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http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20120610-00000001-gendaibiz-pol
橋下徹大阪市長が中央政界に突きつけた「大阪都構想」。その実現のための法案づくりが、思いの外ハイペースで進んでいる。橋下人気を恐れて、各党が協力せざるを得なくなっているということだろうが、それにしても今国会で成立する可能性すら見えてきたというから、ちょっと驚きだ。
各党の法案競争で口火を切ったのが、みんなの党・新党改革の地方自治法改正案(以下、みん新案)。通常の法律は国が地方に対して「上から目線」でやらせるパターンが多いが、このみん新案は国と地方の主従関係が逆で、地方から国にモノを申すという形になっている。
具体的には、大阪に設置される「協議会」が「大阪都の中身」を決めて、それを国に伝える。そして、国には実現のための法整備が義務づけられる。大阪都構想では、今の大阪市24区が8~9区程度に集約される予定だが、区割り・集約プランは大阪の「協議会」が作って、その実現のための法整備を国がサポートすることになるのだ。このように、実質的な中身は地方で決め、それを追認する形で法整備を国が行うという、本来の意味での地方分権思想で法案が書かれている。
その後、民主案と自民・公明案も出てきたが、両案とも「上から目線」の色合いが強かった。大阪府市統合本部特別顧問の堺屋太一氏が作成した各党案の比較資料を見てみよう。
既成政党の案には、みん新案にはまったく見当たらない条文がある。それは、制度設計に関するもので、民主案には「地方制度調査会において検討」とあり、自民・公明案では「総務大臣と協議」と規定しているのだ。堺屋氏によれば、「これを認めると中央集権、官僚主導が続きます」。
堺屋氏はまた、民主案について「制度設計を地方に委ねるという発想が欠如しており、『国と地方で一緒に協議調整』し、『法整備は国で検討』という形になっている」と批判。大阪都への移行ルールの詳細に関しても、みん新案では「協議会に委ねる」としているのに対して自民・公明案では「政令に委ねる」としていることに触れ、「政令で決めると官僚主導になる」と指摘している。
要するに、既成政党の法案はどちらも総務省の官僚が事実上の執筆者なので、国の関与をなんとかして残そうとしているわけだ。
だが、自民・公明案はその後、みん新案とほぼ同じ内容になった。みん新案が橋下ブレーンによって作成されたものであり、大阪維新の会の意向が反映されていることがわかったからだ。この修正を受けて、橋下市長サイドは堺屋氏らとも協議した上で、府市としては自民・公明案に同意し、民主党にも賛同を求める方針を固めた。それが4月17日のことだ。
そしていま、民主党もみん新案をベースにした自民・公明案にすり寄ってきており、今国会中の法案成立の見通しがついてきたというわけなのである。
こうなると、面白くないのが総務官僚だ。どこかで国の関与を残そうと必死になっている。総務省の最後の手段は、地方に配分している「地方交付税交付金」だ。これを「都」と「区」に勝手に使わせないよう、「都」と「区」の間の「財政調整制度」に国が介入しようとしているようだ。まさに悪あがきである。
こんなことをやっているから、橋下市長に「消費税を地方にくれ。その代わりに地方交付税は要らない」と言われてしまうのだ。もう小細工を弄するのはやめたほうがいい。
「週刊現代」2012年6月16日号より
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