http://www.asyura2.com/12/senkyo131/msg/396.html
Tweet |
http://blog.livedoor.jp/jlj001/archives/51985396.html
<米産軍複合体の東アジア戦略>
ワシントンの安保・外交政策は、いうところの産軍複合体が実質的な権限を有しており、根幹の政策はそこから発せられるものである。その点で、米国は軍事優先大国である。したがって、それらは民主・共和の政党意思をはるかに超えたところに存在している。基本的に緊張を振りまくことでの暴利を求めがちだ。「死の商人」が跋扈するワシントンである。むろん、近年のアジア・太平洋重視戦略も、正しくは産軍複合体戦略の具体化と捉えるべきだろう。大統領府や議会を飛び越えたところで、軍事戦略が表面化するものだと認識しないと、日中両政府と両国民も判断を間違えることになろう。
5月15日に産軍体制戦略を語れる人物が、日本記者クラブで会見を行っていることを発見した。多少の参考になるかもしれないので、遅ればせながら分析を加えながら、紹介することにしたい。主役は元米海軍将校のマイケル・マクデビット米海軍分析センター上席研究員である。
彼は表向きは中国を標的にした持論を披歴した。「日本・韓国の安保は悪化している」と会見冒頭から決めつけて、日米韓同盟の重要性を日本に押し付けるのである。それは屈米派政権を後押ししていることでもある。
<中国に対抗、日本は楯、米は槍>
彼は日本の防衛大綱のように、中国仮想敵論をあれこれ説明などしない。それは前提条件として、当たり前のように認識しているのであろう。どう中国に対抗するのか。彼は「日本は楯だ。アメリカは槍という役割分担で対応している」とあっけらかんとして解説する。こう決めつけられる中国はたまったものではないだろう。要するに、日米一体化でもって、初めて中国に対抗可能といいたいらしい。日米中友好派は戸惑うばかりだ。
「中国は、従って米国の槍を鈍らせようとしている。東アジアにアメリカが接近することを拒否している。他方、アメリカは懸命に接近している」
中国の活発化する活動をテコにして、東アジアに割り込むアメリカと、それにけん制・対抗する中国という図式だ。既に中米の軍事的な対抗が、日常化しているというのであろう。南シナ海では中国・ベトナム・インドネシア・フィリピン・ブルネイが領有権を主張している点を力説する。これが米産軍体制の生き残りの作戦というのかもしれない。しかし、表向きは「米国はどちらの主張がベターかを選択しない」としている。
<尖閣での武力行使は低い>
東シナ海では、尖閣諸島をめぐって日中が領有権で争っている。「クリントン国務長官は、尖閣は日米安保第5条が適用される、と発言している」といい、さらに「尖閣が日米中紛争の発火点にはなりうる。しかし、武力行使になる確率は低い。が、無視はできない。潜在的に長期間、日米がフォローすべき課題だ」と複雑な分析を示した。
尖閣をめぐって、日中間が争う事態などあってはならない。まともな外交が存在する限り、双方の外交チャンネルで、双方の智恵で処理できる問題だろう。72年の国交正常化と平和友好条約の名において、衝突など起きない。起こしてはならない。極右の暴走をどう処理するのか。これは日本政府の責任によって解決すべき課題である。
問題は、ワシントンの策略家は尖閣問題を日中間のトゲとして、いつでも悪用できる状態にしておこうというのであろう。日中接近を抑え込む有力な武器として、尖閣を捉えているのだろう。
改めて欧米の謀略が気になる。それは「アジア人同士を衝突させる」というものだ。日清戦争や日露戦争がそうだった。戦後は北方領土問題で日ソ対立を煽ったアメリカ・ワシントンである。現在は、日中接近を抑制させるための尖閣と分析可能なのだ。
このことに日中政府と両国民は、理性的な判断でワシントン操作に対応してゆく必要があろう。石原の尖閣購入方針は、さしずめCIAの謀略に引っかかっているのであろう。
<重要な沖縄>
こうした戦略から沖縄の米軍基地を捉えると、米海軍OBは「戦略的重要性は高い」「しかも沖縄は、その中核的な基地」という認識を示すことになる。ここは、きわめて論理的なのである。
返還40年の沖縄を変えない、変えようとしないワシントンの意図が露呈する。あたかも日本属国論を見て取れよう。日本自立・日本独立が仮想でしかないことも。筆者が「米国の海外基地を撤廃する。謀略組織のCIAを廃止する」という共和党のロン・ポール下院議員の主張に感動するゆえんなのだ。
ロン・ポールのワシントン・対米自立派の永田町・霞が関にする時代の到来が待たれよう。そうする努力が必要なのである。鳩山・小沢を評価する理由なのだ。この点での日米韓台の良識の結集が待たれるところである。このさい、CIAの手先のような人物を防衛大臣に起用した野田のいかがわしさを、日本国民はしっかりと理解すべきだろう。
沖縄の戦略的重要性を彼は「南と東のシナ海の監視や水域確保に重要」とも訴えた。中国を敵と決めつけている。そうした罠にはまってしまう中国海軍の対応・戦略にも、問題があるのだろう。
<中国脅威は米国にない>
