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戦後最も危険な政権が今 世界恐慌の中で増税する野田の狂気
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2012/6/7 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
国民の支持率たった20%なのに大増税に突っ走っている醜悪な事情
G7の首脳が5日夜、緊急電話会談を開き、欧州の信用不安への対応に協調して取り組むことを確認した。「このままだと世界恐慌だ」と慌てふためいているのだが、確かに事態は深刻だ。
欧州に広がる通貨不安はスペインの銀行不安へと拡大している。通貨、株、債券のトリプル安は世界的な金融危機に連鎖、米国の株価も低迷している。まさにリーマン・ショックの二の舞いだが、各国首脳は打つ手なし。行き場を失った世界のマネーが円に流れ込んでいる。このままだと、円高はさらに加速する。そうなれば、日本の製造業は、いよいよおしまいだ。
安住財務相は各国に「困る」と訴えたらしいが、だったら、今すぐにでもいインフレ政策に転じればいい。この緊急事態の処方箋はハッキリしている。財政出動し、内需を拡大させるしかないのだ。
ところが、野田首相がやろうとしているのは、デフレ下の大増税だから、どうかしている。京大大学院教授の藤井聡氏がこう言う。
「円高とデフレは同じ経済現象で、為替市場から論じるか、国内マーケットから見るかの違いしかありません。円高が進行すれば、デフレが進む。円高を止めるにはデフレを止めるしかない。緊縮財政をやめて、積極財政に切り替え、大がかりな財政出動をするしかないのです。ところが、野田政権は消費税増税でさらにデフレを進行させようとしている。国際会議で円高阻止を訴えながら、国内では大増税というのは支離滅裂です。まして、世界の潮流は積極財政に転じつつある。野田政権の経済政策は非難されてもしようがないと思います」
これだけでも、野田がいかに狂っているかが分かろうというものだが、野田の錯乱、狂乱、倒錯はこれにとどまらない。
◆中間派にも最後のパンツまで脱げというのか
連日、紙上で消費増税キャンペーンを続けている朝日新聞の世論調査(4、5日)でさえ、消費増税法案への賛成はたったの32%、先月調査から7ポイントも減っている。一方、反対は56%で5ポイント増加した。国民からは日に日に「増税反対」の声が強まっているのに、のめり込む錯乱。非常識な増税には一片の大義もないのである。
野田内閣の支持率は、どの世論調査でもたかだか20%そこそこだ。消費増税には、6割もの国民が反対している。一体、何を根拠に大増税に命をかけて、突っ走っているのか、このバカ首相は。
大マスコミは、反対しているのは小沢グループだけのように報じているが、実際は全然違う。
政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏が言う。
「中間派議員約100人は、これまで消費増税で地元から相当な突き上げを食らってきました。それでも、社会保障との一体改革で何とか説得してきたのです。ところが、その社会保障は先送りで、増税の根拠が崩れた。それでも増税に賛成しろと言うのは、ずっと我慢してきた中間派に、最後のパンツまで脱げと言っているようなもの。さすがに、長妻元厚労相をはじめ、馬淵元国交相、小沢鋭仁元環境相らが怒っています。いまや小沢VS.非小沢の単純な構図ではなく、首相の味方だった議員の間にも敵は増えているのです」
狂気の首相にみんなが青ざめ、右往左往。これが民主党の現実だ。増税でイケイケと思っているのは、野田や安住、黒幕の仙谷政調会長代行くらい。党がメルトダウンする危機に慌てて動き回っている輿石幹事長。もう見ちゃいられない惨状なのだ。
◆デフレ不況加速で失業者急増、国家財政は火の車
国民の多くが反対し、党内からも異論が噴出しているのに、大増税の旗を振る狂気の首相。果たして、民主主義国家でこんな暴挙が許されるのか。それでなくても、日本は震災、原発事故の後遺症から立ち直っていない。倒産企業が相次ぎ、失業者があふれ、電気料金や燃料価格の高騰で、企業は阿鼻叫喚の惨状を呈している。
今でも中小企業は倒産寸前なのにこんな悪法が成立したら、庶民生活は破綻だ。経済評論家の上念司氏が言う。
「デフレ下で増税をすれば、デフレ不況が加速し、税収は減ってしまいます。物価上昇率と失業率は反比例するため、さらなる物価の下落で、失業者が急増することになる。いわゆるロストジェネレーション世代はフリーターから抜け出せないし、新卒の雇い止め、中途採用の見送り、中高年のリストラが相次ぐことになります。国民みんなの将来設計が大きく狂うばかりか、失業保険などの社会保障費も膨れ上がり、国家財政はますます苦しくなる。本来なら、デフレの今こそ、お金をどんどん刷って財政出動すべきなのです。なのに、消費増税に走る野田首相は、国を滅ぼそうとしているとしか思えません」
国民生活は二の次、三の次の野田は、消費増税のためだけに大連立を画策している。目を覆いたくなるようなありさまなのに、言論はなぜ沈黙し、傍観しているのか。これもおかしな話だ。
先月4日の国会で、こんな答弁があった。「デフレ下で国民所得が減っている中、税率を上げれば税収は増えるのか、減るのか」と追及された財務省の古谷主税局長が、「減少します」と答えたのだ。野田政権と財務省の国民ダマシがハッキリしたわけだが、大マスコミはこのことも一切報じていない。とことん腐り切っていると言うしかない。
◆ドジョウは干上がっていく運命
それなのに、恐怖の事態は着々と進行している。こんなデタラメが現実になるわけがないとタカをくくっていたら大変だ。権力の座を取り戻したい自民党が、党利党略で野田に協力しようとしている。だから、さっそく、きのう(6日)、消費増税法案の修正協議入りする方針も決めた。
野田の足元を見ている自民党は、どんどん要求をつり上げ、無理難題をのませようとするだろう。そうなれば、民主党は分裂必至。そんな中で解散・総選挙に突入すれば、自民党は政権与党に返り咲ける。もちろん野田は使い捨て。一石二鳥というわけだ。そんな悪(あく)辣(らつ)な魂胆がミエミエなのに、自民党にすがるしかない野田は、自民党案を丸のみするべく突き進んでいる。党内の反対を封じ込めるため、あえて審議日程を区切り、会期末の21日までに短期決戦でゴリ押しするハラだ。
これは戦後最悪の危機ではないか。世界経済にとってのガンはギリシャやスペインだが、日本では野田なのだ。こうなったら、何が何でも野田をぶっ潰すしかない。そのためには、小沢元代表の徹底抗戦に期待するほかない。
「小沢氏はある意味、達観しています。割れることなく、増税反対でグループがまとまっていれば、採決で反対票を投じても怖くない。そんな余裕を感じます」(鈴木哲夫氏=前出)
小沢グループは100人を超える。民主党議員の3分の1を占める。彼らがまとまって造反すれば、野田は処分なんかできっこない。そんなことをすれば、党が潰れてしまうからだ。
野田がそれでも自民党と組もうとすれば、増税反対、棄権派はもっと広がる。気がつけば、野田の周りにいるのは仙谷らだけ。数人のワルだけが干潟に取り残され、ドジョウは干上がっていくことになる。そういう展開でなければ、この国はおしまいということだ。
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