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6.9アジ連公開講座
どう反撃の闘いを築き上げるか
六月九日、アジア連帯講座は、文京シビックセンターで「橋下・大阪維新の会を批判する―反撃の闘いは今―」というテーマで講師に寺本勉さん(「日の丸・君が代」強制反対ホットライン大阪事務局員、おおさか社会フォーラム2012事務局員)を招き、公開講座を行った。
既成政党の枠外
からの「改革」
寺本さんの提起は、「橋下・維新の会による『改革』」の時間系列的整理から始まり(別掲)、「『改革』の性格」についてつぎのように分析した。
「橋下・維新の会は、第一の目標として統治システム、政策決定システムの改変をあげ、維新八策の第一項目で参議院の廃止、道州制の導入、大阪都構想を掲げている。つまり、日本における政治的、経済的、社会的危機の深さに対して、既成の大政党が政治・経済・社会的展望を喪失していることへのアンチ・テーゼとして設定した。これは戦後民主主義政治の機能不全を巧みに突きながら、『独裁』をも許容する雰囲気を作り出し、常に『抵抗勢力』を作り上げながら、大衆的人気を維持しようとするものである。かつての小泉純一郎が『自民党をぶっ壊す』と叫びながら郵政『改革』などを強行したのと酷似点もあるが、決定的違いは、既成政党の枠外から行っていることだ」。
「政策の柱は、新自由主義的規制緩和、民営化・民間企業の導入であり、経済成長のための原資を自治体機能の縮小から得ようとする。教育分野においても同様の攻撃を行っている。同時に労働組合への徹底した攻撃は、旧総評運動の中で最後に残った自治労(大阪市労連)運動と組織への攻撃としてある。つまり従来は、選挙運動、職場協議、当局との交渉・折衝、組合費のチェックオフなどを積み上げて、当局との一定のもたれ合い構造の中で正規職員の権利を擁護しながら、一方で政治課題への取り組みを行ってきた。これは非正規職員の組織化の軽視へとつながり、組合運動の弱点となってしまった。だから橋下は組合の権利擁護運動の弱さを突く形で一挙に権利剥奪をかけ、組合運動の基盤そのものを破壊しようしている」。
「この延長で『新たな労使間ルール(案)』を提案してきた。管理・運営事項は団交事項でないとし、組合に意見を聞いてもいけないというのである。あげくのはてに組合収支報告書を提出させ、『適正』組合でなかったら職員団体の登録を取り消すとしている。具体的には七月市議会へ向けて『組合活動適正化条例』の制定をねらっている。立て続けの組合破壊の暴挙を許してはならない。従来の運動の弱さを対象化しつつ、新たな反撃陣形を強化していくことが必要だ」と述べた。
広がる労組間
での共同闘争
そのうえで「橋下・維新の会に対する闘いは今?」を報告。
「私が参加している『日の丸・君が代』強制反対ホットライン大阪は、二〇〇〇年に結成し、『君が代』起立・斉唱強制条例への反対闘争を契機に必然的に反橋下・維新の会の闘いへと広がっていった。昨年五月以来、一〇回以上の集会・デモ・府教委抗議行動などを展開した。現在、反『君が代』の闘いとして不起立被処分者六人が人事委に不服申し立てをおこない、一人が準備中である。市民運動として支援を行っている」。
「労働組合運動は、どんな状況になっているか。可能性ある方向性として、昨年一一月に大阪市長選での『反独裁』共同アピールを出発点にして大阪労連、大阪全労協、国労近畿、関西MIC、全日建連帯近畿、全港湾関西、おおさかユニオンネットワークによる七労組連絡会が作られた。六月二五日に中之島中央公会堂で反橋下集会が行われる。この集会は、法律家8団体(連合大阪法曹団・大阪労働者弁護団・民主法律協会・大阪社会文化法律センター・自由法曹団大阪支部・青年法律家協会大阪支部・大阪民主法曹協会・日本労働弁護団大阪支部)の主催で初めて連合、大阪労連、全労協、独立組合などが結集する決起集会が行われる。六・二五集会は、橋下の矢継ぎ早の攻撃に対して労働組合が一致団結して反撃し切れていない困難な状況に対して、弁護団のイニシアチブによって集会が実現するようになった。共同行動を強化していく必要がある。いずれにしても橋下・維新の会を包囲していく陣形作りは急務であり、強化していかなければならない」と強調した。
