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6月13日(水) 民主党は自民党の軍門に下るのか
税と社会保障の一体改革に向けての3党協議が煮詰まってきました。民主党はほとんどの点で自民党の要求を呑むようです。
私は、5月3日のブログ「小沢無罪判決によって幕を開けるかもしれない『政界三国志』」で、次のように書きました。
今回の判決によって、野田執行部は窮地に立たされることになりました。政治生命をかけるとしている消費増税法案を通常の国会運営によって会期内に成立させることはほとんど絶望的です。
ここで「援軍」としてあてにされているのが自民党ということになります。こうして、野田さんは自民党との連携に「政治生命」をかけるかもしれません。
そのための秘策は、「丸呑み」路線です。消費増税法案成立の一点を最優先し、その他の問題では自民党の言うことを全て聞いてしまおうというわけです。
また、6月8日のブログ「国民不在の談合による政治決着は許されない」でも、次のように指摘しました。
民自公3党は6月15日までの取りまとめを目指していますが、社会保障分野で意見の隔たりは大きく、協議は難航するとみられています。特に、民主党がマニフェストで掲げた最低保障年金や後期高齢者医療制度の廃止などをめぐって、民自両党の意見の隔たりには大きなものがあります。
野田首相は、G20出席のためにメキシコに向かう前日の15日までに、消費増税法案の衆院通過を図りたい考えですが、充分な時間がありません。協議がまとまるかどうかは微妙なところです。
唯一、可能な方法は、社会保障分野での協議を先送りすることです。一部で提案されている「国民会議」などを設置して社会保障改革については1年かけて議論しようという案がこれに当たります。
これまでの3党協議で、消費増税と社会保障改革を分離して消費増税だけを先行決着させ、社会保障改革については「国民会議」に先送りするという「妥協案」が浮上しています。ほぼ、私の予想したとおりの展開になっていると言って良いでしょう。
ただ、まだ「丸呑み」するには、自民党案の「骨」が大きすぎ、飲み込んだ後、ノドにつっかえるのではないか、腹痛を起こして身体をこわしてしまうのではないか、などの心配があります。参議院予算委員会で自民党が提示した社会保障制度改革基本法案を「受け入れる可能性も含めて仔細に検討したい」と答えたように、野田さんは覚悟を決めていても、周囲が決断できないという状況なのでしょう。
他方で、民主党内での拒絶反応も強まっています。自民党の提案をそのまま飲み込んでしまえば、民主党は民主党でなくなり自民党になってしまうようなものですから、それも当然でしょう。
こうして、民主党は自民党に乗っ取られようとしています。野田首相は消費増税実現のために、民主党を「開城」して引き渡すつもりのようです。
民主党の議員や党員の皆さんは、これを座して見ているのでしょうか。政権交代の際の国民への約束は嘘だったのでしょうか。
自民党政治からの転換を望んだ国民の願いと期待を裏切るつもりなのでしょうか。自民党と同じことをやるのであれば、一体、何のための政権交代だったのかと問われるのは当然でしょう。
これほどの裏切りの後に、「国民の負託」や「政治への信頼」を口にできると考えているのでしょうか。自民党の軍門に下るのであれば、民主党は解党して国民に謝罪するべきでしょう。
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