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昨日も書きましたが、今回の改造人事はやはり失敗です。自民党に擦り寄るために閣僚の入れ替えを行ったこと自体、求心力のなさを露呈していますが、度を越した人事を行ったことで、却って墓穴を掘る結果になりました。問責決議を受けていた2人は仕方ありませんが、後の3人は余分でした。
特に、農林水産大臣の鹿野道彦氏の首を切ったのは失敗でした。問責を受けた前田武志国土交通大臣は鹿野グループ(35名)に属しており、これで鹿野グループからの入閣はゼロとなりました。鹿野グループは、昨年9月の代表選で最終的に野田佳彦氏支持に回りました。その論功行賞の意味もあって鹿野氏は農林水産大臣に留まりました。中国1等書記官に情報提供していた疑いが持たれているから交代となったのですが、この疑惑は以前から囁かれており、入れ替えるならもっと早い時期に行うべきでした。
民主党も自民党と同様派閥ができており、野田総理は当初、派閥均衡人事を採っていましたが、消費税増税の妄念に取り憑かれて政局の舵取りができなくなっています。今回の処遇に不満を漏らす鹿野グループは、増税反対に傾いています。改造人事のとばっちりを受けた小川敏夫前法務大臣も、不満を抱いています。退任会見で、小沢氏裁判に関して指揮権を発動しようとしたが、総理に止められたと内情をバラしています。
この小川氏の発言については様々な憶測を生んでいますが、今更そんなことを言ってみても詮ないことなので、小沢グループにアピールするのが狙っだったと思われます。つまり、偽造された捜査報告書を巡る検察の対応は甘く、臭いものに蓋をしようとしてので自分はこれを阻もうとしたが、小沢氏の足を引っ張りたい野田総理に阻まれて、挙句の果てに首を切られたと言いたいわけです。
その真偽はともかくとして、小川氏は菅グループ(50人)に属しており、その動向が注目されます。板垣英憲氏は、菅直人は改心して小沢支持に回っていると述べていますが、この情報は信用できません。菅前総理はそんな殊勝な男ではなく、情勢を見極めて優勢な方につくはずです。
今回の人事には関係ありませんが、最近すっかり姿を見かけなくなった長妻昭元厚生労働大臣が率いるグルーブ(20人)は、増税法案成立に向けて自民党と交渉に入ることに反対しています。自民党は協力の条件の一つとして、後期高齢者医療制度存続を挙げていますが、長妻グループは廃止を掲げているからです。
保険の問題に関しては長妻氏は譲ることができないので、このまま野田政権が自民党の要求を丸呑みすれば、増税反対に回ることでしょう。鹿野グループと長妻グループは中間派で、この2つが増税反対の立場を明確にすれば、態度を決めかねている他の議員に大きな影響を与えることになります。
一方、自民党内にも増税に反対する議員たちが存在します。河井克行衆院議員(松下政経塾第6期生)が呼びかける形で、「消費税増税を考える会」という勉強会が発足し、5月15日に国会内で初会合を開いています。菅義偉元総務大臣ら12人が出席しています。
河井克行議員らは、増税阻止に向けて動いています。読売新聞は、本日付でこう報じています。(http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20120605-OYT1T01025.htm)
自民の増税慎重派に石原氏「多数派ではない」
消費税増税に慎重な自民党有志議員でつくる「消費税増税を考える会」の河井克行衆院議員ら3氏は5日、党本部で大島理森副総裁に会い、消費税率引き上げ関連法案の民主党との修正協議が本格化する前に、全議員・選挙区支部長懇談会を開くよう申し入れた。申し入れ書には、中川秀直元幹事長、塩崎恭久元官房長官、河野太郎衆院議員ら20人が名を連ねた。申し入れ後、河井氏は記者団に「現場で頑張っている支部長からは、『民主党の増税に加担するだけでは選挙を戦えない』との悲痛な叫びが聞こえてくる」と語った。だが、石原幹事長は5日の記者会見で「(増税慎重派が)党内の多数派とは考えない」と述べ、懇談会開催に否定的な考えを示した。。。。。
民主党も自民党も、執行部は強権的な手法を採用しており、馬が合うようです。昔の自民党なら少数派の意見にも配慮したはずですが、今ではファッショ化して、執行部の意向を押し付けることに終始しています。それだけ余裕がないのでしょう。民主党も自民党も同じようになってしまって、「みんなで渡れば怖くない」式に事を進めようとしています。両党に投票した有権者に対する裏切りであり、オール与党となってしまったら、二大政党制など絵に描いた餅に過ぎません。
米国流の二大政党制自体、国民を瞞着するための手法に過ぎませんが、それでも政党のカラーをなくして一体化するという有り得ざる展開には至りません。我国のこの体たらくは、ある意味二大政党制の未来の先取りで、欧米の支配者たちは興味を持って眺めていることでしょう。政党自体の意味がなくなって単一の勢力で支配できれば、それが一番望ましいのですから。
民主も自民も、こんな無茶苦茶をやっても選挙で勝てると思っています。仙谷由人に至っては、「民主と自民で過半数を取れればいい」とまで述べています。両党の合体を示唆しているのです。残念ながら今のようにB層の多い状況では、仙谷の構想は実現する可能性が大です。民主も自民も、それぞれ有権者の2〜3割ぐらいの支持はありますから、合わせれば過半数を取ることは難しくありません。国民の覚醒が望まれます。
http://yokodo999.blog104.fc2.com/blog-entry-649.html
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