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民主党の小沢一郎元代表(70)に超ド級のスキャンダルが直撃した。最新の週刊文春(6月21日号)が「小沢一郎 妻からの『離縁状』」とのタイトルで、和子夫人(67)が「(東日本大震災後、小沢氏は)放射能が怖いと逃げた」「国のためどころか害になる」などと記した、支援者あての手紙を全文公開したのだ。小沢氏の「国民の生活が第一」という看板は真っ赤なウソだったのか。消費税政局が佳境を迎えるなか、20年以上、政界に君臨した小沢氏への“引導”となりかねない。
永田町では、今週初めから「小沢氏を直撃する衝撃記事が出るらしい」という情報が広がり、文春発売前日の13日には、記事のコピーが国会控室や議員会館に出回った。
自民党議員は一読して「小沢は終わった」と言い放ち、小沢グループの議員も「このタイミングは痛すぎる」と頭を抱えた。官邸は早い時期に情報を得ており、「政局の追い風」(政府高官)という見方と、「小沢がさらに牙をむく」(周辺)という見方がある。
政界震撼のスクープを放ったジャーナリストの松田賢弥氏は「すさまじいの一言だ。戦後政治の中で、現役政治家が、奥さんにここまで書かれた例はないのでは」と、夕刊フジの取材に語った。
問題の手紙は、昨年11月ごろ、小沢氏の地元・岩手県の有力支援者10人前後に届いたもので、松田氏は便箋11枚の直筆の手紙2通のコピーを入手した。内容はほぼ同じで、小沢氏の元秘書に確認したところ、「間違いなく和子さんの字だ」と話したという。
手紙は、震災のお見舞いもそこそこに、こう本題に入る。
「このような未曾有の大災害にあって本来、政治家が真っ先に立ち上がらなければならない筈ですが、実は小沢は放射能が怖くて秘書と一緒に逃げ出しました。岩手で長年お世話になった方々が一番苦しい時に見捨てて逃げ出した小沢を見て、岩手や日本の為になる人間ではないとわかり離婚いたしました」
和子さんは、中堅ゼネコン「福田組」(本社・新潟市)の4代目社長の長女。田中角栄元首相の紹介で、衆院2回生だった小沢氏と見合い結婚した。地元入りできない小沢氏の代理として、3人の子供を育てながら選挙もきりもりしていたが、最近、選挙区で姿を見られなくなったという。
手紙には、8年前に小沢氏に隠し子がいることが発覚したことが背景に挙げられ、小沢氏から「どうせお前も地位が欲しかっただけだろう」「お前に選挙を手伝ってもらった覚えはない」といわれ、和子さんは「自殺も考えました」と記している。それでも我慢していたが、昨年3月11日後の小沢氏の行動で考えが変わったという。
看過できないのは、福島第1原発事故を受けた、小沢氏の対応に関する一連の記述だろう。
小沢氏は放射能を警戒し、(1)3月16日、秘書を通じて「内々の放射能の情報を得た。自分も逃げるので、逃げる場所を考えろ」と和子さんに指示(2)和子さんが断ると、小沢氏は「塩を買い占めろ」と書生に命じ、家に閉じこもる(3)同月15日に国会議員6人が岩手県庁に行った際、誘われたが党員資格停止処分を理由に拒否−などとある。
確かに、小沢氏が初めて岩手県沿岸部の被災地を訪ねたのは、大震災から10カ月後の今年1月。国民の生命と財産を守るべき国会議員が、放射能におびえて、内々の情報も公開せず、被災者を見捨てて逃げだそうとしていた、というのか。
衝撃の記述は続く。
小沢氏が3・11後、当時の菅直人首相に退陣を迫った理由として、菅氏の放射能情報の隠蔽を疑い、「誰でもいいから首相にすえて情報を入手しようと考えた」と記載。和子さんは「こんな男を国政に送る手伝いをしてきたことを深く恥じています」としている。
松田氏は「『自分の関心は天下国家』といいながら、保身ありきで、地元民を見捨てた。和子さんは政治家どころか人間として許せない、と思ったのだろう」と語った。
注目の消費税増税法案は、15日に野党との修正協議の期限を控え、政局のヤマ場に入っている。小沢氏は、中間派を巻き込んだ衆院採決先送り、造反して新党結成も視野に入れているが、今回のスキャンダルは痛い。
現に、小沢氏が連携を模索する大阪市の橋下徹市長率いる「大阪維新の会」幹部は、記事のコピーを読み「小沢新党との連携はない」と語った。
松田氏は「手紙の内容を知る人は『和子さんのために応援してきたので、もうやらない』『次の選挙は出ても落ちる』と怒っている。もう政界でやれることはない。引退すべきだ」と話す。
小沢事務所は14日午前、「家族のことに関し、事務所としてコメントする立場にありません。また、震災後の対応等に関する記事内容に対し、全くのでたらめであり、そのような事実はないことをお伝えさせていただき回答といたします」とコメントした。
■松田賢弥(まつだ・けんや) 1954年岩手県北上市生まれ。業界誌記者を経てジャーナリストになり、政界をえぐるスクープ記事を多数執筆。主な著書に『角栄になれなかった男 小沢一郎全研究』(講談社)など。
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20120614/plt1206141810008-n1.htm
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