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http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20120615/plt1206150746000-n1.htm
消費税はどのように使われるのだろうという素朴な疑問を誰でも持つのではないだろうか。消費税増税について、政府は増大する社会保障費用に充てると主張している。増税したお金は本当に社会保障に回るのだろうか。極端にいえば、カネに色はついていないので、なんとでも説明できる話だ。
政府が「社会保障に回る」という場合、消費税を社会保障目的税化し、会計を区分経理することによって消費税収入に対応する支出先を社会保障分野にするという意味だ。これは本来色のついていないカネを会計上、色付けするという作業になる。
ただし、このような形で目的税化した場合、弊害も出てくる。その典型例は、道路特定財源だった。ガソリン税などを道路支出に充てるという制度であったが、ガソリン税がある限り、道路を作り続けるという無駄が生じてしまった。また、本来の道路建設とは無縁な事業にもガソリン税が使われてしまった。
消費税の社会保障目的税化でも同様な懸念がある。少なくとも社会保障分野での無駄削減に目的税化はマイナスに働くだろう。そうした懸念があるために、消費税を導入している国の中で社会保障目的税化している国はないと思う。
政府と違う説明をしてみよう。自公政権と民主政権との歳出規模の差に着目する。2001〜08年度の自公政権下で、小泉、安倍、福田政権の平均歳出総額は83・6兆円(麻生政権はリーマン・ショック時なので危機対応として除く)。一方、2010〜12年度の民主党政権下の鳩山、菅、野田政権では平均94・3兆円とその差は10・7兆円。消費税増税はその差を埋めるために使われてしまうという説明も可能だ。
このように消費税増税は社会保障に使われるという話は気休め程度でしかない。本当に社会保障のためであれば、現在払うべきなのに払われていない「消えた社会保険料」をまじめに徴収するほうが先決だ。
日本では、国税の徴収は国税庁、社会保険料の徴収は日本年金機構と別々の機関で行われていて、両者を統合した歳入庁がないために社会保険料の徴収には甘いところがある。国税の税務調査を受けた人は多いはずだが、社会保険料の調査は経験がない人ばかりだろう。
そのため、企業が従業員から天引きした社会保険料が国庫に払われていない可能性があり、金額は10兆円程度になるという試算が、浅尾慶一郎議員(みんなの党)から国会に提示されている。これに対する政府答弁は説得力がない。なにより歳入庁を作ってみなければわからないはずだ。
社会保険料の法的な性格は税金と同じだ。その社会保険料で不公平があるのはまずい。その不公平をそのままにして消費税にしわ寄せしてはいけない。増税の前に不公平税制を解消するというのは税理論のセオリーである。消費税の社会保障目的税化にしても、不公平放置にしても、今回の消費税増税はでたらめばかりだ。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)
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