ワシントンも東京もCIA傘下のマスコミを利用して中国脅威論をがんがんと流布している。何度も繰り返されると、それを信じ込む市民は多くなる。その策略無くして、米軍事作戦・自衛隊作戦は成立しない。
日本でそれをテレビ出演して、せっせと宣伝に努めていた元自衛官が今の防衛大臣なのだから、いかにも国民を愚弄している。これを受け入れる与野党・メディアにあきれるばかりである。
果たして、ワシントンはどうなのか。米海軍OBの戦略家は「直接的な脅威はない」と断じた。「太平洋を横断してカリフォルニアに攻撃してくるという心配は全くしていない」「そうではなく中国海軍の増強によって東アジアをコントロールするかもしれない。それは米国の利益の脅威になる。この地域の安定性を損なうからだ」と解説した。
<武器弾薬メーカーと軍部の産軍体制>
各国それぞれに国民を守るという大義を口実にして、武器弾薬を大量に保有する。そうして軍需産業は暴利を手に出来る。日本の三菱もそうである。こぞって脅威を煽ることで、血税を懐に入れる。
旧ソ連はやり過ぎて国家が破綻した。アメリカもまた財政を破綻させてしまった。其の分を自衛隊と沖縄に負担させている。屈米派政権はそれをただ受け入れるだけだ。
血税を市民生活に配分するという当たり前の善政を抑制させる軍拡は、地域を不安定化させる元凶である。分かりきっているのだが、死の商人たちは脅威を煽り、脅威を作って血税を手にしている。イソップ物語の世界が、今の東アジアなのである。
そのことを米軍分析官は、日本記者クラブでとうとうと述べ、それを真面目に聞いて感心するジャーナリストなのである。
いえることは、平和が彼らの大敵なのだ。ワシントンと北京は連携しているのではないか、という疑念さえも沸くだろう。ワシントンの策略家は、中国海軍の増強と海洋進出を利用して、自衛隊と沖縄をうまい具合に悪用しているのである。
内心は、中国サマサマではないだろうか。現に、自衛隊の武器弾薬を提供している三菱は、中国で活発に商売に精を出して利益を手にしている。産軍体制はワシントンで圧倒しているが、東京や北京でも存在している。産軍体制こそが人類の敵なのである。
<米中戦争?思いもよらない>
中国海軍の活動を大々的に報道する日米のマスコミ。他方で、防衛大綱に中国敵視論を展開する防衛省。ワシントンの指令によって、自衛隊を南西諸島に移動する自衛隊、沖縄の米軍基地強化をあせるワシントン、東アジア重視の米第7艦隊などを見せつけられていると、将来米中戦争が起きるのではないか、という不安が両国民の間から噴きだすのではないだろうか?
もしも、そんな事態になれば核戦争にも発展しかねない。日本記者クラブで会見している分析官も、軍属としてもう一度現場に復帰させられるかもしれない。そんなことがあっていいのだろうか。
マクデビット上席研究員はきっぱりと否定した。「米中戦争?思ってもみないことだ」「最近の中国と台湾の関係は良好だ。紛争の可能性は低い。それに目下のところ、海軍力は我が方に優位性がある」
中国の空母に対して「旧ソ連製の空母は訓練用のものだ。10年後に2隻か3隻を保有するだろうが、戦時ではなく平時に使用するだろう。日米の潜水艦能力は世界で最上位のものだ。中国の潜水艦攻撃の能力はぜい弱だ。心配していない」とも言及した。
中国の軍事力の詳細など手に取るように分かっている、といいたげである。CIA活動を印象付けている。
<自衛隊に満足・日本の核武装?>
「私はアメリカの代表ではない。しかし、米国がなぜアジアにシフトしたのか。それはアジアが世界経済の重心になっているためだ。アジアに金が集まっている。アメリカの雇用創出もアジアとの関係にかかわっている」
「この地域の平和と安定は、米国の軍事的プレゼンスが貢献した結果だ。アメリカの貿易拡大に前方プレゼンスが必要になる」
産軍体制派の思考は凡人とは違う。軍事力の平和に固執、そうして正当化を図るのであろう。軍事力が平和を破壊するという現実を無視している。その上で「日本の役割に満足している」というのだ。防衛大綱もいいし、具体的な役割分担は双方で現在、相談しているともいう。「アメリカは日本の防衛に満足している」と総括した。
ワシントン戦略に全て応じる国など世界にない。満足して当然だろう。まともな日本人は、これにどう向き合えばいいのか。恥ずかしい。「アメリカ製戦闘機を購入してくれると、それはうれしい」とも語った。
日本の核武装論について彼は「日本は既に米軍という形で保有している」と断固として言明した。「核の傘を信用できないのか」と言わぬばかりだ。
尖閣紛争における役割分担について聞かれると、彼は「日本の陸上自衛隊も学習している。海上自衛隊も。再上陸は日本独自で持つようになる」とまるで先生が子供を諭すようにコメントした。
ワシントンの傲慢さ・アジア差別を見せつけた会見であった。
2012年6月13日10時05分記
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
▲このページのTOPへ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK131掲示板
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。