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6月某日 あろうことか、沖縄地上戦の戦没者を慰霊する「沖縄全戦没者追悼式」が行われる6月23日の慰霊の日に3度目の沖縄入りをする野田総理が仲井真知事と直接会談し、垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの配備を要請することになった、との報道があった。配備は9月の予定だが、これまでの報道によれば、7月に那覇軍港に解体したオスプレイを持ち込み、そこで組み立てた後、普天間基地に配備する予定だという。試験飛行もしないままに、過密な市街地にある「世界一危険な」普天間基地まで飛行するというのは異常である。ましてや、沖縄にとってはおごそかに執り行われるべき実質的な敗戦記念の慰霊の日に、危険なオスプレイ配備を県知事に通告する無神経さには呆然だ。防衛官僚の思い上がった強行突破作戦という他はないが、これでは全県民を敵に回すも同然のヤリクチというべきだろう。これにはさすがに民主党沖縄県連も緊急の記者会見を開き、瑞慶覧長敏衆議院議員は涙の抗議をやって見せた。これに対し、藤村官房長官は慰霊の日の通告を否定して見せた。なぜこの報道が出たのか。防衛官僚の意図的リークの可能性が高いのではないか。
それはともかく、民間から防衛大臣に就任した森本敏(拓殖大学大学院教授)に対して、自民党や民主党内からも「文民統制」の原則に反するという声も出ており、国会での論議をどう交わすか、という点も焦点だろう。田中直紀前防衛大臣、その前の一川保夫防衛大臣がシロウトすぎて、野田総理としては国防の専門家を起用したほうが国会答弁をそつなくこなして乗り切れるとの判断だろう。しかし、森本氏は県民が圧倒的に反対する辺野古新基地推進派であり、集団的自衛権に踏み込む発言もしている反面、必ずしも海兵隊は沖縄にいる必要はないという発言もしており、そのブレを追及される可能性もある。しかも、麻生内閣時代には浜田防衛長官の補佐官を務めたり、一貫して自民党防衛族と歩調を合わせてきた人物だ。そんな人物を防衛大臣に起用する野田総理の思想性なき親米一辺倒体質や第二自民党指向は明白だ。
森本敏氏とは、筆者がキャスターをつとめた朝日ニュースターの「TVウワサの真相」や琉球朝日放送の「沖縄版・朝まで生テレビ」などで一緒になったことがあるが、確かに防衛のプロとしての知識や独自の見解を持つ人物だが、評論家時代はともかく防衛大臣の立場になれば、途端に歯切れが悪くなることは目に見えている。先に述べたオスプレイがモロッコで死傷者を出した墜落事故に関しては、機体の問題ではなく「人為的ミス」という米国当局の発表を鵜呑みにした発言をしている。防衛の専門家で、米国とも太いパイプがあるとすれば、事故の真相究明に最大限の力量を発揮すべきではないのか。
森本敏氏を防衛大臣に起用した野田総理の改造内閣も、「内閣強化」などでないことは誰が見ても明らかだ。問責決議を受けた大臣二人に、野党から追及されかねない火種を持つ大臣らを表舞台から消すことで、国会運営をスムーズにし、自民党や公明党との消費税増税の修正協議を推進し、21日までには何としても衆議院での採決に持ち込むための布石づくりだろう。しかし、いつの間にか消費税増税だけが目的化された民主党執行部と自民党の野合に対しては、小沢元代表は手厳しく批判しており、公約違反の野田総理よりもはるかに筋の通った正論を主張している。思いつめたように増税と原発再稼働を急ぐ官邸幽閉の野田総理には、国民の声は全く届いていないという他はない。
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