直接・参加型の
民主主義実現へ
「反橋下運動の展望は?」について、次ぎのように提起した。
「第一は、橋下的『民主主義』に対するオルタナティブの提起だ。橋下的『民主主義』は、選挙での多数が唯一の『民意』、選挙と選挙の間は白紙委任という論理だ。ところが橋下を支持する二〇代、三〇代の層が(間接的にではあれ)経験した『民主主義政治』は、機能不全に陥った政治状況だけという深刻な状況に追い込まれている。だから少なくともこの層の相当部分が、自らが作り上げる社会運動を通じて、直接民主主義、参加型民主主義の経験値を上げていくことが重要だ」。
「例えば、おおさか社会フォーラム(九月一五日、一六日/エルおおさか)は、いろんな運動の枠を超えて社会運動、市民運動、NGO、労働組合が集まれるような場として設定している。この中で若者世代が中心にYouthフォーラムが行われる。新たな運動の兆候として可能性があり、応援していきたい。橋下的現象に対して従来の運動圏の違いを超えて反撃していくことがキーワードだろう」とまとめた。
「反独裁」だけ
では倒せない
参加者からの質問は、「橋下の大飯原発再稼働容認をめぐる運動圏の反応」、「『日の丸・君が代』強制の大阪の地域的違い」と「教育委員会と校長の指導対応の経過」、「当局の教員攻撃に対する生徒たちの反応」、「大阪の新保守主義勢力の動向」、「大阪都構想に対する市民の評価」、「不起立教員へのバッシングと周辺教員の立ちい振舞い」、「橋下のメディア利用」、「貧困と格差を根拠にした橋下支持の雰囲気」などが出た。
寺本さんは、「橋下の政治スタイルが支持されているところがある。メディアの中でも支持、不支持的傾向がある。毎日放送・MBSは、『VOICE』で批判的な橋下特集を組んだ。ある記者が橋下に批判的ということで視聴者から『辞めさせろ』という攻撃メールが殺到する状況がある。橋下もその記者を徹底的に攻撃した。諸選挙結果を通して『反独裁』だけでは橋下は倒せない。貧困と格差を基盤にしながら橋下現象が社会的に登場していると言わざるをえない。橋下は、『家庭教育支援条例』のように批判されると引っ込める手法がある。柔軟に対応しつつみえるが、やることはやっている。単純なブームという捉え方ではだめだ。政策論議だけではすまない。橋下・維新の会包囲を全国的に広げながら論議の積み上げを共同で行い反撃していこう」と呼びかけた。 (Y)
5.31大阪WTC住民訴訟第2回口頭弁論
橋下さん、96億円返して
購入も移転も違法の極み
【大阪】大阪WTC(世界貿易センター)住民訴訟の第二回口頭弁論(第一回は三月一五日)が五月三一日、大阪地裁大法廷で開かれた。訴訟の原告は大阪市民、被告は大阪府知事、被告側補助参加が橋下大阪市長である。
WTCビルは、一九八八年大阪市が中心になったテクノポート大阪計画に基づき、第三セクター方式で建設され、一九九五年に完成した。総事業費一一九三億円、高さ二五六メートルの大阪南港北の咲洲コスモスクエアに建設された超高層ビルである。
アクセスの不便さやバブル崩壊により、周辺開発が進まなくなり、オフィス入居の予測が外れ、空フロアーが多かったため、大阪市の部局を入居させたりしていた。二〇一〇年大阪府が八五億円で購入してから、大阪府咲洲庁舎という名称になっている。
口頭弁論では、原告側の豊島弁護士が@WTCビルの耐震性について述べ、次いで西川弁護士が大阪府がWTCビルを購入し大阪府庁の一部部局をWTCビルに移転したことの不当性について陳述した。
耐震性評価検討
を無視して強行
大阪府は、WTCビルを購入する前の〇八年一二月から〇九年一月にかけて、(株)日建設計による長周期地震動による影響調査を行った。日建設計は模型をつくって調べ、二月に調査結果を報告した。日建建設はWTCビルを設計した会社である。報告は、ビルの内部の人に大きな影響が出るようなことはない、中間の梁は少し弱い、という内容だった。この調査に基づき橋下知事は、改修費を含めた購入費の予算案を一〇年二月府議会に提案し、予算案は可決した。
