸出を含む販売で、その消費税分を転嫁しなくても、収支は変わらないので、特別に乗せる必要はないということです。もちろん乗せても構いません。その分、利益が増大するだけです。

>>消費税税率がアップされれば、確実に、非正規労働者の割合が増えます。そうでなければ、企業は、販売数量を減らすことなく価格に上乗せすることが難しいデフレ基調のなか、消費税増税で増える負担を吸収して利益を維持することができないからです。

人件費は、利払いと同じ非課税仕入れになりますが、それを派遣会社に変更しても、今度は派遣会社が派遣料に消費税分を上乗せしてくるだけなので、トータル収支はかわらないはずだと思っております。
もちろん消費税とは直接的には関係のないところで、総合的にみてメリットがでると踏んで派遣社員に変更していく企業は、ますます多いとは思っております。
また消費税が引き金となって、デフレに突入し、副次的に賃金や退職金などコストが安く済む派遣社員が増えるのは想定されますが、本件の趣旨とはやや逸れた感があります。

>>税率が何%であっても消費税を1円も国庫や地方自体の金庫に納めていない企業は、増加する消費税負担から免れることになりませんか?

「税率が何%であっても消費税を1円も国庫や地方自体の金庫に納めていない」というものがどういう状況なのかがわかりませんが、例えば、輸出のない国内取引のみの企業で、課税売上げが課税仕入れの金額より少ない場合は、消費税を国庫や地方自体の金庫に納めなくてもいいのですが、将来的に課税売上げの上昇により消費税を納めなくてはいけない状況になる場合もあります。ただ完全に輸出100%のグローバル企業なら、売上げに左右されずに、国内の消費税を支払う必要からは免除されるので、その際は、増加する消費税負担から免れるだろうということです。

>>独歩さんの論で言えば、課税事業者は、「消費税納付分+仕入にかかわる消費税額」の消費税を負担していることになります。
>>これは了解してもらえますよね。

「消費税納付分」というのが、付加価値に対しての実際の納付分なのか、それとも売上げにかかわる消費税額なのかがわかりかねますが、支払いベースでみると、「仕入にかかわる消費税額」は仕入れ時に負担しており、「売上げにかかわる消費税額」は、差引かれて申告時に負担しているといった感じでしょうか。そして還付金が発生する場合においては、それが還付されたとき利益とみなすことになりますが、会計上はともかくも、実質的には差し引きされなかった支払済み仕入れにかかわる消費税分が戻ってきたという状況なので、プラマイゼロで、利益とはみなさないと思っているということです。


22. 独歩 2012年6月21日 09:27:00 : OcXlFVq.c5uyc : ihoKj4svUQ
私の書いた先の例文を載せます。

『例えば、商品を100億円で購入して、それを儲け無しの100億円で販売すれば、消費税の納税額は0円です。これに余分に利払いが1億円かかったとして、それを売り値に乗せ101億円で販売したとする。ただその場合の消費税額は0円とはならず、0.047億円ほどかかってしまうということです。なぜなら、利払いの1億円は非課税であるために、その部分は消費税計算で売上げからは引けませんが、売り値に乗せた利払い分の1億円が、きっちりと“売上げとして”課税計算されるために、差し引きされたとき、消費税が、0.047億円ほどかかってしまうという感じです。』

ここで、利払い1億円分を売値の乗せて101億円で販売したとするのが、そもそもおかしかったのです。売値に乗せるということは、消費税がかかるわけです。違う言い方をするのなら、非課税のものでも、消費税分を乗せて良いということになります。そして乗せないとそれは値引きという形になりますから、そのまま101億円で販売するのではなく、101.047億円での販売が例題としては正しいことになります。
ということで、差し引きはやはり、かわりませんので、利払い分があったとしても消費税の増税に対しては、それを乗せれるかどうかという商売上の問題は別として、基本、不利益にはならないということになります。
つまり、付加価値税である消費税が、人件費や利払いの原資にも課税するということは、他の課税仕入れと比べたときに、特別に問題(不利益)になるとは思われません。


23. 独歩 2012年6月21日 09:28:31 : OcXlFVq.c5uyc : ihoKj4svUQ
↑↑↑(下記部分を冒頭に付ける予定でした。)

あっしらさん、追記です。

昨日の投稿で、あっしらさんの見解を自分なりに解釈し理解できた部分である、利払いを売上げの乗せた場合の消費税分の負担ですが、よくよく考えると少しおかしいことに気づきました。
私の書いた先の例文を載せます。


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