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URL:http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2012060702000135.html
国の出先機関を地方に移す特例法案の国会提出が遅れている。移管後も関与を強めようとする霞が関の抵抗はすさまじい。地域主権改革は政権の一丁目一番地だ。こんな骨抜きを許していいのか。
政府の地域主権戦略会議は昨年末、国土交通省、経済産業省、環境省の出先機関を、地方ブロック単位でつくる特定広域連合に移管することを決めた。以来、対象の事務をめぐって各省の抵抗が続いている。
まず自治体の裁量で行う「自治事務」ではなく、国の代執行が可能な「法定受託事務」に後退。それでも足りず、政令で定める事務に限定した。法的拘束力を持つ国の指示や許認可なども認めた。野田佳彦首相が排除すると言った“地雷”が巧みに埋め込まれた。
さらに各省は指揮監督権や監視権限も要求している。どこまで骨抜きにすれば気が済むのか。政務三役も同調している。政治主導が果たせない政権には閉口する。霞が関の「身を切る」ことも、増税前にやるべきことではないのか。
妥協案として政府は、関係大臣の同意と首相の認定を義務付ける内容を示した。これでは、新たに巨大出先機関をつくるようなもの。目指す改革とは程遠い。
国に残す業務を最小限にとどめたい都道府県からの反発も続く。財源が「必要な措置を講じる」と具体化されなかったことには批判も出る。管轄区域すべての都道府県による広域連合を移管先としたのは、奈良県が加わっていない「関西」へのいじわるなのか。
国と地方双方の言い分を調整する内閣府は、にっちもさっちもいかなくなっている。これでは今国会への法案提出もおぼつかない。二〇一四年度からの順次移管がまたぞろ先送りされかねない。
ここにきて、全国市長会などから国の出先機関の存続を求める声が上がってきた。民主党内には改革反対の議員連盟もできた。国と地方の在り方の全体像が見えないからだ。大都市制度の見直しや道州制の導入など、関連する課題の議論がまるで足りない。つまみ食いのように出先改革だけを急いだからだ。
なぜ国の出先を廃止するのか、原点に戻ろう。二重、縦割り行政の解消もそうだが、地域の民意を反映しやすくするためでもある。ニア・イズ・ベターは自治の基本である。住民の視点に立って、道州制の是非や地方税財源の確保策など地方制度を一体的に考えたい。それが真の地域主権改革だ。
*日本の癌は、霞が関なのですね。政治家の体たらくも、根っ子は霞が関の絶対権力にかなわない。小沢や橋下は、そこを改革すると主張するのだが、本当に出来るのだろうか?不安だらけだが、少なくとも、そのように主張している政治家に、期待する選択しか残っていない。野田民主、谷垣自民では、霞が関との関係は、更なる深みに向かっている。
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