ところがそれ以前の、〇七年度に大阪府・大阪市構造物耐震検討委員会が設置された。専門家による検討委員会は一年かけて検討した末、〇七年度末に一応の報告をし、その内容は学会の近畿支部のシンポジウムで報告された。断層の新しい評価手法によって予測される揺れは、従前の指針による想定の五倍以上の可能性があり、長周期地震動については継続して検討する必要がある、という内容であった。しかし、この検討委員会は〇八年三月末に開店休業になった。
なぜ、引き続き〇八年度も開かれなかったのか。橋下が大阪府知事になったのは〇八年二月であるが、大阪府・市はこの検討委員会の成果をどのように活かそうとしたのか。予想される危険について大阪府・市は知っていて、無視したのではないか。大いに疑惑が残る。検討委員会の報告については、当時の朝日新聞が報道している。
地方自治法にも
反する暴挙だ
地方自治体は、その事務所の位置を定めたり変更するときは、条例を定めること。住民の利用にもっとも便利であるよう、交通の事情、他の官公署との関係について適当な考慮をすること。条例制定には議会において出席議員の三分の二以上の同意が必要である。これは、地方自治法第四条に規定されている内容だ。
ところが、この条例案は〇九年三月、〇九年九月の議会で二度にわたり否決されている。しかも、賛成は議員の半数にも満たなかった。しかしながら大阪府は、一〇年四月一日から一二年四月一日にかけて、総務部の二課、政策企画部、府民文化部、人事委員会事務局、商工労働部、環境農林水産部、大都市まちづくり推進室等を移転させている。
大震災のとき咲洲庁舎は大きく揺れ、壁や梁が破損した。にもかかわらず三月一四日から続いて相当の部局が移転している。大震災以前から移転が始まっていても、震災後はそれを中止するのが普通ではないのか。職員数にして、府庁に勤務する五〇〇〇人のうち、約二〇〇〇人が咲洲庁舎に移転した。
移転に伴う諸費用は、改修費七億三六一二万円、移転費三二一九万円、備品購入一億八七五四万円、ビルの復帰費用一億六二四四万円ある。WTCビルの購入が違法であり、従って移転もまた違法である。違法に支出された金額はビル購入を合わせて九六億円。備品購入の中にはマホガニーのソファーなど高級備品も含まれており、それは維新の会の会合や間寛平の感動大賞授与式などに使われている。
今後の裁判の
流れについて
口頭弁論終了後、大阪弁護士会館で報告会が開かれた。そこでの梅田弁護団長の報告による今後の裁判の流れは以下の通り。
「補助参加の橋下側が、原告の主張(被告の違法な点を整理したもの)に対して答弁書を出してきた。それは監査請求が出されるまでに一年以上経過していることに絞った答弁書になっている。しかしこの点は監査委員会の場でクリアーしている。原告側はこれに対して反論していく。検討委員会の報告内容で、まだ公表されていないものは、議事録を含め公表するように求釈明した。高層ビルが多い大阪で報告内容を全部公表すると、影響が大きくエライことになるから出さんとこ、という状況だったようだ。当時の新聞コピーはまとめて出すつもりだ」。
「原告の主張は三つある。今日主張した二点の他にもうひとつ、WTCだけではなく、咲洲全体の地盤強度はどうなのかという点。津波や液状化の危険性を考えて、橋下がいう防災拠点としてのWTCビルと咲洲の妥当性を追及していく。橋下は、咲洲を関西州の州都にしたいという構想を持っている。維新の松井知事もあきらめてはいない。だからこそ、この訴訟は議会の外で、府庁舎の位置について住民側が決めていくそのような意味を持った訴訟だ」。
次回口頭弁論は八月八日(水)一四時となった。最後にもうひとつ住民監査請求が提起された。大阪市のアンケート調査に関するもので、関係した特別顧問にこの件で支払われた給料が八六〇万円。アンケートに回答するのは職務命令で、各人回答するのに勤務時間の約一時間を要したから、平均給料に全職員三二〇〇〇人分を乗じた金額が八〇〇〇万円。印刷費・廃棄処分費その他で計九五〇〇万円。これが違法なアンケート調査にかかった費用として、橋下さんに返還してもらうことを求めるというものである。
(T・T)
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